2021.06.07

介護保険を利用して購入できる入浴補助用具の種類と特徴|快適介護用品・福祉用具

最終更新日:2021.06.24

介護保険を利用して購入できる介護用品は、介護が必要な方のお困りごとを支援する用具の中で、利用する方の肌が直接触れる用具が対象となります。介護用品はレンタルすることができる商品もありますが、衛生面を考慮し肌が直接触れるポータブルトイレや入浴で使用するイスや手すり、特殊尿器の交換部分がそれにあたります。購入可能な特定介護福祉用品には5つの種類がありますが、そのうち、入浴補助用具について見ていきましょう。

入浴補助用具はどんな状態のときに使うべきか

介護

入浴補助用具は、その名の通り要介護者の入浴を補助するものとして使用される介護用品です。浴室内での立ち座りを安定して行う、あるいは浴槽に入るとき・出るときに使用することで、要介護者が安全に入浴しやすくなるだけでなく、介護者の身体的負担も軽減できることがあります。また、浴室は滑りやすいので、健康な方でも滑ってケガをすることも珍しくありません。入浴補助用具を利用することで、身体が動きにくい要介護者や、要介護者を支える介護者が安心して入浴動作を行えるよう支援することができます。

入浴補助用具はどんな悩みを解決することができるのか

入浴補助用具

入浴補助用具を要介護者の自宅に導入することで、以下のような悩みを解決することができます。

解決できる悩み①浴槽への出入りが大変

自宅の浴槽が高い場合、浴槽への出入りに困難を抱える要介護者も少なくありません。浴槽の外側や内側に据え付けて段差を解消するタイプの入浴補助用具を導入すれば、腰やひざへかかる負担を軽減できることがあるでしょう。

解決できる悩み②介護者の身体的負担がつらい

要介護者の浴槽の出入りをサポートすることは、介護者にとっては大きな身体的負担です。中腰の姿勢で長時間介助をすることで、腰やひざに慢性的な痛みを抱えることもあるでしょう。入浴補助用具を導入することで、浴槽の段差が軽減されると、介護者も楽に介護できるようになります。

解決できる悩み③浴室内で転倒しないか不安

浴室内に段差があるときは要介護者も介護者も転倒の不安を抱えます。入浴補助用具を導入することで段差を軽減し、安全に入浴時間を過ごせるように改善することができるでしょう。また、要介護者は浴槽内で滑ったり、浴槽の出入りで転倒したりする危険も抱えます。浴槽内で姿勢を支える入浴補助用具や、浴槽への出入りの際に要介護者の身体に巻いてサポートする用具を使用することで、浴室内事故の危険性を軽減することができるでしょう。

入浴補助用具を利用するメリット

入浴補助用具

入浴補助用具を利用すると、以下のようなメリットを得られることがあります。

メリット①入浴時の介護負担を軽減できる

入浴の作業は、介護者にとって大きな身体的負担となります。場合によっては自分よりも大きな身体を支えることになり、体力的な限界を感じることもあるでしょう。また、「手を離したら要介護者がケガをする」という責任感から、精神的な負担を感じることも少なくありません。入浴補助用具を導入することで、浴槽への出入りや浴槽内での姿勢維持が楽になると、介護者の身体的負担が軽減されます。また、転倒の不安を軽減することで、精神的負担も軽減されるでしょう。

メリット②浴室内事故のリスクを軽減できる

浴室内は転倒が起こりやすく、家の中でも事故が起こりやすい場所です。入浴補助用具によって滑りにくい環境を構築できれば、浴室内で事故が発生するリスクを軽減できるでしょう。

メリット③要介護者を衛生的な状態に維持できる

入浴を介助することは、決して楽な作業ではありません。介護サービスを利用して入浴をサポートしてもらうこともできますが、要介護度によっても回数制限がありますので、必要なときに必要なだけ利用することは難しいです。入浴補助用具によって家族だけでも安全に入浴作業ができるようになるならば、要介護者を衛生的な状態を維持しやすくなります。

入浴補助用具の種類と選び方

入浴補助用具

種類①入浴用椅子(シャワーベンチ、シャワーチェア)

筋力の低下や大腿骨などの骨折後、膝関節症などの症状をお持ちの方は、一般的な入浴用椅子では要介護者の姿勢維持が難しいだけでなく、座面が低いために介護者の腰に大きな負担がかかってしまいます。

