2021.06.07

杖の合わせ方と選び方のポイント

最終更新日:2021.06.08

加齢や膝の痛みなどにより歩くことが大変、不安定になってしまうと、長距離を移動することが困難になってしまいます。活動的な生活を支えるために、おすすめ介護用品として「杖」が挙げられます。これから杖を選ぶ方向けに、杖の種類や選び方について解説していきます。

杖を選ぶ際のポイント

高齢者
杖を選ぶ際は、目的に合ったものを選ぶようにしましょう。その人の体の状況によっては、杖以外の介護用品が適している場合があります。杖といっても太さや素材が異なるため、使用感でも比較することが大切です。

ポイント①

杖選びで大切なのは、目的に合った杖を選ぶことです。そもそも杖は、自力歩行ができる人向けに開発されています。杖なしで歩行できない人は、シルバーカーや歩行器など適したものを選んでください。使用目的は、歩行のサポート・足腰の負担軽減・安心感を得るためなどがあります。自立歩行が可能でもバランスがとりにくい方は、杖でサポートしましょう。歩行で足腰に負担がある方や、疲れやすい方も杖の使用がおすすめです。とくに自立歩行に問題がない方でも、杖があると安心できる場合があります。万が一のふらつきの際に備えて、杖を持っておくのもいいでしょう。杖がある安心感があると、高齢者が一人で外出する意欲がわきやすくなります。

ポイント②

杖は、見た目だけで選ぶのではなく、使いやすさや軽さでも比較してください。グリップのデザインは、その人によって使いやすさが変わってきます。実際に握ってみて、手に負担がかかりにくく、扱いやすいものを選びましょう。握力が弱い方でも扱えるグリップの杖も選ぶことができます。また、手の大きさによっても、グリップの形や大きさを変えることが大切です。杖は太いと安定性がありますが、その代わり重くなります。アルミやカーボン製など軽くて丈夫な素材を選ぶ方法もあります。

ポイント③

杖の種類は、折りたたみ杖・収縮杖・多脚杖などがあります。折りたたみ杖はコンパクトに収納できるため、持ち運びに便利です。ただし杖で支える力は弱くなるため、毎回杖を使うほどではない方に向いています。疲れたときや足腰に負担がかかる際に備えて持ち歩きましょう。収縮杖は、高さを調節できる杖です。一般的に広く活用されており、初めての杖としても向いています。多脚杖は、脚が3本または4本になっている杖です。支える力が強くなり、不安定な場所でも安心して使うことができます。

杖の適正な長さ

高齢者
杖はその人の体に合ったサイズのものを選ぶようにしましょう。サイズが合わないと、足腰に負担がかかる恐れがあります。また、歩行時に不安定になりやすく、転倒の事故も発生しやすいため、適切なサイズを選んでください。

身体に合った杖の長さ

杖の長さは、杖を持った際に肘が30~40度曲がるくらいの高さになるようにします。実際に持って杖を選びたいときは、肘の角度で判断してください。なお杖を持って長さを確かめるときは、普段履いている靴を使用してから試します。身体に合った杖を選ぶときは、手を下に伸ばした状態で測りましょう。床から手首までの長さを測ると、適切なサイズの杖を選べます。または、身長から身体に合った杖の長さを割り出す方法もあります。「身長÷2+3」で計算すると、杖の長さがわかるでしょう。杖の長さの目安は、女性なら75~80cmくらい、男性は80cm台です。同じ身長でも使用感が異なるため、試してみて選んでみてください。

背の曲がった方に合った杖の長さ

背の曲がった方は、通常の杖のサイズより多少短くなります。身体に合った杖の長さを測るときは、無理がない程度に腰を伸ばしてください。一度腕を下におろしてから、肘を曲げやすい高さに上げましょう。そのとき、手から地面までの長さが、身体に合った杖の長さです。なお、腰の曲がりが重度の場合は、医師や理学療法士など専門家に相談しましょう。専門家の目線で歩きやすい杖の長さを選ぶと安心です。杖を使っても歩行が困難な場合は、杖以外の補助器具の使用もおすすめです。歩行器など歩行の補助とできる器具も利用できます。杖の使用に拘らないで、その人に合った補助器具を専門家に選んでもらってください。

