2021.06.07

シルバーカーと歩行器の違いと選び方

最終更新日:2022.03.16
遠藤 和優
介護職員初任者研修、福祉用具専門相談員、住環境コーディネータ2級

家族を介護している際に必要となる介護用品としてシルバーカーや歩行器があります。シルバーカーと歩行器のどちらも、安全な歩行を補助してくれる介護用品のひとつですが、種類が豊富で機能もさまざまなため、初めて利用する方からするとそ違いは理解しにくいです。そこで今回は、そろそろ介護サービスを検討してみようという方へ、シルバーカーと歩行器の違いと選び方を、種類や購入方法を交えてご紹介します。

シルバーカーと歩行器の違いについて

シルバーカー
シルバーカーと歩行器は、利用する対象者と利用する目的に大きな違いがあります。

シルバーカー

シルバーカーとは、自分で歩くことができる方の歩行を補助するものです。買い物の荷物を入れるカゴや座って休憩できる椅子などの機能を備えているため、お買い物や散歩、園芸などに便利です。特に高齢になると筋力が弱くなり、重い荷物を運ぶことが困難になります。そのような場合、シルバーカーであれば車輪がついているため、カゴの中に重い荷物を入れても運びやすいです。また、座面が設置されているシルバーカーであれば、座るような場所がない場所においても安易に休憩できます。

歩行器

歩行器とは、自分で歩くことが困難な方の歩行を補助するものです。4本の脚やキャスターで体を支えるとともに体を囲むように設計されており、より足腰にう負担を軽減しながら安定した可能ですので、病院での歩行訓練やリハビリなどに便利です。

シルバーカーの種類

シルバーカー

シルバーカーには、使用する目的や機能によって、コンパクトやミドル、ボックスやワゴンといったタイプの種類があります。

シルバーカーの種類1.コンパクトタイプ

コンパクトタイプのシルバーカーは、小型で軽量かつ収納スペースがあるのが特徴で、初めてシルバーカーを利用する方におすすめです。持ち運びしやすいため、バスや電車といった公共交通機関など人が多い場所でとても便利です。また、座面が付いているものもあり、お出かけ先で疲れた際には腰を下ろして休憩できます。

シルバーカーの種類2.ミドルタイプ

ミドルタイプのシルバーカーは、適度な収納力を備えているのが特徴で、コンパクトタイプでは収納力が足りないという方におすすめです。収納力を確保しながらも大きすぎず持ち運びしやすいため、お買い物や散歩にとても便利です。また、シルバーカーの車輪が比較的大きいため、安定性にも優れています。

シルバーカーの種類3.ボックスタイプ

ボックスタイプのシルバーカーは、より車幅が広いため安定性があり、なおかつ収納スペースが広く、座面のクッション性に優れているのが特徴です。また、ひじ掛けが付いているものもあり、立ち上がりに不安がある方にはおすすめです。段差がある場所にも対応できますが、荷物を入れすぎると重くなるため、力の弱い方が使用する際は注意が必要です。

シルバーカーの種類4.ワゴンタイプ

ワゴンタイプのシルバーカーは、デザイン性に優れているのが特徴で、シルバーカーには抵抗を感じる方におすすめです。カゴの部分がワイヤー製のため、汚れても手入れしやすく、園芸や農作業の道具などを運ぶ際にはとても便利です。座面が付いたものもあり、座って休憩もできます。

シルバーカーの適正サイズ

シルバーカー

シルバーカーの適正サイズは、利用する方の身長により異なります。まず、椅子の座面の広さと高さが、利用する方の体格に合っているかを確認します。高すぎると座った際につま先立ちになってしまい、低すぎると立ち上がりにくくなってしまいます。実際に座ってみて立ち上がる際に、足を内側に引ける空間のあるものを選びます。さらに、ハンドルの高さが調整できるものを選びます。肘を軽く曲げた体勢でハンドルを握れる高さが、もっとも力が入りやすく操作しやすい位置です。

