2021.08.02

老人ホームの体験入居の際のポイント|注意するべき点について解説

最終更新日:2021.08.12

体験入居は、「老人ホーム選びに迷っている」「いきなり入居するのは不安…」という方におすすめです。一定期間老人ホームに滞在し、サービス内容や施設の雰囲気を確認することができます。この記事では、体験入居の内容や注意点についてわかりやすく解説。チェックポイントも合わせて紹介するので、ぜひ参考になさってください。

体験入居とは

体験入居

老人ホームは、施設によって費用やサービス内容がさまざまに異なります。入居してから「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないためにも、施設は事前に確認しておくのがおすすめです。体験入居は、多くの老人ホームが取り入れるサービス。最短で1泊2日、長ければ1週間から3カ月まで入居できる場合もあります。費用は1泊あたり4,000円から1万5千円ほどが多いようです。サービス内容や介護度によっても金額は異なるでしょう。体験入居は納得いくまで滞在するのが一番ですが、1週間ほどあれば施設全体のイメージがつかめると考えられます。

体験入居の重要性

介護

老人ホームを選ぶ際は、施設の資料を取り寄せた上で実際に見学してみることが大切です。資料だけでは分からない雰囲気を、よりはっきりと感じとることができます。しかし、数時間の見学だけでは分からないのが、1日をとおした施設のサービス内容です。特に、朝晩はスタッフの数が少ない時間帯。眠れない入居者がいたり、スタッフがすぐには対応してくれなかったりと、日中とは様子が異なることもあります。また、長期間入居するからこそ大切なのが住環境です。騒音がひどかったり、日当たりが悪かったりといった問題は、短時間の見学では気付けない可能性もあります。施設内のにおいなどが気になるケースもあるでしょう。このように、体験入居には一定期間滞在するからこそ確認できる情報がたくさんあります。特に、有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅は、入居一時金が必要な場合があります。自分に適した老人ホームを選ぶためにも、体験入居は重要な役割を担っていると言えるでしょう。

体験入居で受けられるサービス

介護士

体験入居では、実際に入居したときと同様のサービスが提供されます。身体介護が必要な方であれば、食事や排せつ、入浴の介助を受けることも可能です。居室の掃除や洗濯といった生活支援サービスも利用できるでしょう。また、施設によっては、レクリエーションやイベントといった催しが開かれます。レクリエーションは娯楽だけでなく、身体機能向上や他者との交流の目的もあります。カラオケやゲーム、書道など内容は施設によってさまざま。積極的に参加することで、他の入居者の様子を知ることもできます。また、機能訓練指導員のいる施設では、リハビリを受けることも可能です。施設の対応を見極めるためにも、要望はしっかりと伝えるようにしましょう。

体験入居前の準備

高齢者_食事

体験入居前は、一日の生活をイメージして日用品を準備します。まずは、滞在中の着替えが必要です。洗濯することを考え、1週間以上の滞在で4~5日分の衣類や下着、パジャマを準備しましょう。1泊程度の体験入居であれば、浴衣を貸し出している施設もあります。また、靴は外用と室内用を準備します。転倒の恐れのない、なるべく履きなれたものを選びましょう。室内用はスリッパよりも、しっかりと足全体を包み込むものがおすすめです。そのほか、歯ブラシやコップ、必要であれば入れ歯ケースも忘れないようにしましょう。タオルや石鹸など入浴用品は用意されていることが多いので、事前に確認しておくことが大切です。ティッシュやおむつといった消耗品も、日数分準備しておきたいですね。また、忘れてはいけないのが服薬している薬です。いつどのタイミングで薬を飲むのか、スタッフに伝えておくと安心できます。インスリン注射のための医療器具などを持参する場合にも、必ず施設側に相談しておきましょう。

体験入居時にチェックすべきポイント

介護士

体験入居時には、以下のような項目をチェックするのがおすすめです。忘れてしまわないように、事前にメモをしておくと安心ですね。記入した内容は体験後に家族と共有し、施設選びに活かしていきましょう。

居室・設備

まずチェックしたいのが、長時間過ごす居室の様子です。ただ広いだけでなく、ベッドからトイレへと動線がつながっていることも大切。移動時の転倒リスクを軽減することができます。また、介護ベッドや寝具などは備え付けのものが多く、持ち込める私物の量は限られている場合もあります。不必要なものを揃えなくて良いよう、居室内の備品をチェックしておきましょう。食堂やリビングのような共有スペースの使いやすさも合わせて確認しておきたいですね。

日常生活のサービス

老人ホームでは、生活支援や身体介護といったサービスが提供されます。体験入居では、それぞれの満足度についてチェックしておきましょう。掃除や洗濯の内容もチェックしておきたい基本的なポイント。入浴時には安全に留意していることも大切です。

人間関係

施設では、他者と共同生活を送らなくてはいけません。なるべく気持ちよく過ごすためには、人間関係は大切な問題です。そのため、体験入居ではなるべく多くの方と関りを持ちましょう。食事時間やレクリエーションは、ほかの方と接する良い機会になります。

食事

1日3回の食事は、入居する上で重視したいポイントです。味はもちろんのこと、「栄養バランスがとれているか」「嚥下状態に対応した形態か」「どんな食器で出されるか」というのも大切なポイントです。冷たいものは冷たく、温かいものは温かく提供されることは、衛生面にも影響します。体調に合わせ、内容を変更できるのかといった点も確認しておきましょう。

介助・介護

入居後は、可能な限り自立した状態で、体調を維持しながら過ごしたいものですよね。そのためは、適切な介護サービスが必要です。大切なのは、あれもこれもに手を貸すのではなく、必要な部分を補う介護であること。そして、入居者の安全に留意したものでなくてはいけません。毎日健康チェックががなされているか、体調不良の訴えにすぐ応じてくれるかといった点も大切なポイント。夜間のサービス内容もしっかりと確認しておきたいですね。

スタッフ

老人ホームでは、さまざまな職種のスタッフが入居者の生活を支えます。身近な存在である介護職のほか、看護師やリハビリスタッフ、栄養士などのチームワークが大切です。それぞれがいきいきと、笑顔で働いているほど仕事はスムーズに運び、入居者により良いサービスが提供されると考えられます。気持ちのよいあいさつや、言葉遣いもチェックしておきたい項目です。介護の国家資格である介護福祉士、医療的ケアを行う看護師といった、専門分野のスタッフが適切に配置されているかも確認しておきましょう。

迷ったらまずは体験入居をしてみよう

介護

体験入居では、パンレットや見学ではわからない施設の情報を確認できます。ポイントは事前にリスト化し、施設で過ごす自分をイメージしながらチェックしていくことです。情報が多すぎて迷ってしまわないよう、自分が重要視したい条件をおさえておくことも大切。家族もなるべく訪問し、滞在中の本人の様子を確認しておきたいですね。体験入居を活用し、より良い老人ホーム選びに活かしていきましょう。

増田 高茂
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者
多くの介護事業所の管理者を歴任。小規模多機能・夜間対応型訪問介護などの立ち上げに携わり、特定施設やサ高住の施設長も務めた。社会保険労務士試験にも合格し、介護保険をはじめ社会保険全般に専門知識を有する。現在は、介護保険のコンプライアンス部門の責任者として、活躍中。