杖の主要メーカー

手
どの杖を選んだらいいのか迷ったら、主要メーカーの商品をチェックしてみましょう。主要メーカーの杖は、高齢者向けの商品が売られています。

シナノ

シナノは、登山杖や介護杖などを販売するメーカーです。杖を専門に製造販売する会社で、伝統のポール技術が特徴です。日本人の身体に合ったポールを作り続けてきました。グリップ部分に採用されるスリムネックは、細くてもしっかり握ることができるものです。握力の弱い高齢者も扱いやすく、歩行時の痛みを軽減させます。ポール部分は、スキー用のポールにも採用されるアルミ合金です。軽量で強度が高く、過酷な環境にも耐えることができます。

幸和製作所

幸和製作所は、福祉用具の専門メーカーです。杖は種類が豊富で、収縮杖・折りたたみ杖・一本杖・多脚杖などが選べます。収縮杖は種類が方法で、調節ボタンで長さを段階的に変えられるタイプです。フルカーボンで軽い素材や、女性向きの可愛らしい柄の杖もあります。段階調節は最大14段までで、幅広い身長の方にも対応できるでしょう。

島製作所

島製作所は、シルバーカーや歩行器などを扱う福祉用具メーカーです。介護用の杖は、収縮杖・一本杖・折りたたみなど種類があります。杖は毎日の生活が楽しくなるよう、おしゃれなデザインです。コンパクトに収納できるタイプもあるため、旅行用やお出かけ用に使えるでしょう。杖は、長く使えるようオプションが選べます。ゴムやピンなどを取り替えて、オリジナルの杖にできます。

竹虎

竹虎は、医療や介護用品を提供するメーカーです。杖は、医療現場で活用する松葉杖や、介護に向くステッキなどがあります。日常使いに活用できる杖は、手に吸い付くようなシリコンのグリップが特徴です。カラフルで柄付きの杖が選べるため、毎日の生活が楽しくなるでしょう。多脚杖は、脚の部分がコンパクトなつくりです。屋外での使用でも邪魔になりにくく、地面をしっかりととらえます。

フジホーム

フジホームは、杖やステッキなどを販売する介護用品メーカーです。取り扱いのある杖は、海外デザイナーとコラボしたおしゃれなデザインのものがあります。シンプルで男性でも持ちやすい杖や、腕でしっかりと支えるタイプもあります。4点式は、広い接地面でしっかりグリップするのが特徴です。立ち上がりをサポートする杖もあるため、家庭や外出先で幅広く活用できます。

フランスベッド

フランスベッドは、ベッドやマットレスなど介護用品の提供やレンタルなどを行うメーカーです。杖は、おしゃれなデザインのものや収縮タイプなど種類があります。軽量で持ち運びしやすいタイプも選べるため、筋力が落ちた女性にもおすすめです。他社ではあまり見られない、木製のシンプルな杖もあります。杖は先端のゴムが別売りされており、消耗しても部品を交換できるでしょう。傘と杖がひとつになった実用的デザインも選べます。

杖の購入方法

杖
杖を購入するなら、幅広い商品を扱っているお店で比較してみてください。豊富なデザインや大きさの杖があるお店なら、身体に合った杖が選べるでしょう。杖のサイズがわかっている場合は、ネット通販の活用もおすすめです。家族が介護していて外出が難しいときは、ネット通販が便利でしょう。ネット通販は紹介した主要メーカーから比較しやすく、品ぞろえがいいお店も選べて便利です。外出が難しいときは、無理せずネット通販を活用してみてください。

まとめ

家族の歩行が不安定になってきたら、そろそろ杖が必要な時期かもしれません。最近の杖は、おしゃれで持ち歩きたくなるものが多く揃っています。折りたたみ式なら、万が一の際に使えて便利でしょう。杖が必要になってきたら、選び方や紹介したメーカーを比較しながら、身体に合ったものを選んでみてください。

遠藤 和優
介護職員初任者研修、福祉用具専門相談員、住環境コーディネータ2級
福祉用具貸与事業所に勤務し、住み慣れたご自宅での在宅生活を安全・快適に過ごしていただけることをミッションとして福祉用具・住宅改修を通して携わる。
現在は、お客様のお悩みやご相談を受け、福祉用具だけではなく様々な介護保険サービスの説明やご案内を介護相談センター相談員として取り組んでいる。