2021.06.07

ご家族の徘徊が大変な方におすすめな福祉用具・介護用品

最終更新日:2021.06.08

「徘徊」は、認知症の方によく見られる行動です。遠方まで移動してしまうため、身元不明人として発見されたり、事故にあったりする可能性もあります。ともに暮らすご家族にとっては、不安の大きな問題です。こちらでは、徘徊感知器や身分証明グッズ、ドアロックといった、徘徊予防に役立つアイテムを紹介していきます。

徘徊感知器

高齢者_徘徊

徘徊感知器は、家族の徘徊を感知し音で知らせてくれる介護用品です。ベッドから離れたことを知らせてくれるため、転倒によるケガを予防できるメリットもあります。認知症の方に対応した徘徊感知器は「起床検知型」、「外出検知型」、「携帯型」と3つのタイプがあることがポイント。赤外線センサーや超音波センサーによって高齢者の動きを感知し、離れた場所にいる家族へ知らせるシステムとなっています。

徘徊感知器を選ぶときはここをチェック

徘徊感知器はさまざまなタイプがあるため、購入を検討する際に迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。「起床検知型」、「外出検知型」、「携帯型」と3つのタイプが適応するシーンと合わせ、購入時に知っておきたいポイントをチェックしていきましょう。

1.本人が気づきにくいデザインを選ぶ

認知症の方は、慣れない機器に不安を抱き感知器を取り外してしまうこともあります。「携帯型」の探知機は、お守りや財布に入れられるため、本人の気付かぬうちに身に付けられるのが大きなメリットです。コンセントを使用するものは、気付かぬうちに抜かれていないよう日頃から注意する必要があります。

2.効果的な場所に設置する

徘徊感知器は、ベッドや玄関などさまざまな場所で活用できます。転倒を予防したいときには、「起床検知型」の感知器をベッド横に置くのがおすすめ。外出するタイミングを知りたいときには、「外出検知型」の感知器を玄関へ設置しましょう。どこに置けばいちばん徘徊を防げるのか、家族でよく相談することが大切です。

3.本人が驚かない通知方法を選ぶ

徘徊を知らせる音は、チャイムやメロディなどさまざまです。また、音だけでなくランプで知らせるタイプのものもあります。認知症の方によっては、音や光に驚いてしまうケースもあるため、通知方法は事前によく確認しておきましょう。

赤外線センサー

それぞれの感知器に搭載されている赤外線センサーは、非接触で動きを感知できることがポイントです。起き上がりや離床、徘徊などを検知し、無線で知らせてくれます。ベッドやドアなど、行動パターンに応じて設置場所の選択が可能。音や文字、振動などで通知が受け取れるタイプの受信機がセットになっている場合もあります。

身元証明グッズ

高齢者_公園

認知症の徘徊で心配されるのが、自分の居場所が分からず、誰であるか伝えられないため行方不明になることです。徘徊先で行方不明になってしまうことを防ぐには、身元証明グッズが役立ちます。

ネームタグ・ブレスレット

首から下げるネームタグやブレスレットには、自分の名前や連絡先を刻印できます。軽量化されているものが多く、高齢者でも違和感なく使用できることがポイントです。徘徊先で発見されても、タグの連絡先をもとに自宅へと帰り着くことができます。

QRコード付き迷子札

身元証明を身につけて歩くことには、抵抗を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような場合に利用できるのが、QRコードをつけた迷子札です。カバンやズボンのベルトなどに手軽に付けられ、ぱっと見ただけでは名前や住所などは分かりません。スマートフォンなどでQRコードを読み取ることで、身元の確認が可能となります。

ドアロック

ドアロック

「徘徊が心配で鍵をかけるけど、すぐに開けられてしまう…」。認知症の家族の介護には、ドアロックで悩むこともあるのではないでしょうか。開けるのが難しいタイプの鍵を取り付ければ、徘徊を防ぐことができます。ドアロックに使う鍵には、以下のような種類があります。

両面シリンダー錠

ドアの外側と内側、両方に鍵を取り付けるタイプです。家の内側からドアを開けるときにも、専用の鍵を使わなくてはいけません。取り付けや交換には、一定の費用が必要となります。

サムターン

サムターンとは、鍵を内側から開けるときの「つまみ」のことです。このつまみを鍵式に取り換えることで、内側からドアを開かないようにすることができます。サムターンは取り外し可能なため、徘徊の心配があるときだけ取り付けることも可能。家族が眠る夜間や、不在時の徘徊を予防できます。

補助錠

補助錠は、ドアではなく窓に取り付ける鍵です。徘徊予防だけでなく、防犯目的に利用されることもあります。窓の溝に設置したり、窓用のシリンダー錠を取り付たりすれば、簡単には開閉できなくなることがポイントです。

徘徊が発生したときの心得

高齢者_徘徊

さまざまな予防をしても、ご家族の徘徊を100%防げるわけではありません。徘徊が発生したら、家族だけで解決しようとせず、周囲の手を借りながら早急に捜索することが大切です。スーパーやコンビニエンスストア、公共交通機関といった身近な場所を検索するほか、以下のような点を心得ておきましょう。

警察に連絡する

認知症患者を家族に持つ方は、ご本人が行方不明になっても、自分たちだけで解決しようとしてしまうことがあります。結果、捜索範囲が定まらず、発見の遅れへとつながってしまうのです。ご家族が行方不明になったときには、早急に警察に連絡し、周囲の協力をあおぎましょう。捜索範囲が狭まり、発見の確率をより高めることができます。

担当ケアマネジャーに報告する

介護サービスを利用している場合は、担当のケアマネジャーに報告します。捜索にあたり気を付けること、しなければならないことなどを確認しましょう。介護サービスを利用していない場合には、地域包括支援センターへ連絡するのもおすすめです。

まとめ

介護

認知症の方の徘徊は、行方不明になるリスクがあるだけでなく、事故につながる可能性もあります。徘徊感知器やドアロックなどは、家族が不在時の徘徊予防にも効果的。身分証明グッズを身につけていれば、いざというときに備えることも可能です。ご本人の安全と尊厳を守りながら、徘徊を予防する方法を検討していきましょう。

遠藤 和優
介護職員初任者研修、福祉用具専門相談員、住環境コーディネータ2級
福祉用具貸与事業所に勤務し、住み慣れたご自宅での在宅生活を安全・快適に過ごしていただけることをミッションとして福祉用具・住宅改修を通して携わる。
現在は、お客様のお悩みやご相談を受け、福祉用具だけではなく様々な介護保険サービスの説明やご案内を介護相談センター相談員として取り組んでいる。