2022.01.04

睡眠不足でお悩みの方へ|睡眠の質を上げる生活習慣(入浴編)

最終更新日:2022.04.27
東海林 さおり
看護師

睡眠の質を上げる生活習慣(入浴)

睡眠不足でお悩みの方へ|睡眠の質を上げる生活習慣(入浴編)

1日の疲れをとってその日の記憶を整理するなど、睡眠のメリットはたくさんあります。質の高い睡眠ほどメリットを十分えやすくなります。睡眠の質を高めるには特別な方法が必要ではなく、入浴など日頃の生活習慣の見直しで取り組めます。ふだんの眠りが浅いと感じる人は、自分の生活習慣をふり返ってできることから改善しましょう。ここでは睡眠を深くするために、毎日できる方法を紹介します。入浴に関するポイントを重点的に解説するため、毎日の入浴方法の参考にしてください。

無駄な時間を見つけて睡眠時間を増やそう

無駄とは何の役にも立たないことであり、無駄に費やした時間はあとからふり返って後悔することもあります。人により無駄の定義は異なりますが、一般的には賭け事をする時間・スマホをただいじっている時間・グチを話すまたは聞くだけの時間は無駄な時間になりそうです。無駄な時間を省き少しでも長く質の高い睡眠をとるには、効率の良い過ごし方がポイントです。忙しくてやることが多いと感じる場合、することをピックアップして優先順位を考えましょう。生活に必要な後回しにできない内容から、明日でもまだ大丈夫なもの、余裕があればやった方が良いものの順です。ランク付けした業務を順にこなすと思いつきで行動するより効率が上がり、睡眠時間の確保につながります。

起きる時間を統一する

サーカディアンリズムをご存じですか。サーカディアンリズムとは概日リズムともいい、体内時計はサーカディアンリズムの信号を出す機構です。脳の視床下部、視交叉上核にある部位です。時差の大きい海外へ出かけ帰国したあと感じやすい時差ぼけは、サーカディアンリズムが崩れたために夜になっても眠れない場合があります。日常生活で寝る時間が日によって大きく異なると時差ぼけのような状態になるため、質の高い睡眠のためには、起きる時間の統一が大切です。起きた時間により眠くなる時間が決まるため、朝寝すぎないようにしましょう。

入浴は就寝90分前に済ませる

良質な睡眠をとるには、体の内側の温度である深部体温が大きく下がることが必要です。温度差が大きいほど深く眠ることができるといわれるため、寝る前に深部体温をできるだけあげて下げましょう。その方法は湯船につかる入浴がおすすめで、寝る90分前に済ませると深く眠りやすくなります。厳密にきっちり90分ではなく、寝る前のだいたい1~2時間前に入浴すれば大丈夫です。シャワーで済ませると深部体温は湯船につかる場合ほど大きく下がらないため、睡眠の質を意識する人は湯船につかる方をおすすめします。目安が90分の理由は、入浴で上がった深部体温を眠るときの深部体温に下げるまで、90分ほどかかるためです。

入浴は38~40℃のお湯で15分まで

湯船につかると深部体温の変化が大きくなりますが、お湯は熱いほど良いわけではありません。38~40℃のお湯で、つかる時間は15分までにします。熱めのお湯が好きな人は42~43℃さらにそれ以上のお湯につかりがちですが、42~43℃は体に負担がかかる温度です。深部体温が急激に上がって自律神経のバランスが乱れるためで、交感神経が優位に立ち血管が収縮しやすい状態です。ふだんのお風呂よりぬるめと感じても、ゆっくりつかると体は次第に温まってきます。慣れるまでは、中途覚醒しない質の良い睡眠のためと割り切って入ってみましょう。

帰宅後すぐに寝たいときは熱めのシャワーを浴びる

寝る90分ほど前までの入浴が理想的ですが、ときには仕事や家庭の事情でそこまで時間がとれない日もあります。無理に入浴し暑いままではすぐに眠れず睡眠時間を削りかねません。もしすぐに寝たい場合はシャワーを浴びて少しだけ深部体温を上げて下げると、寝やすくなります。シャワーの目安は、夏場は湯船に張る温度と同じ位、冬場は寒さから熱めのお湯を使いましょう。シャワーをせず寝た場合よりシャワーを浴びてから寝た方が、眠りの質は高まるといわれます。深部体温の変化だけでなく、汚れやメイクなどを落とした爽快感からも快適な睡眠が期待できます。しかし湯船につかった場合ほどの深部体温の変化はないため、できるだけ寝る90分前までの入浴をしましょう。

炭酸泉入浴は寝つきがスムーズになる

38~40度のお湯につかる方法のうち、炭酸泉やナトリウム泉につかる温泉浴の方が普通のお湯につかる場合より深部体温の上昇が大きいとのデータがあります。上がり幅が大きい分下がり方も大きいため、ぐっと深い眠りを誘う入浴方法です。炭酸泉などでの温泉浴は、眠りの深さに影響するといわれる眠り始めの90分で深く眠れ、睡眠第一周期のノンレム睡眠の幅が大きくなったとのデータもあります。毎日温泉で入浴することは難しいですが、自宅で重曹とクエン酸を使った炭酸泉がつくれます。150mlのお湯を張ったところへクエン酸100gを入れてよく溶かします。重曹150gは入浴直前に湯船に入れて溶かすと、シュワシュワと炭酸の泡の音がし始めて炭酸風呂の完成です。

入浴の気力が無くても手浴、足浴で温める

入浴は準備から入るまでがおっくうなとき、シャワーすら難しい場合は手浴や足浴をしましょう。手浴は洗面器などに40℃くらいのお湯を張り、手首までひたします。心臓に近い手は手浴で温まった血液が心臓へすぐに届き、全身を温めます。なかなか眠れないと思うとき、寝る前にもう一度手浴をしても良いでしょう。足浴は、心臓から一番遠い足先をお湯で温めて血液の循環を促す方法で、寝づらいときにも役立ちます。大きめの洗面器やバケツに40℃くらいのお湯を入れて、足首の上までつかります。手や足を先に洗ってからお湯にひたすと、お湯の中で洗ってお湯替えする必要もなく、お湯から出てふくだけで簡単です。

今日から1つでも多く取り入れてみよう

睡眠不足を解消

睡眠不足を解消するには、睡眠の質を上げることがおすすめです。日常生活の中で時間を無駄に過ごさず、できるだけ睡眠にあてられるようやるべきことの順位付けから始めましょう。入浴は湯船にぬるめのお湯を張り、ゆっくりとつかりますが寝る90分前までに上がることがポイントです。できれば炭酸泉にして入浴すると、さらに深部体温が大きく上がるため深い睡眠を期待できます。忙しい日は熱めのシャワーを、それすら難しければ手浴や足浴をして深部体温を上げ、ぐっすり眠る工夫をしましょう。

東海林 さおり
看護師
看護師資格修得後、病棟勤務・透析クリニック・精神科で『患者さん一人ひとりに寄り添う看護』の実践を心掛けてきた。また看護師長の経験を活かし現在はナーススーパーバイザーとして看護師からの相談や調整などの看護管理に取り組んでいる。