2021.09.16

介護保険制度とは?知らないと損する介護保険の仕組みを解説

最終更新日:2021.09.16

介護保険制度  

以前までは子供や家族が行なってきた親の介護ですが高齢者の増加や核家族が進む中で、家族の介護の負担を社会全体で支える目的で1997年に介護保険法が成立し2000年に介護保険法が施行しました。そして介護保険法は3年に1度の改正を繰り返しながら現在に至ります。介護保険は単に高齢者の身の回りの世話をすると言う事ではなく、適切な自己決定に基づき高齢者の自立支援を目的にしているところが特徴です。
https://www.mhlw.go.jp/content/0000213177.pdf

介護保険料   

40歳〜64歳までの2号被保険者で介護保険料の支払いは給料などからの引落としとなる社会保険方式です。65歳〜の1号被保険者は厚生年金、障害年金などの年金からの支払いとなります。介護保険料が滞納となると、償還払い化や給付額減額の措置がとられます。例えば介護保険料を滞納していると介護保険サービス費の1割負担(2〜3割の方もいます)の方が支払い時に一旦10割の支払いをして、後から9割が戻ってくるという償還払い化と1割の負担の方が、負担割合を2割負担や3割負担と引き上げとなる給付額減額のペナルティです。そのような事とならないように、支払いが困難な時はそのままにせずに、介護保険者でもある自治体に相談をして頂きたいと思います。
 https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/faxinfo/tp0806-1.html 

介護保険証   

介護保険の加入者には医療保険とは別に、介護保険被保険者証が交付されます。介護保険を利用する時などに必要と成りますから大切に保管しておきましょう。介護保険証は65歳になる月に交付され40〜64歳の方は対象となる16特定疾病に該当し認定となった時に交付されます。

以下は、その16特定疾病です
1末期がん(医学的見地に基づき回復の見込みがない状態のものに限る)
2関節リウマチ
3筋委縮性側索硬化症
4後縦靱帯骨化症
5骨折を伴う骨粗しょう症
6初老期認知症
7進行性核上性麻ひ、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病
8脊髄小脳変性症
9脊柱管狭さく症
10早老病
11多系統萎縮症
12糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症
13脳血管疾患
14閉塞性動脈硬化症
15慢性閉塞性肺疾患
16両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

45歳で脳出血となられ支援やリハビリが必要にも関わらず、65歳の1号被保険者になるまで入院をしながら待っていたという事にならないようにして頂きたいと思います。また点滴の管理、中心静脈栄養CV、気管切開、経管栄養などの医療的処置が多くても介護保険サービスを使用し在宅生活や施設生活は可能ですしかし、ご家族やご本人様にとっての一番良い方法を担当ケアマネジャーとご相談して頂きたいと思います。地域によってはサービスの不足からの多少の違いが有るかも知れないので、自治体や担当ケアマネジャーにご確認ください。

介護保険とは 

介護保険制度はお住まいの自治体が保険者となって運営する仕組みです。介護保険のサービスを利用しなければ、介護保険に加入しなくてもいいの?と言うご質問がありますが介護サービスを利用するしないに関わらず40歳以上の方は加入者となり保険料を納める事となっています。そして介護が必要となった時には公的な介護保険サービスとしての在宅サービスや介護保険施設サービスを使うことができる、社会全体で助け合う仕組みです。
 

介護保険料はいくら?その計算方法          

自治体の介護保険給付費は公費50%と介護保険料50%です。介護保険料50%の中には、65歳以上の方の保険料が所得にお応じ3年ごとに基準額を計算し段階的な保険料が決定されているもの40〜64歳の方は、加入している医療保険の算定方式で保険料が決定するものが入ります。気になる第1号被保険者の介護保険料は所得段階別の定額保険料でさらに市町村別にサービスの見込み額等により細分化されています。

厚生労働省からの全国1571保険者の第1号被保険料の保険料基準額(月額平均)をみてみましょう。
第6期  平成27年〜平成29年度→5514円
第7期  平成30年〜令和2年度→5869円となっています。
段々と増えていることが分かりますね。

そして第2号被保険者の介護保険料は各、医療保険者を通じて保険料を徴収し全国の第2号被保険者1人あたりの介護保険料額を計算してから、各、医療保険者の被保険者数で再度計算し介護保険料が決まります。https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12303500-Roukenkyoku-Kaigohokenkeikakuka/7ki-syuukeikekka.pdf

まとめ       

介護保険証の取得から介護保険料がいくらかかるかまでの計算も含め簡単にご説明して来ましたが、いかがでしたでしょうか?介護保険サービスの必要がなくなった方もおられる一方で継続的にサービスが必要と成り、経済的や身体的な負担も多くなる方もおられると思います、そのような方の為に以下に知らないと損をするかも知れない情報も併せてご紹介させて頂きます。

1 高額介護(介護予防)サービス費支給制度
介護保険サービスの自己負担(1割〜3割)が高額となった場合、1ヶ月の自己負担額(世帯合算)して1定の上限額を超えると超えた分が高額介護(介護予防)サービス費として後から支給されます。
高額医療・高額介護合算制度
同じ世帯内で医療費と介護サービス費の両方の自己負担があり、1年間の自己負担額の合計が自己負担限度額を超えた場合に申請により超えた分が支給されます。自治体によっては多少の違いが有るかも知れません。ご確認して頂きたいと思います。

2 育児・介護休業法について
「子の看護休暇」「介護休暇」を時間単位で取得できる国の制度
この制度を利用すれば、介護保険での要介護認定調査やサービス担当者会議に、休暇取得しご家族の立ち会いが可能となるかも知れません。企業によっては周知がされず、申請をする事で不利益を受ける事も考えられます。会社に相談する前に地域の実情に詳しいケアマネジャーや地域包括支援センターなどに相談するのも一案です。
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000685055.pdf

会社を辞める前に、知っておきたい介護休業給付について詳しくはこちら↓
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000484177.pdf

仕事と介護の両立に向けて 介護に直面した時に知っておくと得する制度 
厚生労働省の動画はこちら↓
https://www.youtube.com/watch?v=X39yMtI1Hg0&feature=youtu.be

 

増田 高茂
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者
多くの介護事業所の管理者を歴任。小規模多機能・夜間対応型訪問介護などの立ち上げに携わり、特定施設やサ高住の施設長も務めた。社会保険労務士試験にも合格し、介護保険をはじめ社会保険全般に専門知識を有する。現在は、介護保険のコンプライアンス部門の責任者として、活躍中。