2021.06.07

家事が大変な方におすすめな福祉用具・介護用品

最終更新日:2021.06.08

加齢や疾病などで身体が不自由になると、それまでできていた家事が困難になる場合があります。特に、調理や洗濯などには、握力だけでなく手先の微妙な動きが必要です。日常生活に関わる家事をすることは、介護予防にも効果的だと言われています。こちらでは、家事が大変な方におすすめの、福祉用具や介護用品を紹介します。

炊事用具・調理器具

家事_料理

認知症の方や身体が不自由な方には、「調理は危ないのでは?」と思われることもあるかもしれません。包丁や火を使うため、自然と台所から遠ざかってしまうこともあるでしょう。しかし、介護施設では、レクリエーションとしてあえて調理を取り入れることあります。五感を刺激し手先を使う調理は、脳トレーニングになるとも言われているのです。完成品が目に見えるため、達成感が得られやすいというメリットもあります。何よりも「食べる」という行為が喜びへとつながるのです。認知症の方でも、調理動作は「手続き記憶」として保持されていることが多いと言われています。要介護状態にあっても、周囲のサポートがあれば調理が可能となるのです。身体が不自由な方が安心安全に調理をするためには、一人ひとりに合った器具を選ぶことがポイント。「ありがとう。おいしかった」「また作って」という家族のひとことが、本人のやる気や自信を引き出すきっかけとなります。

まな板・調理台

調理に必要になるのがまな板です。介護用のまな板には、食材を固定する役割があります。何本かピンが立つまな板を使えば、野菜を固定し、皮をむくことが可能です。縁には壁がついており、食材が転がっていくのを防いでくれます。壁にパンを押し当てれば、バターやジャムを塗ることもできるでしょう。また、調理台はボウルやお皿を固定したいときに役立ちます。台の上にボウルを置けば、片手で材料を混ぜることも可能です。食材や器具が動かないため、効率的に調理できるのが大きなメリットとなります。

包丁・皮むき器

包丁を扱うためには、持ち手をしっかりと保持する握力が必要です。また、食材をカットするためには、手首の関節を動かさなくてはいけません。手先が不自由になりこれらの力が弱まると、包丁を使うことは、本人や家族にとって不安の大きいものではないでしょうか。そのような場面で役立つのが、介護用に開発された包丁や皮むき器です。グリップ付きの包丁は、上下左右、自由な角度に持ち手を調整できます。手首への負担が軽くなり、包丁に力が伝わりやすくなるのです。少ない力で食材がカットできるため、座った状態でも包丁が使えるようになります。さらに、固い食材を切るときに便利なのが、まな板に取り付けるフックです。テコの原理で包丁を動かすため、カボチャやサツマイモのような食材も片手でカットできます。野菜を切る前には皮をむかなくてはいけませんが、皮むきは健康な方でもむずかしいもの。手指の力がないと、なおさら心配になってしまいますよね。そのような場合は、テーブルに固定するタイプのピーラーがおすすめ。野菜を押し付けて動かすだけなので、握力が弱い方でも皮むきが可能となります。おろし金のような刃がついた器具は、野菜を押し付けて動かしながら皮をこそげとる介護用品。裏側には滑り止めがついているため、使用中に動く心配がないこともポイントです。

その他のキッチン用品

調理用の介護用品は、まな板や包丁、皮むき器以外にもさまざまなものが販売されています。瓶やペットボトルを開けるときに便利なのが、専用のオープナーです。瓶だけでなく、缶ジュースや缶詰のプルトップを開けることもできます。下に滑り止めのマットを置けば、より効果的です。ペットボトルを持つ力が弱い方には、電動のオープナーがおすすめ。オープナーを固定し、ボタンを押せば自動的にキャップが開栓されます。また、調理前に必要になるのが手洗いです。吸盤で固定できるハンドブラシを使えば、片手が不自由な方でも爪先を手入れすることができます。ブラシが固めにできているものであれば、野菜の洗浄も可能です。腰部分にワイヤーのはいったエプロンは、紐を結ばなくてもワンタッチで装着が可能。撥水加工がされているものであれば、汚れを心配せず調理することができますよ。

洗濯・裁縫など

裁縫

毎日心地よく過ごすためにも、衣類は手入れの行き届いたものを着用したいですよね。介護用品には、洗濯や裁縫といった家事に役立つものも多数あります。

物干しハンガー

靴下やタオルなどを洗濯バサミで固定するためには、手指の力が必要です。そのため、握力が弱い方や片麻痺のある方にとっては、洗濯物を干す作業が困難となります。片手で衣類を固定できる洗濯バサミ付きのハンガーであれば、洗濯の負担を軽減することが可能。レバーを握ると、一度に洗濯物が外れるものもあります。また、手先が不自由になると難しくなるのが、衣類をハンガーにかける行為です。コンパクトにたためるハンガーであれば、片手でも操作できます。たたんだ状態で衣類の首にとおし、ワンタッチで広げれば簡単にハンガーをかけられるのです。洗濯のときだけでなく、衣類を着脱するときにも便利なグッズになります。

糸通し器

裁縫に役立つのが、ワンタッチで針に糸を通せる糸通し器です。糸と針をセットし、ボタンを押すだけで針穴に糸が通せます。視力が弱かったり、手先の微妙な動きが難しかったりする方でも裁縫を続けることが可能です。

ハサミ

ハサミは、家事のさまざまなシーンで必要になるグッズです。ユニバーサルデザインのハサミは、握力が弱い方でも使いやすい仕様になっています。指を入れて押すだけでカットできるため、利き手が不自由な方でも使えることがポイント。お菓子の袋を開けたり、封筒を開けたりといった多くの場面で活用することができるでしょう。

まとめ

洗濯

自分でできる家事が増えることは、生活の質の向上にもつながります。自分のためだけでなく、家族のために家事をすることは、本人にとって大きな自信にもなるのです。身体が不自由になったからと諦めるのではなく、さまざまな補助具を使用しながらできることを増やしていきましょう。

遠藤 和優
介護職員初任者研修、福祉用具専門相談員、住環境コーディネータ2級
福祉用具貸与事業所に勤務し、住み慣れたご自宅での在宅生活を安全・快適に過ごしていただけることをミッションとして福祉用具・住宅改修を通して携わる。
現在は、お客様のお悩みやご相談を受け、福祉用具だけではなく様々な介護保険サービスの説明やご案内を介護相談センター相談員として取り組んでいる。