2022.04.06

【重要】高齢者が買い物へ行く際に気を付けるべきポイント5つ

最終更新日:2022.11.01
長谷川 大祐
介護福祉士、福祉用具専門相談員、住環境コーディネータ2級

一人暮らしの高齢者や高齢者夫婦の世帯が増え、買い物にお年寄りだけで出かける場面も多くなってきました。食料品や日用品などの買い出しには、思わぬ危険が潜んでいることも。今回は、高齢者が安全に買い物をするために必要な情報について、以下の通りご紹介していきます。

  • ・昨今話題になっている買い物弱者とは?
  • ・買い物弱者が生まれている要因について
  • ・高齢者の方が買い物に行く際に気を付けるべきポイント5つ
  • ・おすすめショッピングカートのご紹介

この記事を読めば、高齢者が買い物に出かけるときの注意点や、買い物のときにあると便利な用具のことが分かります。

昨今問題になっている買い物弱者とは?

買い物弱者とは

「買い物弱者」とは、加齢による身体機能の低下に加えて過疎化に伴う近隣商店の撤退や交通機関の弱体化などが重なり、食料品や生活必需品の日常的な購入が困難になった人のことです。

経済産業省では、買い物弱者について「流通機能や交通網の弱体化とともに、食料品等の日常の買物が困難な状況に置かれている人々」(引用:経済産業省 買物弱者応援マニュアル)と定義していますが、ここでは高齢者自身の体力や身体機能低下により買い物弱者になってしまう状況も含めてご説明していきます。

買い物弱者が生まれている要因について

高齢者と介護士

買い物弱者の定義を参考に、買い物弱者が生まれる具体的な状況を説明します。

身近な店舗が撤退した

スーパーなどの商店は、当然ながら利益がなければ経営が成り立ちません。地域の高齢化や過疎化が進んでしまえば必然的に利用客が減ってしまうので、店舗の維持が困難となります。仮に人口の多い地域に住んでいたとしても、歩いて行ける距離にあった店舗が撤退してしまえば、これまでより買い物のための遠出が必要になります。こまめに買い物をしていた高齢者も、交通手段がなければ何度も買い物に行くことが困難になります。

買い物した荷物を自宅まで運べない

少量の買い物をくり返せない場合、まとめ買いが必要です。しかし本当はまとめ買いしたくても、体力が原因でできない場合があります。高齢になると筋力が低下し、買い物袋をいくつも運ぶことが難しい人もいるためです。

病気や怪我によって外出が難しくなった

加齢に伴って、脳卒中やパーキンソン病・認知症など様々な病気にかかる可能性があります。病気によっては車の運転が難しくなったり、外出した後の帰り道が分からなくなったりする症状が出るため、買い物のために外出することが困難となります。転倒して骨折したり、足腰が弱くなって歩行や自転車などで近所の店に出かけたりすることも難しくなってしまう事態も考えられます。

高齢者の方が買い物に行く際に気を付けるべきポイント5つ

高齢者

高齢者が買い物へ行く際、地域によっては遠方まで出かけなければならない場合があります。買い物で安全に外出するためには、事前の準備を入念にしておくことが必要です。買い物へ出かける際に行うべき事前準備のポイントは、以下の5つです。

  • ・公共交通機関の確認
  • ・歩行補助具の活用
  • ・買物当日の体調管理
  • ・買い忘れがないように確認
  • ・買物当日の天候について

ここからは、なぜ上記のポイントが大切なのかについて詳しくご紹介していきます。

公共交通機関の確認

食料品店が近くにあったときは、徒歩や自転車で気軽に買い物へ出かけられたはず。しかし自家用車が使えない場合、遠方のスーパーまで買い物へ行くためには公共交通機関の利用が必要になります。地域によっては1日の運行本数が少なく、地方になると2~3時間に1本しかバスが来ないということも珍しいことではありません。バスをひとつ逃すと、運賃が高いタクシーを呼ばなければならなくなってしまいます。

目的の店舗まで乗り継ぎが必要なときは乗り換え先の発着時間も確認しておき、スムーズな乗車を目指しましょう。自宅から目的地までの道順についてはスマホで簡単に検索することもできます。本人が難しいようであれば、ご家族の方が代わりに調べて教えてあげるとよいでしょう。

事前に検索し計画を立てるには、買い物に行く日は平日か休日か、出発時間や到着時間を考えておくことも大切です。交通機関によっては、平日と休日で運行ダイヤが異なる場合がある点にも注意しましょう。

歩行補助具の活用

高齢者の歩行補助具は、本人にどれだけ歩ける能力があるかによって必要な用具が異なります。例え自力歩行に不安があったとしても、適切な歩行補助具を使用することで安心して外出できるようになります。参考として、足腰に不安があるときに頼りになる用具を4種類ご紹介します。

杖の種類には、長さ調節のできる伸縮杖、カバンに収納できる折りたたみ杖、安定性の高い多脚杖、握力の弱い人も握りやすいクラッチ杖などがあります。それぞれ特徴があるので、運動機能によってタイプを決めましょう。一般的なT字杖や多脚杖(4点杖)は介護保険を使えば月100~150円程度でレンタルすることもできます。

