2022.02.02

身寄りがない、老後に不安な方へ

最終更新日:2022.08.18
増田 高茂
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者

身寄りがいない、老後の不安

終活_終末期

核家族や少子化の背景がある現代では、老後の不安があるかもしれません。人によっては、子どもや親戚などがおらず、老後に身寄りがない場合もあります。そんな老後は、さまざまな不安があるのではないでしょうか。たとえば、急に体調が悪くなっても、誰も助けに来てくれない不安があるでしょう。近所の人や友人がいたとしても、毎日会うわけではありません。また、判断力が低下した際の金銭的管理の不安も考えられます。介護が必要な状態になったら、誰を頼ればいいか悩む場合もあるでしょう。老後に身寄りがない人は、万が一の際や自分が亡くなったことを考え、対処方法を考える必要があります。

老後の不安を解消する方法

終末期の不安を解消する方法

老後に何らかの不安があるなら、不安を解消する対策をしましょう。人とのつながりを深める方法や、法的手続きをしておくと安心です。複数の対策の中から、自分に合う方法を見つけてください。

地域のサークルやボランティア活動に参加する

まずは、気軽に相談できる仲間を増やしてみましょう。たとえば、地域のサークルに入る、ボランティアに参加するなどの方法です。身寄りがいなくても、誰かとつながりがあれば不安は軽減できます。サークル仲間と親しい間柄になれば、よく顔を合わせるようになるでしょう。同じ年齢の人が集まる環境があると、仲間同士で顔を見せなくなった人を心配してくれるものです。また、同じ趣味がある人とおしゃべりするだけでも、ストレス解消になります。老後の不安があるのは、誰かに相談できずストレスが溜まっているだけかもしれません。

委任契約や後見契約を結ぶ

老後の金銭管理で不安があるなら、委任契約や後見契約がおすすめです。委任契約や任意後見契約は元気なうちに利用できる制度です。判断力があるうちに公正証書による契約を結んでおけば、いざというときに役立ちます。自分が選んだ人を後見人として指定できるため、安心感があるでしょう。実際の開始時期は、自分の判断力が低下してからです。任意後見人が家庭裁判所へ行き手続きしてから、後見人制度が利用できるようになります。

葬儀やお墓について生前契約をしておく

自分が亡くなった際の葬儀やお墓の不安があるなら、生前契約をしましょう。葬儀会社や墓地などによっては、生前から契約できるところがあります。生前に契約する場合は、自分でプランや費用を比較できて安心でしょう。支払いは生前に済ませておくため、葬儀を任せる人に負担をかける心配がありません。菩提寺がある人なら、お付き合いのあるお寺に葬儀からお墓を任せられるでしょう。葬儀会社や墓地によっては、宗派や生前のお付き合いに関係なく利用できるところもあります。

遺品や財産の処理の方法を決めておく

思い出のある遺品を持っている場合は、誰に何を残すのか決めておきましょう。または、財産がある人は誰に分け与えるのか、生前に決めておくと安心です。生前から準備しておけば、価値のあるものを誰かに譲ることができます。準備せず業者に任せてしまうと、価値がわからずゴミとして廃棄されるかもしれません。大切に扱ってきたものでも、本人やコレクターでしか理解できない場合もあります。遺品や財産の処理に対しても書類に明記しておけば、業者に委託した場合に安心です。

遺品整理について

遺品整理

身寄りがない人は、遺品整理を専門業者に依頼するといいでしょう。遺品整理を業者に依頼する人は、家族が離れており仕分けできない人、身寄りがない人などです。短期間で遺品整理からゴミの処分、部屋の受け渡しまで対応してくれます。遺品整理でかかる費用は、3万円~60万円までです。部屋が少なく、仕分けや清掃の手間が少なければ、数万円程度から利用できます。料金は作業量と時間で変わるため、費用を節約したいなら、自分で対応できることは生前にやっておきましょう。

預金通帳やカード類等

お金に関する通帳やカード類は、1つにまとめておきましょう。複数の場所にあると、遺品整理の際に見落とす恐れがあります。できれば、預金やタンス貯金は1つの口座にまとめて入金するといいでしょう。使っていない銀行口座があるなら、生前に解約しておいてください。不要となった口座から全額引き出して、メインの通帳にまとめればわかりやすくなります。本人以外の口座の解約は、必要書類が多くあり時間もかかるため避けるのが無難です。銀行キャッシュカードのパスワードは、通帳と一緒に保管するのはおすすめできません。人によっては、ネット銀行やスマホ決済サービスを利用しているかもしれません。通帳がない場合やパスワード等は、メモを残すなど対策しておきましょう。

書籍

書籍の処分は、少しずつやって量を減らしましょう。綺麗な状態の書籍は、本の買い取りショップに引き取ってもらえる場合があります。蔵書があるなら、近くの図書館などの施設に寄贈できるか確認しておきましょう。廃棄処分する場合は、お住まいの自治体の処分方法に従ってください。書籍の量が多いと一人での移動は大変かもしれません。地域の廃品回収で引き取り可能なら、玄関まで回収に来てくれる場合があります。

賃貸物件

自分が亡くなった後のことを考えて、賃貸物件の対応も考えましょう。賃貸では、家賃の支払い、敷金の扱い、原状回復などの手続きがあります。大家さんや管理会社に、亡くなった後の対処は誰がするのか連絡しておくと安心です。

人に預けてあるもの、借りているもの

誰かに貸してあるもの、借りているものがあるなら、早めに連絡しましょう。長年借りたままでは、お互い気分は良くありません。早めに対処することで、自分も相手も気持ちが軽くなります。

手紙や写真などプライベートなもの

身寄りがない場合は、手紙や写真などの引き取り先がありません。大切な思い出が詰まっていることはわかりますが、生前に数を減らしておきましょう。処分できない場合は、デジタルデータに変えて保管スペースを減らす対策もあります。

エンディングノートを活用しよう

エンディングノート

生前にできる対策として、エンディングノートの活用がおすすめです。エンディングノートと聞くと悪いイメージがあるかもしれません。決して後ろ向きのものではなく、自分の生き方を見つめ直し、遺品や葬儀などの取り扱いをまとめることができます。自分の気持ちを書き記すことで、安心感があるためおすすめです。遺言の意味もありますが、思いを整理するためにも活用してみてください。

増田 高茂
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者

多くの介護事業所の管理者を歴任。小規模多機能・夜間対応型訪問介護などの立ち上げに携わり、特定施設やサ高住の施設長も務めた。社会保険労務士試験にも合格し、介護保険をはじめ社会保険全般に専門知識を有する。現在は、介護保険のコンプライアンス部門の責任者として、活躍中。