2021.05.10

入浴介助|浴槽に入るとき・浴槽から出る時の手順

最終更新日:2021.06.07

入浴介助

入浴_準備

介護を行う上で、入浴介助は欠かせないケアの1つです。体の清潔を保つことは、人間の尊厳を保つことにつながり、清潔が維持できないと感染症や皮膚の病気などの原因になってしまうこともあります。しかし、入浴介助は非常に難しい介助でもあるため、事前にどのような準備が必要となるか、手順などを知識として持っておくことが必要です。今回は入浴介助前の準備から手順、心がけることまでをご紹介していきます。

入浴介助前の準備

まずは、入浴介助前の準備で必要な物をご紹介していきます。

・着替え
まず、着替えは忘れずに用意しておきましょう。必要であれば、新しいオムツや尿取りパッドも併せて準備しておいてください。

・バスタオル
入浴後体を拭くためのバスタオルです。より短い時間で体を拭くために、なるべく大判で吸水性の高いものを選ぶのがおすすめです。

・ボディソープ、石鹸
ボディソープは泡タイプのものを用いると、泡立てる手間と時間がかからないためおすすめです。

・スポンジまたはボディタオル
高齢者の肌は刺激に弱くなっているので、なるべく優しい素材のスポンジやボディタオルを用いてください。

・シャワーチェア、転倒防止マット
シャワーチェアは高齢者の負担軽減のため、転倒防止マットは浴室内用と浴槽内用どちらも用意し転倒した際のリスクを最小限にします。

・処方された塗布薬、保湿剤

・ゴム長靴

浴室内は非常に滑りやすくなっているので、介助時には必ず履くようにしてください。また、滑り予防よりは感染対策のようです。一般的にはサンダルのようです。そのほか、水を弾くタイプのエプロンや、入浴後のための爪切り、処方されている塗布薬や保湿剤なども用意しておくと良いでしょう。

浴槽に入るとき

次に、浴槽に入る際の手順についてご紹介していきます。入浴前には必ず体調のチェックを行いましょう。

①浴槽に入る前に高齢者の肌が触れる箇所にお湯をかけて温めておきます。
②シャワーチェアがあれば足元に注意しながら座ってもらい、なければ手すりなどにつかまってもらいます。
③介助者がお湯の温度を確認したら、声をかけて高齢者にも温度の確認をしてもらいましょう。
④適温であればそのまま声をかけながら足元からお湯をかけていきます。
この時、ゆっくりとかけることを意識してください。
⑤足元から上に向かってお湯をかけたら、髪の毛・顔・上半身・下半身と順番に優しく丁寧に洗っていきます。
⑥洗い残しがないか確認後、しっかりとすすぎましょう。
⑦全身を洗ったら体を支えながらゆっくりと浴槽に入ってもらいます。

浴槽から出るとき

次に、浴槽から出る際の手順を解説していきます。

①のぼせないよう、浴槽に浸かって5分ほどで出るようにしましょう。
②足元に気を付けて、体を支えながら浴槽から出ます。
③浴槽から出たら、頭や体を用意しておいたバスタオルでしっかりと拭き取ります。
この時、転倒防止で足裏までしっかりと拭いておくようにしましょう。
④負担にならないよう椅子などに座ってもらってから、ゆっくりと着替えをします。
着替え時に、処方された塗布薬や保湿剤があれば塗るようにしてください。
⑤水分補給をしてもらいます。
入浴すると発汗するため、水分補給を行わなければ脱水症状を起こしてしまうこともあるため注意しておきましょう。
⑥入浴後も入浴前同様に体調のチェックを行ってください。

入浴介助で心がけること

介護_ケア

入浴介助は手順も多く、転倒などのリスクなども高くなってしまうため、介助者が注意しなければならないことも非常に多くなります。しかし、入浴は高齢者にとっても非常に大切なケアであるため欠かすことはできません。ここからは、入浴介助で心がけることを3つご紹介していきます。しっかりと確認してから入浴介助を行うようにしてください。

体の状態を確認する

入浴介助を行う際には、必ず高齢者の体の状態を確認しましょう。自然に全身をチェックできる機会はそれほどありません。介助時に皮膚の乾燥や汚れ、傷などがないかチェックするとともに、長時間座っていることが多い、もしくは寝ていることが多い高齢者であれば床ずれが生じている可能性も十分にあるので腰なども注意深くチェックしておきましょう。病気や怪我などで皮膚が腫れてしまったり、ただれていたり、赤くなっていたりすることもあります。異常がないかどうか体の状態を確認しましょう。

体調が悪いときは無理をしない

体調が悪いときは、必ず無理をせず入浴は避けてください。無理をして入浴してしまうことで、体調がさらに悪化してしまうことにもつながります。しかし、体を清潔に保つことは非常に大切なことなので、体調が悪いときには体を温かいタオルで拭いたり、足だけお湯に浸かれるよう足湯を用意してみたりしても良いでしょう。温かいタオルは水で濡らしたタオルをレンジでチンするだけで簡単にできるため、介助者にとっての負担も少ないです。足浴も入浴介助に比べると負担は少なく用意はしやすくなっているので、体調が悪いときには入浴ではない他の方法で清潔を保つようにしましょう。
これらを行うだけでも、心身のリラックス効果や血流が良くなるため筋拘縮や床ずれなどの予防になります。

できることは、ご自身でやってもらう

入浴介助となると、一から十まで全部介助してあげなければとつい介護者も手を出してしまいがちになります。しかし、高齢者が自分自身でできることはご自身でやってもらうようにしましょう。特に、洗ってもらうことに抵抗のある局部や陰部などは羞恥心も強くなってしまうため、できるのであればご自身でやってもらってください。自分でできることは自分で行うことで、日常生活動作を維持することにもつながります。ただし、難しいようであれば手助けはいつでも行ってください。しっかりと洗えていないことで、皮膚の清潔が保てずに感染症や臭いの原因にもなってしまいます。

入浴介助で悩みの方へ

介護士

入浴介助は、介護者にとっても体力や時間を要するため非常に大変です。高齢者と介護者どちらの負担も軽減するためには、事前の準備が最も重要となります。また、介助の手順や心がけることを知っておくだけでも気持ちの余裕は出てきやすくなります。リスクにはしっかりと備えながら、気持ちよく入浴できるように準備から怠らないようにしましょう。

増田 高茂
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者
多くの介護事業所の管理者を歴任。小規模多機能・夜間対応型訪問介護などの立ち上げに携わり、特定施設やサ高住の施設長も務めた。社会保険労務士試験にも合格し、介護保険をはじめ社会保険全般に専門知識を有する。現在は、介護保険のコンプライアンス部門の責任者として、活躍中。