2021.06.07

会話が大変な方におすすめな福祉用具・介護用品

最終更新日:2021.06.08

加齢や疾病により聴力が低下すると、相手の声が聞きづらくなり会話が困難になります。発語が難しい方は、音が聞き取れてもコミュニケーションが困難なこともあるでしょう。会話を助ける福祉用具や介護用品には、身体状況に応じたさまざまなタイプがあります。こちらでは、会話が大変な方におすすめの集音器や音声モニター、会話補助装置などを紹介していきます。

集音器・拡聴器・助聴器

高齢者_電話

「最近テレビの音が聞きとりづらくなってきた」「相手の声が聞こえづらく会話が困難」という方におすすめなのが、集音器や拡張器、助聴器などです。比較的手ごろな価格帯のものが多く、家族へのプレゼントに選ばれることもあります。使うシーンや求める集音力によって、タイプもさまざま。それぞれの違いを知って、より自分に合った製品を選んでいきましょう。

集音器

集音器は、耳の聞こえが悪い方をサポートする器具です。字のとおり、周りの音を拾い集め、日常生活の聞こえづらさを軽減してくれます。集音器と似た器具として「補聴器」を思い浮かべる方も多いかもしれません。補聴器は、医療機器としての機能を兼ね備えた器具です。集音器の平均価格が2万~3万円であるのに比べ、補聴器はおよそ10万~20万円が平均価格となります。医療機器ではない集音器は、家電量販店や通信販売などでも手軽に購入できることがポイント。「聞こえづらいが、補聴器を買うほどではない」という方におすすめのタイプとなります。集音器は形状によって「耳あな型」、「耳かけ型」、「ポケット型」3つのタイプに分類されるため、それぞれの違いをチェックしていきましょう。

耳あな型

耳あな型は、耳の穴に入れて使用する集音器です。耳穴により近い場所で集音するため、自然な音がとらえやすいというメリットがあります。小型なものが多く、外から見ても目立ちにくいこともポイントです。

耳かけ型

耳の外側にかけて使用するタイプです。耳あな型よりサイズ感は大きいものの、音量調整ができたり、音質が切り替えられたりと多機能なものが多くなります。耳の聞こえが悪くなってきた高齢者から、中度の難聴者の方まで使用可能です。

ポケット型

本体とイヤホンが一体型となった集音器です。耳にイヤホンをあて、本体をポケットに入れて使用できます。薄型で軽量型されたものが多く、持ち運びしやすいこともポイント。ノイズやハウリングをおさえながら、必要な音だけを拾い集めてくれます。テレビの音や人の話が聞こえづらくなったという方に好まれるタイプです。

拡聴器

拡聴器は、必要なときだけ耳に当て使用する器具です。携帯電話のように耳にあてると、骨伝導によって周囲の音が聞こえやすくなります。コンパクトなものが多いため、バッグに入れて持ち運びも可能。通院先の受付や医師との会話、習い事や家族の団欒など、幅広いシーンで活躍します。イヤホンが付属しているものは、手元で操作することも可能です。

助聴器

助聴器は、集音マイクを搭載し、小さな音を効率的に拾い集める機能を持ちます。拡聴器のように、耳にあてたりイヤホンをはめたりして使うタイプです。音の聞こえ方は、周囲の環境によっても異なります。切り替えスイッチがついた助聴器であれば、雑音を低減したり、よりクリアにしたりと音質を変えることが可能です。

音声モニター

音声モニター

音声モニターは、離れた部屋にいる高齢者との会話が可能になる器具です。配線の必要がなく、リビングやキッチンと高齢者の居室を、インターホンで結ぶことができます。体調に異変があったときにも、すぐに伝えられることが大きなメリットです。温度差によって身体に変化が起きやすい、お風呂場やトイレに設置するとさらに安心ですね。また、音声モニターにはカメラが搭載されたタイプもあります。遠方でも部屋の様子が分かるため、徘徊やベッドからの転倒が心配なときにおすすめです。カメラは高齢者のプライバシーにも関わるため、本人の承諾を得たうえで使用するように心がけましょう。

会話補助装置

パソコン_キーボード

聴力でなく、発語が困難な方の会話をサポートするのが会話補助装置です。電子辞書のようにキーボードとディスプレイが一体化しており、文字を打つと文章を作成できます。さらに発声キーを押すと、作成した文章の読み上げが可能。メモリーカードを使用すれば、文章を保存しパソコンで印刷することもできます。文字を打つことも難しい方には、視線や指先など、身体の一部を動かすことで文字入力できる装置がおすすめです。ベッド上からでもインターネットを介し、仕事や交流活動をするなど、生活の幅を広が広げることができます。

筆談器

ペン

発語が困難だったり、聴覚障害があったりする方の会話をサポートする器具です。ボード型をしており、直接文字を書き込んで会話のやりとりができます。磁気タイプは価格も求めやすく、手軽に購入できる筆談器です。近年は感圧タイプもあり、文字の強弱や太さをより再現しやすくなっています。

音声認識ソフト

聞きとる力が弱い方へ、こちらの発声を文字に起こし、視覚的に伝えられるソフトです。マウスやキーボードを使用する必要がないため、よりスムーズな会話が可能となります。文字を書くよりも時間が短縮され、介護現場で導入されることもあるツールです。音声認識ソフトをより効果的に使うには、認識率の高いものを選ぶことがポイント。介護に必要な専門用語でも、誤りなく伝えられます。近年はスマートフォンのアプリとして搭載されているものもあり、在宅介護でも手軽に利用可能です。

まとめ

聴力が弱くなったり、発語が困難になったりした高齢者は、コミュニケーションの難しさから他者との交流を控えてしまうこともあります。自分の思いを伝え、相手と意思疎通を図るコミュニケーションは、何歳になっても大切なことです。会話が可能になれば、引きこもりや意欲低下を防ぐこともできます。さまざまな介護用品は、高齢者と社会をつなぐ架け橋となるツール。「身体に合わないから使わなくなった」とならないためにも、それぞれの特徴をふまえた上で選ぶことがポイントです。自分に合った介護用品を使い、おしゃべりの楽しさを持ち続けていきましょう。

 

遠藤 和優
介護職員初任者研修、福祉用具専門相談員、住環境コーディネータ2級
福祉用具貸与事業所に勤務し、住み慣れたご自宅での在宅生活を安全・快適に過ごしていただけることをミッションとして福祉用具・住宅改修を通して携わる。
現在は、お客様のお悩みやご相談を受け、福祉用具だけではなく様々な介護保険サービスの説明やご案内を介護相談センター相談員として取り組んでいる。