2021.10.19

高血圧でお悩みの方へ、血圧が高い時のリスクと血圧を下げる薬について解説

最終更新日:2021.10.21

血圧とは

血圧計

人体には、無数に血管が張り巡らされています。血液は、人間が生命活動を行うにあたり必要不可欠な存在であり、血管はその血液を運ぶための道です。血圧とは、血液の通り道たる血管内部にかかっている圧力を指します。ご存じの通り、血液は心臓の機能を用いて全身を循環しています。心臓がポンプの役割を果たしており、血液を押し出すことにより血管内を通り人体のさまざまな場所へ送られていくのです。血圧は、心臓から送り出された血液が、血管の内壁を押す力ともいえます。なお、血圧はmmhg(ミリメートルエイチジー)の単位で表されます。

最高血圧と最低血圧の違い

健康診断や定期健診などでは、血圧計を用いて血圧を測ることがあります。血圧計には、最高血圧と最低血圧などが表示されますが、それぞれの違いを正しく理解できているでしょうか。最高血圧は最大血圧とも呼ばれ、心臓が血液を送り出すときに発生する圧力を指します。一方、最低血圧は最小血圧と呼ばれることもあり、心臓の筋肉がもっとも広がった状態で生じる圧力を指します。血圧を測定したとき、上が〇〇、下が〇〇、と耳にしたことはないでしょうか。上は最高血圧を、下は最低血圧を指します。なお、正常な血圧は上で135~140mmhg、下で85~90mmhgといわれています。人によって血圧は異なりますが、基本的には正常値に近い数字を測定されることがほとんどです。正常値から大幅にかけ離れた数字を測定した場合には、何かしら人体に問題が生じていると考えられるため、注意が必要です。

高血圧の基準値

血圧計

高血圧とは、読んで字のごとく血圧が高い状態を指します。基準値を大幅に超えてしまうと、高血圧と診断されることがありますが、どの程度の数値が高血圧だとみなされるのでしょうか。高血圧の診断基準は、日本高血圧学会が制定している、高血圧治療ガイドラインに定められています。最新の高血圧治療ガイドラインによると、正常な最高血圧は115~120mmhgです。1度高血圧とみなされるのは135~140mmhg、2度高血圧は145~160mmhg、3度高血圧で160~180前後とされています。高血圧には1~3の段階があり、患者の健康状態により医師が治療の有無、タイミングなどを判断します。

なぜ血圧が変動するのか

血圧は常に一定ではありません。さまざまな要因により変動し、1日の中で幾度となく数値が変わることも珍しくないのです。では、いったいどうして血圧は変動するのでしょうか。たとえば、激しい運動をしたときは、血圧が上昇します。激しい運動をすると、心臓が全身にたくさん血液を送り出そうとするため、血管に大量の血液が流れ込みます。その結果、血管の内壁に圧力がかかり、血圧が高い状態になってしまうのです。運動だけでなく、ほかにもさまざまな要因により血圧は上下します。飲食や睡眠、ストレス、気温の変化などで数値が変動するケースも珍しくありません。一般的には、起床時がもっとも血圧が低く、日中に高くなり、活動量の少なくなる夜に向けてまた下がります。このような、1日の中における血圧の変動は、人間の自律神経と深い関わりがあると考えられています。

高血圧を放置すると起こるリスク

女性

高血圧は体によくない、と何となく理解している方は多いかもしれませんが、具体的にどのようなリスクがあるのかを把握している方は少ないのではないでしょうか。高血圧を放置してしまうと、さまざまなリスクを負います。以下、高血圧を放置することにより生じるおそれがあるリスクをまとめました。

高血圧の状態が続いてしまうと、血管にダメージを与えてしまいます。血管が破れやすくなってしまい、脳へ十分な栄養を届けられなくなってしまうおそれがあります。その結果、脳血管障害や脳卒中などのリスクを招いてしまうのです。脳は、人体にとってコンピューターのような存在です。さまざまな機能を司っており、ダメージを受けることにより健康的な日常生活が送れなくなる可能性があります。脳卒中が脳出血やくも膜下出血を招くおそれもあり、より深刻な事態に陥るかもしれません。

心臓

高血圧の状態が続くことにより、さまざまな心疾患を招くおそれがあります。高血圧性心疾患と呼ばれ、心肥大や冠動脈疾患、狭心症、心不全、心筋梗塞などのリスクも高まります。心臓は、人体にとって重要な臓器のひとつであることはいうまでもありません。全身に血液を送り込むポンプの役割を担っており、機能を失うことは生命を危険にさらすことを意味します。

腎臓

腎臓も、人体にとって重要な役割を担っている臓器のひとつです。体から老廃物を排出する、血圧を調整する、血液を作るなどさまざまな役割を担っているため、ダメージが加わることで健康を損ねるおそれがあります。慢性的な高血圧状態では、腎障害を生じてしまうおそれがあるため、注意が必要です。腎障害により血圧も高くなってしまうため、負のスパイラルに突入してしまいます。このような状態が長く続くと、腎不全を発症してしまい、さらに慢性腎不全へと発展してしまうおそれもあります。腎臓機能は、一度失われてしまうと回復の見込みがほとんどありません。だからこそ、高血圧による腎臓へのダメージは何としてでも回避する必要があります。

薬の種類と作用、副作用

薬

高血圧の治療として用いられる薬には、降圧薬が挙げられます。降圧薬にもさまざまな種類があり、カルシウム拮抗薬やアンギオテンシン2受容体拮抗薬、ACE阻害薬、利尿薬などが代表的です。多くの高圧薬は、血管の収縮を防ぎ、血圧の上昇を回避する作用があります。副作用は投与する薬により異なりますが、脳への血流量低下や電解質異常、浮腫みと歯肉肥厚などがよく知られています。なお、副作用の度合いは個人差があるため、注意が必要です。ほとんど薬の副作用を感じない方がいる一方で、強い副作用に見舞われてしまう方もいます。実際に投与してみないとわからない部分もあるため、医師に相談しつつ自分に合った薬を使用しなくてはなりません。

生活習慣を見直そう

運動をする男性

高血圧は、典型的な生活習慣病のひとつといわれています。つまり、生活習慣を見直すことで、高血圧の改善が可能なのです。アルコールの摂り過ぎに注意し、日常生活に運動も取り入れてみましょう。適度の運動には、高血圧の改善効果があるといわれています。ストレスを溜めない生活、適切な睡眠時間の確保も大切です。これを機会に、自らの生活習慣を一度見直してみてはいかがでしょうか。

東海林 さおり
看護師
看護師資格修得後、病棟勤務・透析クリニック・精神科で『患者さん一人ひとりに寄り添う看護』の実践を心掛けてきた。また看護師長の経験を活かし現在はナーススーパーバイザーとして看護師からの相談や調整などの看護管理に取り組んでいる。