歩行器の種類

シルバーカー

歩行器には、利用する方の身体状況に応じて、固定式歩行器や交互型歩行器、キャスター付き歩行器や電動歩行器などの種類があります。

歩行器の種類1.固定式歩行器

固定式歩行器は、ピックアップ型歩行器とも呼ばれ、すべての脚部にゴムが付いているのが特徴です。両手で歩行器を持ち上げて前につき、手で体重を支えてから、筋力低下や痛みのある足、もう片方の足の順で出し、一連の動作を繰り返して前に進みます。室内での歩行訓練などで頻繁に使用されています。

歩行器の種類2.交互型歩行器

交互型歩行器は、固定式歩行器と見た目が同じですが、左右のフレームが個々に動き、フレームを左右交互に動かして使用するのが特徴です。フレームを左右交互に動かして歩行します。歩行器の右側、左足、歩行器の左側、右足の順に、4回の動作を繰り返して前に進みます。持ち上げる必要がないため、固定式に比べ安定性が高いです。

歩行器の種類3.キャスター付き歩行器

キャスター付き歩行器は、歩行車とも呼ばれ、脚に車輪が付いているのが特徴です。両手や肘で支えて歩行するもの、体をもたれかけながら歩行するものなどがあります。4本の脚に車輪が付いているため、操作が簡単で足への負担が少ないです。病院での歩行訓練やリハビリなど、主に屋内で使用されています。

歩行器の種類4.電動歩行器

電動歩行器は、アシスト機能を備えたモーターが付いているのが特徴です。上り坂ではアシストが働いて安易に上ることができ、下り坂ではブレーキが働いて安全に下ることができます。骨関節疾患や脳血管疾患などで足の筋力が低下している方や手が不自由な方でも操作が行いやすいです。

歩行器の適正サイズ

シルバーカー

歩行器の適性サイズは、利用する方の身長により異なります。利用する方が楽な立位で歩行器のグリップを握り、軽く肘を曲げた状態に調整します。また、肘で支えて使用する歩行器の場合は、肘を90度に曲げた際の肘の高さに調整します。その他、利用する場所や目的、利用する方の身体状態も考慮する重要です。

シルバーカー・歩行器の主要メーカー

スマートフォン
シルバーカーや歩行器を取り扱っている主要メーカーをご紹介します。

幸和製作所

幸和製作所は、幅広い福祉用具と介護用品を扱う総合メーカーです。生活のお世話だけでなく心まで豊かになるよう、心のお世話をしたいとの思いを込めた「Tacaof(テイコブ)」というブランド名で、歩行車やシルバーカーなどを販売しています。また、つい手に取りたくなるような風格やこだわりが備わった福祉用具をとの思いを込めた「GENTIL MARRONE(ジェンティルマローネ)」というブランドでも歩行車や杖などを販売しています。シルバーカーは、コンパクトやミドル、スタンダードの三種類があります。また歩行車は、車体幅45cmとコンパクトなものや重量4.5kgと軽量なもの、抑制機能付きで下り坂も安心なものなど、さまざまな種類があります。

カワムラサイクル

カワムラサイクルは、神戸市で創業80年以上におよぶ老舗高級自転車メーカーで、現在では主に車椅子を扱うメーカーです。「出来ることは自分でしたい」という利用者の思いをくみ、自立を支える商品からトレーニングや歩行車など、暮らしの負担を軽減する歩行補助具を販売しています。シルバーカーは、散歩に便利なコンパクトなものやお買い物に便利な収納力抜群のものなどがあります。また歩行器は、屋内用で使用する固定式やキャスター付きをはじめ、屋外用で使用する歩行車、さらに屋内と屋外のどちらでも使用でき、制動も駐車もできるループブレーキレバー付きの歩行車などがあります。

竹虎

竹虎は、医療や福祉、健康分野の幅広い商品を扱う総合メーカーです。「すべての人に、今よりもっと快適に過ごしてほしい」「健康な暮らしを、安心で安全な商品で支えたい」との思いを大切に、医療や福祉分野を融合した商品を販売しています。シルバーカーと歩行車は、「ハッピー」や「レッツゴー」というブランド名で、屋内外両方に使用できるものやカゴが付いたもの、洗練されたデザインのものなどがあります。また、シンプルな見た目とコンパクトに畳める機能性も特徴的です。