歩行車

歩行車は、しっかりと体を支える構造にすることで歩行が不安定な方を支援する歩行補助具です。歩行車へ体重を預けて歩けるため、転倒の危険性を減らすことができます。

自転車のようなブレーキや自動で車輪に制動をかけてスピードを抑制してくれる製品もあり、下り坂で止まれなくなる心配も解消できます。かご付きの歩行車は買い物での荷物を入れて移動ができますし、座面が付いていて疲れたときは休憩できる歩行車もあります。

介護保険制度を利用したレンタル利用であれば、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員から適切な商品を選定してもらえるだけでなく、月300~800円程度でレンタルすることができます。使用中の歩行器が故障したり体に合わなくなったりしたときも気軽に交換してもらうことができるので、非常にオススメです。

シルバーカー

シルバーカーは乳母車のような形で、高齢者用手押し車とも呼びます。自立歩行ができる高齢者向けの歩行補助具で、遠方まで買い物へ行ったときは荷物をかごに入れて持ち帰ることができます。また、途中で疲れたときは、かご部分を椅子にして休憩をとることも可能です。

先ほどご紹介した歩行車と形が似ていますが、歩行者のように歩行時の体重を支える構造にはなっていません。シルバーカーを過信して体重を預けると、シルバーカーごと転倒する危険があるので使用時には注意しましょう。

ショッピングカート

ショッピングカートはシルバーカーより多く収納でき、まとめ買いしたいときに便利です。自分で歩けて買い物もスムーズな人は、若者も使うキャリーカートタイプのショッピングカートもあります。スーパーマーケットに設置されているショッピングカートをシルバーカー代わりに利用することもできます。その際は誤って体重をかけて引っくり返ることがないように注意しましょう。先に重い物をショッピングカートに入れておけば重りになるので、思わぬ転倒事故をある程度予防することできます。

買い物当日の体調管理

遠方まで買い物に行く日は、出発前の体調チェックを十分に行いましょう。体温は平熱か・昨夜は十分眠れたか・体の不調はないかなどを確認して、無理をしないようにします。持病のある人は、必要な薬をきちんと飲んだか・状態は安定しているかを確かめてから出発します。例えば午前中から外出し昼食を食べてから帰宅するような予定の場合、外出中の薬を持っていくことも忘れないようにしましょう。

買い忘れがないように確認

高齢になると、物忘れが多くなるものです。店に着いたときに買うものを忘れてしまうかもしれません。買い忘れを防ぐために、事前に買うものを紙に書いて準備しておきましょう。作成した買い物リストは、事前に財布やバッグなど必ず持っていくものに入れておくと忘れないで済みます。

買い物当日の天候について

天気の悪い日は足元が濡れており、杖など歩行補助具も滑りやすくなって転倒の危険性が高まります。また、屋外だけでなく買い物先の店舗内も床が濡れており、屋内だからと言って油断はできません。雨や雪の日、風がとても強い日など天候が悪いときは外出を控え、天気のよい日に買い物に行くようにしましょう。

おすすめショッピングカートのご紹介

テイコブリトスリムWAW04

まとめ買いした荷物を最も多く収納できるショッピングカートの中から、おすすめの「テイコブリトスリム  WAW04」を紹介します。

スリムで軽量

カート本体の幅は47cmで、歩行車の中では最小クラスのスリムさです。重量は約4.5kgと軽量で、大きな力を使わず持ち運びしやすいサイズです。道の段差も小さな力で押して動かせるため、街中や店内でも楽に使えます。

小回りがきく

車体の回転半径は66cmで、小回りのききやすいつくりです。旋回性が高いため、方向転換もスムーズに行えます。

高さ調節が幅広い

押し手の高さは64~91cmまで調整可能なため、様々な体格の人に合わせて調整することができます。テイコブリトスリム WAW04は、以下の通販サイトから購入可能です。

テイコブリトスリム WAW04

安全な買い物にするために

杖をついて歩く高齢女性

ここまでは、買い物弱者が生まれる原因や高齢者が安全に買い物をするためにチェックしておくべき点についてご紹介してきました。

  • ・買い物弱者とは、心身状態や居住環境の影響で自由に買い物をすることが困難になった人のことをいう
  • ・買い物弱者は、近隣店舗の撤退・買い物した物を運べない・病気や怪我で外出が困難になった場合に生じる
  • ・安全に買い物をするためのポイントは、「事前の情報収集と準備」「歩行補助具の活用」「体調管理」「買い忘れをしないような工夫」「買い物は天気がいい日にする」の5つ
  • ・荷物を持って運ぶことが難しい方には、ショッピングカート「テイコブリトルスリム WAW04」がおすすめ

これらの情報が、少しでも皆様のお役に立てば幸いです。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

長谷川 大祐
介護福祉士、福祉用具専門相談員、住環境コーディネータ2級

福祉用具貸与事業所に勤務し、住み慣れたご自宅での在宅生活で、お客様が安全・快適に過ごしていただけることをミッションとして福祉用具・住宅改修業務を通して携わる。また地域包括支援センターと連動して地域の老人会や自治会に向けて、住環境整備の大切さを啓発する勉強会を開催するなど、地域に根付いた活動に力を入れている。