2021.09.21

初めての方へ 介護保険施設とは|介護保険施設の特徴について解説

最終更新日:2021.09.21

介護保険施設とは

介護_在宅

高齢の人が介護を受けるための施設は有料老人ホームのように民間運営の施設と、公的な施設に分かれます。介護保険施設は公的施設で、介護保険サービスで利用できる施設を指します。どの施設も利用対象としているのは、主に65歳以上の人、要介護認定において要介護1~5の認定を受けている人です。加えて特定疾病により介護を必要とする40~64歳も利用することができます介護保険施設も、必要な介護や医療ごとに3種類に区分されています。

3種類の介護保険施設

介護保険施設は特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院(旧介護療養型医療施設)の3つに分類されます。ただし、介護療養型医療施設は2024年に完全廃止が決まっていて、その受け皿になったのが介護医療院です。それぞれをわかりやすく説明します。

各施設の特徴

・特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは自治体や社会福祉法人が運営する公的施設です。終身までの充実した介護が受けられる上にコストも安いので、入居希望者が多いことが特徴です。簡単に特別養護老人ホームといっても設備は施設ごとに違います。従来型の個室からユニット型もあるので、見学でどのようなタイプか確認してください。特別養護老人ホームでは入居一時金は不要で、月々の居住費と食費、日常生活費を負担します。収入が一定水準以下の人は、負担限度額を超えた分の居住費および食費が、特定入所者介護サービス費として介護保険から支給されます。

・介護老人保健施設

介護老人保健施設はリハビリに取り組んで在宅に復帰することを目指すための施設です。あくまで病院と自宅との橋渡し役なので、入居期間は基本的に3~6ヵ月程度の一定期間です。

・介護医療院(旧介護療養型医療施設)

介護医療院は医療ケアが必要な高齢者が長期的に利用できる施設です。2018年に新設され、日常生活の身体介助や生活支援は当然ですが、医学管理から看取りやターミナルケアといった医療ケアを受けることができます。

特別養護老人ホームとは

介護

特別養護老人ホームは特養と呼ばれることも多く、日常生活に必要な介護を中心におこないます。入居対象は中重度の要介護高齢者です。一度入居すれば終身にわたって入居可能なので、入居者も家族も心配なく入居できるでしょう。ただし需要の多さから、なかなか入居できないこともあります。特別養護老人ホームは要介護度が3以上の人を対象にした公的介護施設なので、比較的手厚い介護が受けられ、24時間体制になっているので夜間介護が必要な人も安心です。特別養護老人ホームの介護職員の配置基準は、入居者3人に対して1人。ただし、医師の配置基準は100人に対して1人、看護師は3人です。この配置人数は医療ケアを必要とする人にとっては少ない可能性もあります。医療サポートが必要な場合は、施設を見学時にどのようなサポートが受けられるか確認が必要です。医師や看護師の人員体制や、理学療法士などのリハビリスタッフがいるかをチェックしておきましょう。

特別養護老人ホームと有料老人ホームとの違い

特別養護老人ホームを考えた時に、同じように候補に挙がるのが有料老人ホームです。特別養護老人ホームと有料老人ホームはどのように違うのでしょうか。有料老人ホームは主に民間企業による運営で、入居対象は一般的におおむね65歳以上、自立の人から要支援要介護の人まで幅広い層を対象にしています。有料老人ホームは介護付、住宅型、健康型に分けられ、施設ごとにサービスや料金は大きく違います。それぞれの施設ごとに日々の生活を快適に過ごせるよう配慮されていますが、費用面では特別養護老人ホームよりも高額になります。入居一時金が必要な有料老人ホームや医療ケアに特化した老人ホームなど、さまざまなタイプの有料老人ホームが登場しているので、ニーズに合わせて選択することも可能です。特別養護老人ホームは、有料老人ホームへの入所が困難な低所得者や生活保護受給者でも入居しやすいように、利用者負担の軽減制度が設けられていることも大きな違いです。収入や年金に応じて利用負担が軽くなる制度もあるので、収入に不安がある人でも入居しやすくなっています。

介護老人保健施設とは

介護

介護老人保健施設は自宅と病院の中間となる介護施設です。老健とも呼ばれ、運営しているのは医療法人や社会福祉法人。主に病院で治療を終えた高齢者を受け入れて、入院後の自宅復帰を目指します。入居対象は要介護1~5で、施設には医師や看護師、リハビリスタッフが配置されています。介護老人保健施設では日常生活の介護から医療ケア、リハビリまで手厚く受けられますが、入居期間は3ヶ月~1年程度。長期滞在ではなく一定期間で退去することが前提です。

介護老人保健施設入所までの流れ

介護老人保健施設に入所するためには介護認定を受けて、施設に直接申し込みます。病院に入院している場合や、医療ソーシャルワーカーに在宅介護している場合は、ケアマネジャーに相談してください。本人と家族との面談で、本人の現在の身体状況や介護の必要性などが確認されます。介護老人保健施設に入所するには必要書類を提出します。施設利用申込書や診療情報提供書、看護サマリーなどを揃えましょう。面談の内容と書類をもとに入所判定がおこなわれます。入所が決まったら入所日を決めて契約をおこないます。介護老人保健施設は入所期間が限定されているため、比較的短期間で入所できることもあります。施設によっても入所期間は違うので、申し込む施設の特色はあらかじめ調べておきましょう。

介護医療院(旧介護療養型医療施設)とは

介護

日本は高齢化が進み、併せて介護ニーズが高まっています。そのため、介護療養型医療施設では長期の入居者が増え続け、医療費、介護費が増加しました。さらに介護療養型医療施設は、医療と介護との境目があいまいになってしまうという問題がありました。そこで2024年3月末までに介護療養型医療施設の廃止が決定され、2018年4月より日常的な医療ケアと生活施設の両機能を兼ね備えた、介護医療院が新設されました。介護医療院で提供されるのは医療サービスと介護サービス。今までの介護療養型医療施設は医療のイメージが強かった一方で、介護医療院は生活の場所であることを意識して、レクリエーションなども実施されています。近しい施設として療養病院もありますが、こちらは医療保険で入院する病院で、慢性的な病気への医療ケアが必要な人が入居しています。介護医療院は医療機関に近い人数、種類の職員が配置され、他の介護施設では対応が難しい喀痰吸引や経管栄養といったケアも可能です。加えて看取りやターミナルケアも提供しています。介護医療院は医療ケアが受けられるため、特別養護老人ホームや介護施設の入居を断られた人などにとってもなくてはならない施設です。しかし、重度の介護が必要な人も多いため、入居を希望しても自立度が合わないケースもあります。入居を希望する場合は必ず見学しておきましょう。

 

増田 高茂
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者
多くの介護事業所の管理者を歴任。小規模多機能・夜間対応型訪問介護などの立ち上げに携わり、特定施設やサ高住の施設長も務めた。社会保険労務士試験にも合格し、介護保険をはじめ社会保険全般に専門知識を有する。現在は、介護保険のコンプライアンス部門の責任者として、活躍中。