2022.02.07

口腔ケアによる効果とは|口腔機能を向上する簡単トレーニングについて紹介

最終更新日:2022.02.07
東海林 さおり
看護師

口腔機能改善による効果とは

口腔ケアによる効果とは_口腔機能を向上する簡単トレーニング

口の環境が改善すると、さまざまな効果があります。虫歯や歯周病予防になるのはもちろん、病気予防やコミュニケーション改善につながります。口腔機能のトレーニングをする目的を理解しておきましょう。

口の中の汚れが改善する

自分で歯を磨く、歯医者でケアしてもらう方法は、口の汚れ除去に役立ちます。また、口腔機能を向上させることで、汚れを付着しにくくする効果も期待できます。口の汚れとは、食べかすが残っている状態のことです。食べかすが付着しているのは、歯・歯と歯茎の間・舌・頬の内側などです。頬に汚れが付着しやすいと、口内炎の原因になることがあります。特定の場所に汚れが目立ちやすくなったら、口腔内の機能低下が考えられるでしょう。たとえば、頬の内側に汚れが付きやすい場合は、頬の筋肉の衰えに注意が必要です。また、歯茎と唇の間の汚れは唇の筋肉の衰え、舌の汚れは舌の筋肉低下の恐れがあります。毎日の歯磨きだけでなく、口や舌の筋肉トレーニングも、汚れ対策として有効です。

誤嚥性肺炎などの病気予防になる

誤嚥性肺炎とは、食べ物が気道ではなく気管に入り、肺炎を起こした状態のことです。また、細菌を含んだ唾液を誤嚥する場合でも、肺炎の原因になります。誤嚥性肺炎は、食事中だけでなく寝ている際にもおこりやすく注意が必要です。寝ている際に胃の内容物が逆流しやすいと、消化液を含んでいるため食道を傷つけやすく、肺炎がおこりやすくなります。誤嚥性肺炎の予防は、口腔内ケアが重要です。口の中の細菌を減らし、口や舌などの機能向上で予防することができます。普段の生活でむせやすくなったら、口腔内ケアをしましょう。

会話などのコミュニケーションが改善する

口腔機能ケアで口や舌の動きが良くなると、発音しやすくなります。また、頬や顎など口の周りの機能も向上して、表情が豊かになるでしょう。滑舌が悪くなる原因は、舌の筋力低下によるものです。舌の筋肉が弱くなれば、食べ物を送り出す力が低下し、発音もしづらくなります。筋肉が正常であれば、舌は上顎にくっついた状態です。しかし、舌の筋肉が低下すると、舌の位置が下がり二重顎にもなりやすいでしょう。舌の筋肉がアップすると、顔の見た目も変わります。二重顎、ほうれい線、首のシワなどの改善にも口腔機能トレーニングがおすすめです。

口腔機能を向上する簡単トレーニング

口腔ケアによる効果とは_口腔機能を向上する簡単トレーニング

口の動きをスムーズにするため、家庭で手軽にできるトレーニングをやってみましょう。トレーニング方法にも種類がありますので、好みの方法を探してください。自分でも取り組みやすい簡単トレーニングを3種類紹介します。

あいうべ体操

あいうべ体操は、「あ・い・う・べ」の口の動きを使ったトレーニング法す。口呼吸から鼻呼吸に改善しながら、口の動きをスムーズにできます。1日30回を目安に、口を動かし発音してみましょう。

「あー」と口を大きく開き発音します。
「いー」口を横に大きく開くようにしましょう。
「うー」唇を前に突き出すようにします。
「べー」舌を前に突き出すように伸ばしてください。

上記の4つの動きを1セットとして、1日30セットが目安です。最初は少しの動きで口や顎が疲れるため、回数をわけてやりましょう。顎の関節が動きづらい人は、「いー」と「うー」の2つの動作がおすすめです。

口すぼめ呼吸

口をすぼめて深呼吸するだけでも、口腔機能トレーニングになります。深呼吸はリラックス効果や、血流アップのためにもおすすめです。1日2~3セットを目安に、慣れてきたら回数を増やしてみてください。まずは、腹式呼吸から始めます。お腹の下の部分に手のひらを当て、お腹が膨らむのを感じながら息を吸います。次に、口をすぼめながら息を細くゆっくり吐きましょう。息を吐くときには、お腹がへこむのを意識してください。腹式呼吸のコツは、息を吸う時間を短く、息を吐く時間を長くします。

パタカラ体操

パタカラ体操は、「パ・カ・タ・ラ」の口を動かすトレーニングです。口や顎の筋肉を鍛えて、顔の表情アップや、誤嚥肺炎予防に役立ちます。大きな声を出すようにしながら、口を動かしていきましょう。声を大きく遠くに届けるようなイメージで、発音します。「パ・カ・タ・ラ」の口にしながら、それぞれ発音してください。1回あたり5回が目安です。慣れてきたら徐々に回数を増やしてみましょう。

ドライマウスとは

口腔ケアによる効果とは_口腔機能を向上する簡単トレーニング

ドライマウスとは、唾液の分泌量が少ない状態のことです。唾液の分泌量が低下すると、口が乾いた感じがして、食べ物を飲み込む力が衰えてしまいます。加齢により唾液の量が減ると、嚥下障害・味覚障害にもつながります。乾いた食べ物が噛みにくい、飲み込みにくいと感じたら注意が必要です。口腔内が乾燥しやすいと、虫歯・歯周病の原因にもなります。対策としては、口呼吸をやめるトレーニングや、水分補給を心がけることです。しっかり噛むことで唾液の量が増えるため、噛む力を鍛えましょう。

長寿の秘訣は「嚙む力」

口腔ケアによる効果とは_口腔機能を向上する簡単トレーニング

噛む力とは、歯を噛みしめる力、食べたものを咀嚼して噛みつぶす力のことです。つぶした食べ物は、唾液と混ざり飲み込みやすくなります。噛む力は、さまざまな部位の力が関係しています。歯の力、舌の動き、顎の力などです。噛む力がアップすれば、脳への刺激が伝わり、認知症予防に役立ちます。

咀嚼力低下を感じたら、以下のチェック項目を調べてみましょう。
● 食べるスピードが遅い
● 口の中に食べ物を長くためる
● 食べ物をこぼす
● 食べ物を丸のみする
多くの項目に当てはまるほど、咀嚼力が低下しています。

自分でできないケアは歯医者へ行こう

口腔ケアによる効果とは_口腔機能を向上する簡単トレーニング

口腔機能トレーニングは、毎日コツコツやることが大切です。紹介したトレーニング法を参考にしながら、毎日続けてみてください。また、機能の低下が気になり、自分でケアができないなら歯医者への相談がおすすめです。歯医者では、マッサージ、歯磨き指導、トレーニング法などのケアができます。定期的に歯医者に通うことで、トラブルが大きくならないうちにケアできるでしょう。不安がある人は、歯医者で相談してみてください。

東海林 さおり
看護師

看護師資格修得後、病棟勤務・透析クリニック・精神科で『患者さん一人ひとりに寄り添う看護』の実践を心掛けてきた。また看護師長の経験を活かし現在はナーススーパーバイザーとして看護師からの相談や調整などの看護管理に取り組んでいる。