2021.07.01

介護施設の選び方|高齢者の住み替え先選びのポイント

最終更新日:2021.07.01

高齢者の住まいはいろいろなタイプがある

介護施設

高齢になってくると浮上してくる問題が住み替えです。住み替えが必要となるかどうか考えるポイントは、介護の必要性。今後、年齢組重ねていくにつれ介護の必要性があるのであれば、住み替えはすぐにでも検討しておくべきでしょう。高齢者の住まいにどのようなタイプがあるのか紹介します。

介護が必要になってからの住まい

高齢期の住まいの選び方のポイントが、介護が必要かどうかです。介護が必要な場合は介護付きの有料老人ホームや特別養護老人ホーム、グループホームという選択肢があります。また医療的なケアが必要な場合は、介護医療院や老人保健施設などが選択肢となります。人によって住み替えを希望するタイミングは違います。元気なうちに住み替えておきたいという人と、介護が必要になったら住み替えたいという人では選ぶ住まいが違うので、それぞれの区分の違いを理解しておきましょう。

元気なうちから入居できる住まい

元気なうちから入居できる住まいとしては、サービスつき高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームがあります。これらの住まいは安否確認や生活相談などのサービスがついたバリアフリー住宅。介護が必要になった時には外部サービスを利用したり、介護サービスを必要な分だけ利用できたり、介護に備えながら今までと同じように生活することができます。またシニア向けの分譲住宅という選択肢もあります。これは高齢者のための分譲住宅で、バリアフリーで生活サポートを受けられ、老後を楽しむための設備が充実しています。資産としてマンションを残したいというニーズにも対応している住まいです。

有料老人ホームとは

有料老人ホームは大きく分けて3つの種類があります。介護付、住宅型、健康型についてそれぞれ見ていきましょう。介護付有料老人ホームは、一般的におおむね65歳以上の高齢者が入居条件です。「自立型」「介護専用型」「混合型」の三種類にさらに分類され、「自立型」の場合は要介護認定に該当しない自立の人が対象、「介護専用型」の場合は要支援1以上、混合型の場合は要介護認定をとっていない人も入居対象です。住宅型有料老人ホームは生活支援や食事サービスなどが受けられる施設で、介護が必要になった時には、施設のスタッフではなく外部のサービス事業所と契約します。健康型有料老人ホームは家事や食事のサポートがついた高齢者施設です。自立した状態の高齢者の住まいで、要介護となった場合は契約を解除して退去になります。

介護保険施設とは

介護保険施設とは介護保険サービスで利用できる公的な施設で、要介護認定を受けた人が対象になります。介護施設としての特別養護老人ホーム(特養)とリハビリを中心とした介護老人保健施設(老健)、長期入院して療養する介護医療院の3種類があります。介護保険施設は必要になる介護の内容によって入所できる施設が違います。また公的施設なので、施設を運営しているのは地方公共団体や社会福祉法人、医療法人だけです。国からの補助金などの優遇を受けているため、利用者の費用負担を抑えることができます。

グループホームとは

グループホームは医師から診断を受けた認知症高齢者を対象にした施設です。
9名までの少人数で共同生活をおこないます。認知症ケア専門のスタッフが常駐していて、共同スペースもあることからアットホームな空間で生活することができる施設です。グループホームは介護を受けていてもある程度自立して生活が送れることが条件になるため、医療行為を必要とする等、重度化した場合と退去しなければいけなくなることがあります。

高齢者向け住宅と施設

サービス付き高齢者向け住宅は見守りや生活相談のサービスがついたバリアフリー住宅。食事サービスなどはありますが、介護はおこなってないため外部サービスを使うことになります。またシニア向け分譲マンションは高齢者でも生活しやすいように配慮された分譲マンションです。マンションにクリニックが併設されていることもあり、レストランや大浴場、共有スペースなど高齢者が生活を楽しめるように工夫されています。

住み替えに関係する介護保険サービス

介護施設

住み替えを選ぶ際に、「介護保険が利用できる住まいかどうか」、「どんなサービスが提供されているか」は重要なポイントになります。住み替えに関する介護保険サービスについて紹介します。

施設サービス

介護保険サービスの施設サービスは、施設に入所した人に提供されるサービスです。介護保険の施設サービス対象になるのは、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、介護医療院に入所した要介護状態にある高齢者です。特別養護老人ホームは食事や排せつ、入浴などの介護が提供され、介護老人保健施設や介護療養型医療施設、介護医療院では、介護やリハビリ、療養の管理や看護なども提供されています。

認知症対応型生活介護(地域密着型サービス)

地域密着型サービスは、今後増加が見込まれる認知症高齢者や中重度の要介護高齢者が、できるだけ住み慣れた場所で生活できるように、地域住民に提供されるサービスです。地域密着型サービスの中には要介護者要支援者を施設に受け入れる訪問、通所型サービスのほか、自宅から通う認知症の方やグループホーム内に入居する認知症の方に生活支援や認知ケアを提供する、認知症対応型サービスなどがあります。

特定施設入居者生活介護(居宅サービス)

