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ケアハウスとは

ケアハウスは、日常生活において、サポートを必要とする60歳以上の高齢者が、さまざまな介護サービスを受けながら生活できる福祉施設です。軽費老人ホームの一種であり、利用者の費用負担が少ない特徴をもちます。軽費老人ホームとは、有料老人ホームに比べ低料金で利用できる施設です。A型とB型、都市型、C型の4つがあり、ケアハウスはこのうちC型の軽費老人ホームに属します。入居条件が定められており、誰でも入れるわけではありません。また、ケアハウスには面積基準が定められており、単身で21.6㎡以上、夫婦なら31.9㎡以上となっています。基本的に居室は個室となっているため、プライベートの空間を確保できるのも特徴といえるでしょう。
一般型と介護型の2種類ある
ケアハウスは、大きく一般型と介護型の2種類があります。一般型は自立型とも呼ばれ、家族から生活面のサポートを受けられず、自立した生活を送ることが難しい60歳以上の方を対象としています。日常生活における生活サポートや、緊急時における対応をしてもらえますが、本格的な介護サービスは外部業者を利用しなくてはなりません。介護型は、特定施設とも呼ばれます。特定施設入居者生活介護の指定施設であり、65歳以上、要介護度1以上の方が対象です。一般型との大きな違いは、施設で本格的な介護サービスを受けられることです。生活面におけるさまざまなサポートのほか、機能訓練や入浴介護、認知症対応などもしてもらえます。
入居条件
ケアハウスには入居条件が設けられています。誰でも入居できるわけではなく、条件を満たしている方を対象とした施設であることを覚えておきましょう。なお、ケアハウスへの入居条件は、一般型と介護型で異なります。一般型の場合、60歳以上の方を対象としており、介護型は、要介護度1以上、65歳以上の高齢者であることが条件です。もっとも、あくまでこれは原則となる入居条件であるため、実際には施設や運営事業者により、条件が異なります。生活面のサポートをお願いできる身内がいるかどうか、共同生活を送れる協調性があるかなど、施設ごとに条件が異なるため、事前の確認は欠かせません。
サービス内容
高齢者が安心かつ快適な生活を送れるよう、さまざまなサービスが提供されています。ただ、一般型と介護型のケアハウスでは、提供しているサービスの内容に違いがあるため注意が必要です。一般型では、日常生活におけるサポートがメインです。掃除や食事、洗濯といった、家事のお世話をしてもらえます。また、問題なく暮らしているか、健康面は大丈夫か、といったことを介護スタッフが日々見守ってくれるのも特徴です。介護型ケアハウスは、一般型と同じく生活面でのサポートを行っているほか、入浴や食事の介護も行っています。重度の要介護者も受け入れている施設であるため、介護や医療ケア、機能訓練などがサービスに含まれているのです。
費用について

一般型と介護型では、費用面にも違いが生じます。
一般型
・初期費用 入居一時金:数十万円
・月額費用 介護サービス費:15,000円程度 ※要介護度により異なる
・生活費 居住費/食費/その他
介護型
・初期費用 入居一時金:数十万~数百万円
・月額費用 介護サービス費:21,000円程度 ※要介護度により異なる
・生活費 居住費/食費/その他
基本的には、初期費用と月額費用、生活費の3つに分類されます。月額費用の介護サービス費は、国や自治体が大部分を負担してくれるため、一般型も介護型も利用者の負担は多くありません。
メリットデメリット

ケアハウスへの入居を検討するのなら、どのようなメリット、デメリットがあるのかをきちんと把握しておきましょう。まず、メリットとしては、比較的低い料金で入居できることが挙げられます。有料老人ホームより安い傾向があり、所得の少ない高齢者が優先されるのもメリットです。また、介護型なら、要介護度が重度となっても、退去を迫られることがありません。デメリットはあまりありませんが、しいていえば他人と共同生活を送らなければならないことでしょうか。自身と同じように、日常生活のサポートや介護を必要とする高齢者が入居しており、共同で生活を送るため、人との関わりが苦手な方はストレスかもしれません。また、一般型の場合は、入居後に本格的な介護が必要になると、退去を迫られることもあります。デメリットもあるものの、基本的にはメリットのほうが目立ちます。特に、比較的少ない費用で入居できるのは、大きなメリットだと考えられます。メリットとデメリット、双方をきちんと理解したうえで、入居を検討しましょう。
ケアハウスが向いている方

本格的な介護は必要ないものの、日常生活で不便さを感じることが多い、といった方にケアハウスでの生活はおすすめです。さまざまなサポートで日常生活を支えてもらえるため、快適な日々を送れるでしょう。他人との共同生活に抵抗がない方にもおすすめです。ケアハウスでは、必然的に共同生活を送ることになるため、集団での生活が苦手な方、ストレスを感じる方には向いていません。積極的に他人と交流できる方、コミュニケーションをとることが好きな方に向いています。また、ケアハウスは所得の低い高齢者を優先的に入居させているため、収入の少ない方にもおすすめです。ほかの福祉施設に比べても、ケアハウスは費用負担が少ないため安心です。
自分に合ったケアハウスを選ぼう
ケアハウスには一般型と介護型があり、それぞれ入居条件や受けられるサービスの内容が異なります。ケアハウスへの入居を考えているのなら、まずこの基本的な部分を押さえておきましょう。実際のところ、ケアハウスの設備やサービス内容は、施設により大きく変わります。そのため、入居を検討しているのなら、気になるところをいくつかピックアップし、それぞれ見学しつつ選ぶことが大切です。入居した場合、ケアハウスがあなたの新たな生活拠点です。日々の生活を送る大切な場所であるため、どのような施設なのか事前の入念な確認を怠らないようにしましょう。費用だけでなく、サービス内容やスタッフの対応、体制など、さまざまな部分を比較しながら選んでください。
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多くの介護事業所の管理者を歴任。小規模多機能・夜間対応型訪問介護などの立ち上げに携わり、特定施設やサ高住の施設長も務めた。社会保険労務士試験にも合格し、介護保険をはじめ社会保険全般に専門知識を有する。現在は、介護保険のコンプライアンス部門の責任者として、活躍中。