島製作所

島製作所は、シルバーカーや歩行車などを扱う福祉用具メーカーです。筋力の低下や気力の減退などの理由で外出の機会が減った高齢者に、もっと歩いて、外出して、日々を楽しんでほしいとの思いでシルバーカーや歩行車を販売しています。シルバーカーは、コンパクトやミドルをはじめ、ボックスやアルミ、スタビリティーや男性向けのメンズなどがあります。歩行車は、「シンフォニー」というブランド名で、コンパクトなものや片方だけのブレーキ操作で両後輪を制御できるもの、ボディすべてがワイドに設計されたものや最大使用時のハンドルの高さが93cmのものがあります。

アロン化成

アロン化成は、硬質塩化ビニル管アロンパイプの開発し、その加工技術を生かし介護用品を扱うメーカーです。その人自身の「やりたい」に応えたい、「できる」になりたいとの思いから、「安寿」というブランド名で、排泄や入浴、移動や歩行などに関連する用品を販売していますシルバーカーは、片手で簡単に折りたためるものやデザインを工夫したもの、外出時の歩行や買い物の運搬が楽に行えるものなどがあります。また歩行車は、4.1kgと軽量なものや買い物カゴを乗せることができるもの、電動アシスト機能で坂道でも快適に歩行ができるものなどがあります。

イーストアイ

イーストアイは、「絶えずユニークな商品の企画開発」をモットーに、福祉用具や災害用備蓄用品、アウトドア用品を扱うメーカーです。「セーフティーアーム、セーフティーアームロレータ」というブランド名で、歩行器と歩行車を販売しています。歩行器は、固定式や交互型、前輪のみキャスター付きなどがあります。また歩行車は、お買い物や家事、散歩などの目的や身体状況、使用環境に合わせて、コンパクトやバッグ付き、特大カゴ付きや座面付き、オフロードタイヤやアームレストなどの機能がついたものがあります。

星光医療器製作所

星光医療器製作所は、医療や介護機器を製造するメーカーです。「医療と介護を支える」製品をつくることをモットーに、「アルコー」というブランド名で歩行車を販売しています。歩行車は、前輪のみキャスター付きのものや四輪付きの肘で支えて歩行するものなどがあります

ウィズワン

ウィズワンは、1930年に乳母車の製造を開始し、象印ベビーの名前でも知られるシルバーカーを製造するメーカーです。ファッション感覚で使用できるシルバーカーを多くそろえており、コンパクトなものや大容量バッグ付きのもの、100kgまでの方が座ることができるものなどがあります。その他にも、スリムに折りたためて持ち運びできるサポートカーや日常のあらゆるシーンに便利なショッピングカーなどもあります。

シルバーカー・歩行器の購入方法

シルバーカー

シルバーカーや歩行器は、ホームセンターや百貨店、デパートの介護用品売り場や福祉用具販売店などで購入できます。シルバーカーや歩行器を初めて購入する人は、アドバイスやフィッティングがあるお店ですと選びやすいです。また豊富な種類やデザインのシルバーカーや歩行器がお店ですと、身体と好みに合ったものが選びやすいです。適正サイズがしっかりと計測できれば、ネット通販も活用できます。家族が介護しながら買い物に行くのが大変な場合は、ネット通販が便利です。ご紹介した主要メーカーは、比較しやすく品ぞろえも豊富で、ネット通販にも対応しています。近くのお店に品ぞろえが少ないなどでお困りの際は、ネット通販を活用していかがでしょうか。

まとめ

今回は、そろそろ介護サービスを検討してみようという方へ、シルバーカーと歩行器の違いと選び方を、種類や購入方法を交えてご紹介しました。シルバーカーや歩行器があれば、介護が必要な方も外出しやすくなります。高齢者が一人で外出するときはもちろん、家族と出かけるときも便利です。外出しないで家にばかりいると、筋力が低下します。寝た切り防止や気分転換のためにも、シルバーカーや歩行器を取り入れてみましょう。

遠藤 和優
介護職員初任者研修、福祉用具専門相談員、住環境コーディネータ2級
福祉用具貸与事業所に勤務し、住み慣れたご自宅での在宅生活を安全・快適に過ごしていただけることをミッションとして福祉用具・住宅改修を通して携わる。
現在は、お客様のお悩みやご相談を受け、福祉用具だけではなく様々な介護保険サービスの説明やご案内を介護相談センター相談員として取り組んでいる。