2023.07.19

大人用おむつ(介護おむつ)の種類と選び方、漏れない当て方を解説

最終更新日:2023.07.19
長谷川 大祐
介護福祉士、福祉用具専門相談員、住環境コーディネータ2級

両親が高齢になって足腰が弱ってきたり介護が必要になってきたりすると、排泄がしっかりとできるだろうか、尿漏れが気がかりで安眠できないのではと心配する方も多いです。特に両親が離れて暮らしている場合は、毎日無事に排泄できているのかを確認できません。スムーズに排泄が行えることは、元気で清潔に過ごす上でとても重要です。

今回は、大人用おむつ(介護おむつ)について、種類や選び方、漏れない当て方を交えて解説します。この記事を読むことで、おむつの知識がない方も最適な大人用おむつ(介護おむつ)を選定することができます。

介護おむつの種類は「アウター」と「インナー」の2種類

介護おむつには、アウター(外側に使用するおむつ)とインナー(内側に使用するおむつ)の2種類があります。

アウター(外側のおむつ)

アウターとは下着のように履く介護おむつで、パンツタイプとテープ止めタイプがあります。

  

パンツタイプは、ウエスト部分に伸縮性がありフィット感に優れています。介護おむつに抵抗がある方でも使用がしやすいよう、見た目や形状は普通の下着とほぼ変わらない作りです。

テープ止めタイプは、腰に巻き付けてテープで止めることができる介護おむつで、サイズ調整が自由に行えます。テープで体と介護おむつを固定できるため、パンツタイプと比較して横や背中などへの尿漏れが起こりにくく体形にもフィットしやすいです。

インナー(内側のおむつ)

インナーとは尿とりパッドのことで、アウターの内側に装着し尿を吸収する役割があります。インナーにも、アウターと同じようにパンツタイプ用とテープ止めタイプ用があります。

パンツタイプは、インナーの前後に付いているテープによりアウターへ装着することができるため、ズレの心配がなく尿漏れが起こりにくいです。

テープ止めタイプは、ウエスト部分をテープで止めることができ、体とおむつの隙間を埋めることができるため尿漏れが起こりにくいです。

アウターのみの使用も可能ですが、インナーと併用するとアウターは交換せずにインナーの交換だけで済ませることができ、介助者と介助される側の両者にとっておむつ交換にかかる身体的な負担軽減が図れます。

介護おむつの選び方

介護おむつの選び方

パンツタイプの選び方

パンツタイプを選ぶ際のポイントは以下の2つです。

①ウエストがピッタリのサイズを選ぶ
パンツタイプは、ウエストサイズにぴったりの介護おむつを選ぶことが重要です。ウエストサイズに合わせることで、快適なフィット感を得ることができるとともに尿漏れを防げます。

②尿の吸収量に合わせて選ぶ
パンツタイプは、使用する方の尿の量に応じて適切な吸収力がある介護おむつを選ぶことが重要です。介護おむつのパッケージやおむつを取り扱うメーカーのホームページで吸収量が確認できますので参考にしましょう。

パンツタイプ

パンツタイプは、自立した歩行ができる方や介助があれば立ち座りができる方、要介護度が軽い方などに最適です。

パンツタイプには、1回の排尿量を150mlとした場合、1回~2回程度の尿を吸収するうす型タイプや、4回〜6回程度の尿を吸収する長時間型タイプなどがあります。

自立した歩行ができる方の場合はうす型、介助があれば立ち座りができる場合は長時間型というように、使用する方の身体状態を考慮した介護おむつを選びましょう。

パンツタイプ用インナー

パンツタイプ用インナーは、パンツタイプのアウターと併用することで、排尿後はインナーのみを交換することが可能になるため、費用面を抑えることができ経済的な負担軽減が図れます。

パンツタイプ用インナーには、1回の排尿量を150mlとした場合、日中を家で過ごす際に適している1回〜2回程度の昼用タイプ、外出や寝る際に適している4回〜6回程度の長時間用タイプや夜用タイプなどがあります。

テープ止めタイプの選び方

テープ止めタイプを選ぶ際のポイントは以下の2つです。

①お尻のサイズで選ぶ
テープ止めタイプは、お尻のサイズにぴったりの介護おむつを選ぶことが重要です。お尻のサイズに合わせることで、横や背中の部分からの尿漏れを防げます。サイズがぴったりすぎてしまうと、使用する方の腹部を圧迫してしまい体調不良になる恐れがありますので注意しましょう。

目安としては、テープ止めタイプの介護おむつを装着した際に、腰やももの部分に指1本が入る程度でテープを止めます。

②尿の吸収量に合わせて選ぶ
テープ止めタイプも、パンツタイプと同様に使用する方の尿の量に応じて適切な吸収力がある介護おむつを選ぶことが重要です。介護おむつのパッケージやおむつを取り扱うメーカーのホームページで吸収量が確認できますので参考にしましょう。