特定施設入居者生活介護は有料老人ホームやグループホームなどにおいて、食事や排せつの介護、リハビリやレクリエーションなどを提供するサービスです。さらに施設に通う利用者に介護を提供する通所介護や通所リハビリテーション、短期間宿泊して介助やリハビリをおこなう短期入所サービスがあります。

訪問介護など(居宅サービス)

居宅サービスでは、居宅に住みながら介護を行うためのサービスを提供しています。訪問介護は利用者の自宅にサービス提供者が訪問して、買い物や掃除、食事や排せつなどをおこないます。また移動式浴槽を使って入浴介護や医師の指導に基づく医療措置、床ずれ予防などを行う訪問介護、リハビリテーションの指導、支援をおこなう訪問リハビリテーションがあります。福祉用具のレンタルや販売、住宅改修費支援や居宅療養管理指導のほか、利用者の希望に沿ったケアプランを作成する居宅介護支援も居宅サービスの一部です。

訪問サービスなどを利用して施設で暮らす

介護

施設に介護するための設備やサービスがついていないという場合、介護が必要になった時にどうするかが問題となります。介護付きの施設に住み替える方法もありますが、住み慣れた場所から離れたくないという人も多いでしょう。住み替えなしに介護を受けるなら居宅サービスを利用することが必要になります。訪問介護や訪問看護を受けるほか、デイサービスなどの通所型サービスもしくはその併用を検討してください。介護保険で車いすや介護ベッドなどの福祉用具のレンタルや購入補助などを受けることができます。各市町村で独自のサービスもあるので確認しておきましょう。

「介護付き」とはどういう住まいか?

介護サービス
高齢者向けの住まいを見ていると頻繁に出てくる「介護付き」という言葉。
介護付きとは、食事や洗濯、清掃などの生活支援から、排せつや入浴の介助、レクリエーションやサークル活動などのサービスが受けられる住まいにつけられる言葉です。「介護付き」は介護保険制度上の「特定施設入居者生活介護」の指定を都道府県から受けている高齢者施設につけることができます。
「介護付き」には施設職員が介護する「一般型」と、外部事業者が介護をおこなう「外部サービス利用型」があります。

住み替え先の選び方

夫婦
住み替え先にはさまざまな選択肢があります。体の状態や家族の考え方など人によって抱えている問題は違うでしょう。高齢者の住み替え先はどのようにして選べばいいのか、ポイントを紹介します。

要介護度で住み替え先を選ぶ

住み替え先を検討するうえで、必ず考えなければならないのが要介護度です。高齢者向けの住まいには必ず条件があります。「自立した人のみ入居可能」、「介護が必要な人のみ入居可能」、「どちらも入居可能」などの条件を満たさなければ入居することはできません。また、要介護になった際に「住み続けられるのか出来ないか」は事前に確認しておきましょう。要介護になった時に提携の施設に入居できるケースもありますが、そうでないと要介護になってからの住まいに困ってしまいます。

費用で住み替え先を選ぶ

住まいを選ぶうえで費用面も検討しなければいけません。介護付き有料老人ホームは、契約時に払うまとまった入居一時金と、月々の月額費用で構成されています。複数の料金プランから選ぶことが出来る施設もあるでしょう。介護保険施設は介護保険が適用されるため、比較的費用の負担が少なくて済みます。
施設介護サービス費は介護度と収入によって決まるので、収入に不安がある人でも利用しやすいでしょう。

周囲の環境で選ぶ

施設の条件がぴったりであっても、本人の気持ちや周囲の環境も考えなくてはいけません。周囲の環境が大きく変わると本人のストレスに繋がり、心身に負担をかけてしまう可能性があります。また家族が訪問のしやすい距離にあるか、交通アクセスがどうなっているかも確認しておきましょう。

住み替え先を選ぶ際のポイントや注意事項

夫婦
住み替え先を選ぶときには、本人と家族両方の気持ちが重要です。住み替え先を選ぶときにはどのように話し合えばよいのでしょうか。ポイントや注意事項を紹介します。

本人と家族の希望を整理する

住み替えは現在の住宅の売却や譲渡から新しい施設の選定など多くのことを決めなければいけません。住み替えを考えるときには本人と家族両方の希望を聞くようにしてください。「住み替えたいかどうか」という点からスタートして、希望する費用や環境など自分たちの希望を整理してください。兄弟が多い場合には意見が分かれることもあるので、口頭だけでなく紙にそれぞれの希望をまとめておくことをおすすめします。

本人の状態と合わないと失敗する

住み替えの候補地が絞れたら見学してください。物件の周辺の環境や、公共交通機関を使った時の距離感を確認しておきましょう。自立の程度など本人の状態と施設の対象が合わないと上手くいきません。見学や体験入居の際には、そこに入居している人の様子を確認しておきましょう。

 

増田 高茂
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者
多くの介護事業所の管理者を歴任。小規模多機能・夜間対応型訪問介護などの立ち上げに携わり、特定施設やサ高住の施設長も務めた。社会保険労務士試験にも合格し、介護保険をはじめ社会保険全般に専門知識を有する。現在は、介護保険のコンプライアンス部門の責任者として、活躍中。