2021.07.28

特定施設入居者生活介護とは|初めての方へ分かりやすく解説

最終更新日:2021.07.28

特定施設入居者生活介護という言葉を聞いたことがありますか。聞きなれないかもしれませんが、種類によっては入居したい施設の候補になります。お住いの地域にも特定施設入居者生活介護の指定を受けた施設があるはずです。今回は指定を受けた色々な施設について解説していきます。

特定施設入居者生活介護(特定施設)ってどんなところ?

杖

特定施設入居者生活介護の指定を受けた「特定施設」とはケアプランに基づき、身体的介護サービスと機能向上のリハビリを受けられる、厚生労働省が定めた施設のことです。具体的には有料老人ホームや軽費老人ホーム、養護老人ホーム、さらに一部のサービス付き高齢者向け住宅がこれに当たります。

特定施設入居者生活介護(特定施設)とは

特定施設入居生活介護での介護サービスの提供の方法は「一般型」と「外部サービス利用型」に分かれます。一般型は内部提供型とも言い、特定施設の介護職員が食事や入浴、排せつ介助などを提供することを指します。一方、外部サービス型は、特定施設の職員が立てた計画に基づいて、外部の事業所に介護サービスを依頼する方法です。特定施設入居者生活介護の指定を受けるということは、入居者に日常生活上の世話や機能訓練を行うことを示しますが、特定施設の対象になるのは「有料老人ホーム」「経費老人ホーム(ケアハウス)」「養護老人ホーム」です。「サービス付き高齢者向け住宅」の場合でも、「介護付き有料老人ホーム」に該当するなら特定施設の扱いになります。

2つのタイプをチェックする

看護師

特定施設入居者生活介護の指定を受けた特定施設は、一般型と外部サービス利用型に分かれています。それぞれに特徴があり、メリットやデメリットも違うので、2つのタイプをチェックしていきたいと思います。

一般型(内部提供型)とは

ほとんどの施設が一般型で利用料金は要介護度別に定められた包括報酬になります。施設には入居者3人に1人の介護職員が配置されており、介護サービスを受けることができます。メリットは、比較的自立に近い入居者が多く生活相談などの支援が中心なので、要介護者に対して効率的なサービス提供ができることでしょう。24時間体制の対応や介護費用が一定なので安心であるのも良い点です。自治体や社会福祉法人が運営する特別養護老人ホームに人気が集中するなか、他の受け入れ先として特定施設入居者生活介護の指定を受け、かつ介護付きの一般型の施設が注目されています。デメリットは、介護が施設とより異なる点です。

外部サービス利用型とは

外部サービス利用型でも定額報酬で介護サービス計画や生活相談、安否確認は施設の職員が担います。介護サービスが必要なときは、施設が委託した外部の事業所が訪問介護や訪問看護といったサービス提供をし、使った分だけ算定します。メリットは、1対1のスポット的なサービスの比重が大きく、要介護者が少ない場合効率的なサービス提供が可能だという点です。個別のニーズに応じて介護を受けることができるでしょう。デメリットとしては、施設の職員に対して利用者が遠慮する気持ちを持ちやすく、軽微な支援は頼みにくいといったことがあります。また、その状況によっては、介護費用が高額になる場合があります。

介護付き有料老人ホーム

老人ホーム

有料老人ホームでは「介護付き有料老人ホーム」だけが特定施設入居者生活介護の指定を受けることができます。有料老人ホームの中で、唯一特定施設となる介護付き有料老人ホームについて詳しく見ていきましょう。

介護付き有料老人ホームとは

入居する時の費用は、家賃を前払いするという意味の入居一時金(0~数千万円)と月々の費用(15万~35万円)がかかります。入居一時金は払いすぎた分があれば、退去時に返還されることがあります。月々の費用は施設介護サービス費やサービス加算という、介護保険の対象になる料金と、居住費、食費といった自費の料金があります。そのほか不定期で、レクリエーションや理美容代、日用品代、医療費、入浴や通院送迎が一定以上になった時の追加サービス費などがかかることがあります。

サービス付き高齢者向け住宅

自宅
サービス付き高齢者向け住宅は、有料老人ホームと比べて低めに抑えられ、住み替えを見通して比較的気軽に選べる施設です。初期費用と月々の費用は「一般型」か「介護型」なのかで金額に差があります。

サービス付き高齢者向け住宅とは

初期費用として、一般型は礼金や更新料が不要で、敷金(0~数十万円)のみがかかります。一方特定施設入居者生活介護の指定を受けている介護型では、介護付き有料老人ホーム同様返還金制度がありますが、入居一時金(数十万円~数百万円)がかかる場合があります。月々の費用は、一般型で5万~25万円、介護型で15万~40万円程度を想定しておきましょう。一般型が低額なのは日常生活がある程度自立した方が多いためで、生活支援サービスなどをあまり使わなければ、年金の範囲内で賄うことも可能になります。介護型が高めなのは、食費サービスを受けることが前提となっていることや、水道光熱費が含まれているためです。

ケアハウス(軽費老人ホーム)

老人ホーム
福祉施設という性格上、身寄りがない、または家庭環境や経済状況などの理由で家族と一緒に住むことができない高齢者が限定的に入居できるケアハウスですが、やはり「一般型」か「介護型」で違いがあります。

ケアハウスとは(軽費老人ホーム)

一般型は初期費用として、退去時に行う居室の清掃や修繕のための保証金を、介護型では入居一時金(0~数十万円)を支払います。そのほか月々介護サービス費や居住費や食費などを支払います。一般型が介護保険対象サービスを使うときは、自宅で暮らす要介護者と同じように外部事業所に依頼しますが、介護型は施設の介護職員が行います。ケアハウスは自治体の助成を受けることができるので、有料老人ホームよりも低い金額設定になっています。基本的に受けられるサービスは見守りや食事、掃除、洗濯などの生活援助が中心です。

養護老人ホーム

介護
養護老人ホームは、介護の必要性を問わず、経済的な理由で自力で生活することが難しい高齢者の施設で、基本的には社会復帰を目指すことを目的にしているため、長期的な利用を目的としていません。

養護老人ホームとは

入居者本人や扶養義務者の前年度の収入によって費用が39段階に定められており、入居金は不要です。最も高額でも14万円程度で済むようです。安否確認や生活相談、健康管理、レクリエーションの支援はありますが、介護サービスの提供はないので介護の必要性が出てくると介護保険施設などに移るようになります。今回は特定施設入居者生活介護の指定を受けた様々な施設について解説しました。指定を受けることで、一定の基準が保証されていることになるので、施設選びの目印にしてみるのもいいでしょう。

増田 高茂
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者
多くの介護事業所の管理者を歴任。小規模多機能・夜間対応型訪問介護などの立ち上げに携わり、特定施設やサ高住の施設長も務めた。社会保険労務士試験にも合格し、介護保険をはじめ社会保険全般に専門知識を有する。現在は、介護保険のコンプライアンス部門の責任者として、活躍中。