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頻尿になったら何科にいけばよいのか
尿に関する悩みは泌尿器科を受診しましょう。女性にとって泌尿器科は「恥ずかしい…」「どんな検査をするのか心配…」という思いがあるかもしれません。しかし、頻尿は膀胱炎や過活動膀胱などの病気が原因の場合がありますので、早めに病院へ行くことをおすすめします。最近では女性泌尿器科も増えてきていますので、お近くにあれば女性泌尿器科を受診する方が安心ですね。持病があり定期的に受診されている場合には、まずは主治医に相談しましょう。持病と関係がある場合には治療法も変わってきます。
どのような検査を行うのか
泌尿器科にはたくさんの検査がありますが、初診では問診と尿検査、血液検査、超音波検査などをおこないます。膀胱炎や過活動膀胱などによる頻尿の場合は、初診でおこなわれる比較的簡単な検査で診断されます。泌尿器科の代表的な検査は以下の通りです。
・問診
・尿検査
・血液検査
・腹部超音波検査
・ストレステスト
・膀胱造影検査
・padテスト
・膀胱鏡検査
・尿流動態検査
初診で行われるような簡単な検査から専門的な検査までありますので参考にしてください。
問診
現在の症状について、問診票に記入します。既往歴や飲んでいる薬も記入する欄がありますのでお薬手帳を持参しましょう。問診票では以下のような症状の有無を記入します。
・尿の回数が多い
・排尿時に痛みがある
・尿に血液が混じる
・残尿感がある
・尿が漏れる
・腰または腹部の痛みがある
・健康診断などで異常があると指摘された
診察の際に問診票をもとに症状などを質問されますので正直に答えてください。恥ずかしさがあるかもしれませんが、最近は過活動膀胱や腹圧性尿失禁に伴う頻尿や尿もれで女性も泌尿器科を受診しています。医師や看護師も重々承知していますので、あまり気にせず病院へ行きましょう。
尿検査
尿検査は初診時には必ずある検査です。指定の紙コップに尿を取り、提出します。通常、検査には「中間尿」といわれる尿を使用します。中間尿とは出始めの尿は捨て、途中からコップに取り途中までの尿を入れます。最初と最後の尿は検査には使いません。尿検査では、尿の混濁や濃さ、血液が混ざっていないか、蛋白、糖などを調べることができます。
血液検査
頻尿があらわれる膀胱炎や過活動膀胱の場合は、血液検査での異常はない場合が多いのですが、その他の炎症反応や腎臓の機能低下などを確認することができます。男性の場合、前立腺がんや前立腺肥大の可能性を調べます。採血当日に検査結果がわかることもありますが、病院によっては1週間程度かかる場合もあります。
腹部超音波検査
超音波検査は検診などで経験がある方もいらっしゃると思います。ゼリーをつけた機械を肋骨から骨の範囲にあて、画像で確認します。痛みはなく15分程度で終わります。20〜30分前に水分を摂取し、膀胱に尿が溜まっている状態で検査します。腎臓や膀胱の形状、腫瘍や結石がないかなどを確認します。
ストレステスト
膀胱に尿が溜まっている状態の時に、咳やいきみで腹圧をかけます。その時に尿漏れがあるかどうかを確認する検査です。同時に骨盤臓器脱の有無も確認します。このテストが陽性の場合は腹圧性尿失禁の可能性があります。
膀胱造影検査
膀胱にカテーテルを挿入し、そこから専用の造影剤を注入します。そしてレントゲン撮影をおこなうと造影剤が映し出され、膀胱内を観察することができます。膀胱の容量や形状、異常がないかを確認します。女性の場合、尿道の走行を確認するためにチェーン膀胱造影という検査を同時におこなうこともあります。
pad(パッド)テスト
尿取りパッドをあて水分を摂取した後、歩いたり、階段の上り下りや手を洗ったりなど尿もれを誘発するような動作を行います。検査終了後にパッドの重量をはかり、増加分を測定します。5グラムまでは軽症、10グラムまでは中等症、50グラムまでは重症と判断されます。基本的には腹圧性尿失禁の判定に使われるテストです。しかし、手洗いのタイミングで尿もれがある場合には過活動膀胱が疑われます。
膀胱鏡検査
尿道口から内視鏡を挿入し、尿道や膀胱を観察します。柔らかい素材の細い内視鏡カメラを使い、3〜5分程度で終わる検査です。挿入時に少し痛みがあることもありますので不安な方は医師に相談しましょう。尿道や膀胱の損傷や腫瘍、膀胱炎、膀胱結石などを確認することができる検査です。
尿流動態検査
膀胱に尿が溜まり、排尿により身体の外に出されるまでにはたくさんの身体の機能を使います。その機能の障害の有無と程度を総合的に診断するための検査です。専門的な検査ですので、検査を受ける必要がある時には必ず事前に説明があります。不安な点は医師に相談しましょう。
・膀胱内圧検査
・尿道内圧検査
・尿流測定
・ウロダイナミクス
などの検査がありますが、この記事では膀胱内圧検査と尿道内圧検査をご紹介します。
膀胱内圧検査
この検査では、膀胱に尿を溜めて放出するまでの機能を調べます。検査方法は仰向けで寝た状態でカテーテルを尿道から膀胱へ挿入し、生理食塩水などを注入します。そして膀胱内圧を測定し、少量の生理食塩水で膀胱の収縮がある場合には障害が疑われます。
尿道内圧検査
この検査は、安静時の尿道括約筋の緊張を調べます。普段どのくらいの圧力で尿道が閉じているかを検査します。挿入されたカテーテルを抜く際に、尿道内圧の変化を調べます。
スムーズに着脱できる服装で受診しよう
たくさんの検査をご紹介しましたが、初診時は問診と尿検査以外に、必要に応じて血液検査や超音波検査など比較的簡単な検査が行われます。検査を受けやすい服装で受診しましょう。袖口のきつい物やワンピースは避けた方がよいです。結果によって、その他の専門的な検査が必要な場合もあります。必ず事前に説明がありますので不安がある方は医師に相談し、不安を解消してから検査を受けるようにしましょう。頻尿は疾患が原因であることの他にストレスや加齢、ホルモンバランスの変化でもあらわれます。トイレを気にして外出や飲食を控えたりするなど、日常生活にとても影響しますので「いつもと違う」と感じたらすぐに病院へ行きましょう。
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看護師資格修得後、病棟勤務・透析クリニック・精神科で『患者さん一人ひとりに寄り添う看護』の実践を心掛けてきた。また看護師長の経験を活かし現在はナーススーパーバイザーとして看護師からの相談や調整などの看護管理に取り組んでいる。