テープ止めタイプ

テープ止めタイプは、日中寝て過ごすことが多い方や寝たきり、要介護度が高い方に最適です。

テープ止めタイプには、背部にポケットが付いたものからギャザーが付いたもの、高分子吸水材のポリマーが付いたものまで、尿漏れを防ぐための工夫が施されたさまざまな種類があります。その他にも消臭機能が付いたものもあるため、使用する方のニーズに応じて介護おむつを選びましょう。

テープ止めタイプ用インナー

テープ止めタイプ用インナーは、テープ止めタイプのアウターと併用することで、パンツタイプと同様に排尿後はインナーのみを交換することが可能になるため、費用面を抑えることができ経済的な負担軽減が図れます。

テープ止めタイプ用インナーには、寝たきりの方が比較的多く使用することを想定した吸収量を確保しており、1回の排尿量を150mlとして、4回〜10回程度の昼長時間用タイプや夜用タイプ、12回程度の強力タイプなどがあります。

介護おむつの交換方法

大人用おむつ

介護おむつの交換は、まずは使用する方の排尿パターンを把握することが需要です。排尿量を把握した上で、どのタイミングでどのような介護おむつを使用するのかを検討しましょう。

介護おむつの交換頻度は、まったく尿をしていない場合であっても衛生面を考慮して最低限1日1回は交換します。

また、排尿をしている場合は、介護おむつのパッケージに記載されている吸収量が交換目安ですが、吸収された尿は時間の経過とともに雑菌が繁殖してニオイがキツくなるため、排尿を確認できた際は速やかに交換することがおすすめです。

パンツタイプ

パンツタイプの介護おむつを介助者が履かせる場合の交換方法

パンツタイプの介護おむつを介助者が履かせる場合の交換方法です。

①使用者に椅子へ座ってもらう、もしくは手すりなどにつかまり立ちをしてもらう
②使用済みの介護おむつをウエストから足の方向へ下げる、もしくはおむつのサイドのつなぎ目を引っ張り破いて着脱させる
③介助者は、交換する介護おむつの中に手を入れて前後に伸ばす
④介護おむつに使用者の足を通し、引き上げる(インナーを併用する場合は、アウターの吸収体に重ねてセットし引き上げる)
⑤必要に応じて介護おむつの位置を調整して快適な着用感を確保する

テープ止めタイプ

テープ止めタイプ介護おむつを介助者が履かせる場合の交換方法

テープ止めタイプ介護おむつを介助者が履かせる場合の交換方法です。

①使用済みの介護おむつのテープをはがし、寝ている使用者のお尻から着脱させる
②交換する介護おむつの前後を介助者が両手で持ち前後に伸ばす
③使用者の身体を横向きにし、介護おむつの端を丸めて身体の中心に介護おむつがくるようにセットする
④使用者の身体を介護おむつの上へ戻し、先ほど丸めた介護おむつを引き出す
⑤股ぐりにギャザーをフィットさせ、介護おむつの中心が使用者の体の中心にあることを確認しながら、介護おむつをしっかりと引き上げる
⑥介護おむつが使用者の骨盤の形に合わせる、または足の周りに隙間がないことを確認しながら上下のテープを貼る
⑦テープを固定し、締めつけすぎず緩すぎない程度に調節する

介護おむつから尿漏れする原因と漏れない当て方

高齢者と介護士

介護おむつが漏れてしまう原因は、不適切なサイズや装着方法、吸収力不足などが挙げられます。尿漏れをさせないためには、適切なサイズを選び、吸収力や交換頻度を適切に管理することが重要です。

パンツタイプは、足の周りを確認し指1本以上の隙間が開かないようにします。
テープ止めタイプは、パンツタイプと比較してズレやすく尿漏れを起こしやすいため、体の後ろ側は腰骨の位置に合わせておむつを当て、テープでしっかりと固定します。

介護おむつをお探しの方はヨイケアがおすすめ

大人用おむつ(介護おむつ)には、アウターとインナーの2種類があり、使用する方の身体状態に合わせてパンツタイプとテープ止めタイプを使い分けることが大切です。この記事を参考に、一人ひとりに最適な介護おむつを選び、尿漏れの心配がない快適で明るい毎日を送ってください。

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ヨイケア
長谷川 大祐
介護福祉士、福祉用具専門相談員、住環境コーディネータ2級

福祉用具貸与事業所に勤務し、住み慣れたご自宅での在宅生活で、お客様が安全・快適に過ごしていただけることをミッションとして福祉用具・住宅改修業務を通して携わる。また地域包括支援センターと連動して地域の老人会や自治会に向けて、住環境整備の大切さを啓発する勉強会を開催するなど、地域に根付いた活動に力を入れている。