シャワーベンチやシャワーチェアと呼ばれる入浴用椅子は座面が高く、背もたれや手すりがついているものもあり、要介護者の身体を囲うように支えて座位の保持や立ち座りを安全に行うことの支援ができます。

折りたたみができる商品もありますので、使用しない場合は折りたたんで収納することもできます。

種類②入浴台(バスボード)

簡単に脚でまたげる程度の高さの浴槽であれば、スムーズな入浴が可能になります。とはいえ浴槽を交換するのは大がかりな工事が必要です。入浴補助用具のひとつ、入浴台は浴槽の縁に設置し、高く脚を上げなくても腰かけた状態で浴槽内に入りやすくサポートできます。腰かけた座面が回転する機能の付いた商品もあり、またぎ動作を行いやすくなります。

種類③浴槽用手すり

入浴補助用具として入浴台を導入すると、脚を高く上げなくても浴槽に入れるようになりますが、身体が不安定な状態になり、入るとき・出るときにふらつきを感じるかもしれません。浴槽用手すりも浴槽の縁に取り付けるタイプの入浴補助用具ですが、浴槽よりも高い位置に手すりがあり、身体がふらつかないように姿勢を維持することができます。ユニットバスに対応した省スペース型もあり、浴室に応じて選ぶこともできるでしょう。

種類④浴室内すのこ

洗い場と脱衣所の間に段差があると、転倒のリスクが高くなります。また、要介護者も介護者も転倒する危険があるため、できるだけ段差がない状態に改善することが望ましいでしょう。入浴補助用具のひとつ、浴室内すのこを敷くならば、工事不要で洗い場の段差を軽減できます。入浴用車いすを利用されている方には特におすすめです。

種類⑤浴槽内椅子

脚を伸ばして入浴すると、姿勢が崩れやすくなることがあります。浴槽内に椅子を置くことで、要介護者の姿勢が維持しやすくなります。浴槽の中での立ち座りの際に膝や腰の負担を軽減することができます。

種類⑥浴槽内すのこ

浴槽が深すぎる場合は、浴槽の中に浴槽内すのこを敷くことでまたぎ動作を行いやすい高さにすることができます。また、滑り止めにもなるため、浴室内での転倒防止効果も期待できるでしょう。

種類⑦入浴用介助ベルト

浴槽内に要介護者を入れるときには、要介護者の身体を離さないようにしっかりとサポートしなくてはいけません。入浴補助用具のひとつ、入浴用介助ベルトがあると、少ない力で要介護者の身体を抱えることができ、安全に入浴を介助しやすくなります。

入浴補助用具の費用

電卓

入浴補助用具の価格は、メーカーによっても変わります。また、介護保険の負担割合によっても変わるので、ケアマネジャーと相談して決めましょう。価格の目安としては入浴用椅子と浴槽内椅子は20,000~30,000円で、介護保険が1割負担の方は自己負担額は2,000~3,000円です。浴室内すのこと浴槽内すのこは浴室や浴槽の大きさによって見積もり額が決まります。入浴台は30,000~50,000円、浴槽用手すりは30,000~40,000円、それぞれ1割負担ならば3,000~5,000円、3,000~4,000円の自己負担額です。また、入浴用介助ベルトは10,000円程度で、1割負担の場合は1,000円ほどの自己負担額になります。

また、特定介護福祉用品の購入の上限額は年間10万円(4月~3月の年度内)のため、翌年度になればさらに10万円の範囲内で購入することが可能です。しかし、特定介護福祉用品のなかには何度か買い換える必要が生じるものもあり、場合によっては毎年購入することになるかもしれません。可能な限り介護保険内で購入できるように、ケアマネジャーとケアプランを作成しておきましょう。

まとめ

介護

入浴補助用具があることでリスクを軽減して、要介護者も介助者も快適な生活を送れるようになるでしょう。ケアマネジャーと相談して、要介護者が暮らしやすくなるように、また、サポートする家族が介護しやすくなるような介護福祉用具を導入していきましょう。

遠藤 和優
介護職員初任者研修、福祉用具専門相談員、住環境コーディネータ2級
福祉用具貸与事業所に勤務し、住み慣れたご自宅での在宅生活を安全・快適に過ごしていただけることをミッションとして福祉用具・住宅改修を通して携わる。
現在は、お客様のお悩みやご相談を受け、福祉用具だけではなく様々な介護保険サービスの説明やご案内を介護相談センター相談員として取り組んでいる。