2021.05.28

申請のポイントを説明|介護保険サービスを受けるまでの流れ

最終更新日:2021.06.07

申請前のポイント

印鑑

介護保険を利用するには、要介護や要支援の認定を受けなければなりません。また、申請の前には25項目のチェックリストに答える必要があります。

25項目の基本チェックリストに答える

介護保険を申請しようとしている方の、現状を把握するために実施されています。全部で25の項目が用意され、ひとつずつ「はい」か「いいえ」で答えます。質問には、「バスや電車で1人で外出していますか」や「6ヶ月で2~3kgの体重減少がありましたか」などが含まれます。また、認知症をチェックするため、「周りの人からいつも同じことを聞く、などの物忘れがあると言われますか」といった質問もあります。

要介護認定の申請の際のポイント

介護保険サービス

要介護認定の申請は、住所のある市区町村の窓口で行います。申請書類は、役所の窓口のほか、公式ホームページからもダウンロードできます。

要介護・要支援認定書の記入ポイント

まず、被保険者情報を記入しましょう。主治医と書かれた欄には、かかりつけ医の氏名や所在地を記入します。代行者を立てて申請を行うときは、代理人情報の欄にその方の住所や氏名などを記入してください。認定調査の依頼に関する記入項目もあります。調査の当日に同席を希望する人がいるか、日程調整は誰とすればいいのか、などの質問が設けられています。漏れなく記入してください。

認定調査のポイント

書類

申請が終わると、認定調査が実施されます。介護保険が本当に必要なのか、どの程度の介護が必要なのかを、役所の職員が調査するのです。

事前に整理しておきたい注意ポイント

認定調査では、役所の職員が自宅を訪問してさまざまな質問をします。70にもおよぶ質問を次々とされるため、伝えたいことを伝えきれない、といったケースも少なくありません。認定結果によって、本人の今後が大きく変わるため、伝え漏れや伝え忘れが生じてはいけません。普段の生活で困っていること、どのような介護を求めているのか、介護が必要と感じた事例などを、メモやノートにまとめておきましょう。事例については、なるべく具体的に記録しておくことをおすすめします。

認定調査で聞かれること

本人が調査員を出迎えた場合、まず歩行状態をチェックされます。その後、あらかじめ用意されている質問リストから質問が行われます。生活機能に関する質問では、排便や排尿、洗顔、衣服の着脱などについて聞かれます。金銭管理や日ごろの意思決定など、社会生活への適応についても質問されるほか、認知機能を確認する質問も行われます。また、過去14日に受けた特別な医療があるかどうかも聞かれるため、正直に答えましょう。

判定内容通知の際のポイント

郵便ポスト

認定調査は、コンピューターによる一次判定と、学識経験者たちによる二次判定で行われます。二次判定が終われば、利用者へ結果が通知されます。

主治医の意見書が必要になる

主治医の意見書は、二次判定で必要です。二次判定では、一次判定の結果も含め、主治医の意見書も参考に申請者の状況を把握し、そのうえで要介護度を認定します。主治医の意見書とは、要するにかかりつけ医の意見書です。決まった様式の書類があるため、それをかかりつけ医のもとに持参すれば、記入してもらえます。主治医がいないケースでは、一度役所の窓口で相談してみましょう。多くの自治体では、指定する医療機関で診断を受ける必要があります。

介護保険証の確認ポイント

介護保険証に記載されている項目は、すべてチェックしましょう。特に重要なのは、要介護状態区分です。認定された要支援度、要介護度が記載されています。間違いがないか、確認してください。区分支給限度基準額もチェックしましょう。これは、1ヶ月に利用できる区分支給の限度額です。数字が間違っていると、本来の限度額以下しか利用できなくなるため、注意が必要です。介護保険証があれば、さまざまなサービスを利用できます。訪問介護や福祉用具のレンタル、購入などもできます。また、デイサービスやデイケアなどの施設利用のほか、介護施設への入居も可能です。注意点としては、認定されている要支援度、要介護度によって受けられるサービスが違ってくることです。そこは覚えておきましょう。

要介護状態には7つの段階がある

要支援1~2、要介護1~5の全7つの区分があります。以下、区分ごとに利用者の状態を解説します。

・要支援1
排泄や食事はほぼ1人でできる状態です。立ち座りや掃除など、日常生活の一部にサポートが必要な状態です。

・要支援2
日常生活において、部分的な介護を必要とする状態です。排泄や食事が自分ではあまりできないケースも含まれます。

・要介護1
日常生活はほぼ自分の手でできますが、掃除や衣服の着脱などにおいて、一部サポートが必要な状態です。

・要介護2
日常における身の回りのことで、全般的にサポートが必要です。排泄や食事は自分でできるものの、ときどき手助けが必要です。

・要介護3
身の回りのことがあまりできません。排泄も自分でできず、さまざまな動作において手助けが必要な状態です。

・要介護4
介護してくれる人がいないと、日常生活が困難な状態です。1人での排泄が難しく、立ち上がりや歩行もほぼできません。

・要介護5
介護してくれる人がいないと、日常生活を送れない状態です。ほぼ寝たきりの状態に近い方もここに含まれます。

非該当でも受けられるサービスがある

非該当とは、要支援にも要介護にも認定されなかったケースです。非該当になると、介護保険サービスを受けられないと思われがちですが、実際にはそうでもありません。非該当でも、事業対象の制度を活用すれば、デイサービスや訪問介護など一部の介護保険サービスを利用できます。訪問型サービス以外にも、通所型サービスやその他の生活支援サービスが受けられるのです。

64歳までのサービスは非該当のみ

増田 高茂
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者
多くの介護事業所の管理者を歴任。小規模多機能・夜間対応型訪問介護などの立ち上げに携わり、特定施設やサ高住の施設長も務めた。社会保険労務士試験にも合格し、介護保険をはじめ社会保険全般に専門知識を有する。現在は、介護保険のコンプライアンス部門の責任者として、活躍中。