2021.09.15

介護保険外サービスとは|サービスの種類や利用方法を紹介

最終更新日:2023.01.03

介護保険外サービスは対象者やニーズの幅が広く、緊急時にも活用しやすいという特徴があります。この記事では介護保険外サービスの内容やメリット、利用方法について詳しく解説。「介護認定を受けていないから介護サービスを利用できない」「介護保険サービスでは不十分」という方は、ぜひ参考にしてください。

介護保険外サービスとは?

介護_面談

介護サービスは、介護保険が適用される「介護保険サービス」と、介護保険が適用されない「介護保険外サービス」の2種類に分類されます。介護保険サービスは、要支援または要介護状態に認定された方が利用できるサービスです。暮らしている住居で受けられるものや施設に通うもの、入所するものなどに種類はわかれ、料金は所得や介護度によって異なります。一方で介護保険外サービスは、介護保険が適用されない部分を補う介護サービスのことです。例えば、高齢者の在宅生活をサポートする訪問介護では、介護保険外サービスであれば、介護を必要とする方の食事と、同居家族のための食事を同時に調理することが可能。しかし、介護保険サービスの支援内容は細かく限定されており、あくまでもサービスの対象者は要介護者のみとなるのです。介護保険外サービスでは、庭の手入れやペットの世話、食事の宅配サービス、認知症の方の見守り、外出の付き添いなども含まれます。介護の度合いに関わらず、どなたでも幅広く利用できることが大きなポイントでしょう。

介護保険外サービスを利用するメリット

女性

介護保険外サービスは、必要とされるニーズに沿って幅広い種類から選択できるのが大きなメリットです。例えば外出支援サービスでは、ひとりで外出することが難しい方の通院や買い物の手助けができたり、介護タクシーの利用により、車いすの方でも自由に外出できるようになったりします。近年はトラベルヘルパーと呼ばれる、介護スキルを身につけた旅行添乗員も登場。介護が必要な方やそのご家族の旅行をサポートしています。また家事代行サービスを利用すれば、介護保険サービスでは対応できない家族の食事の準備や掃除、外出時の付き添いが可能です。自治体や民間企業が運営する、健康バランスに配慮した宅食サービスを活用することもできるでしょう。女性に喜ばれるのが、訪問理美容サービスです。介護施設に直接美容師が訪問するため、外出が難しい方でもヘアカットやメイクのサービスを受けられます。介護保険外サービスは、高齢者のニーズに柔軟に対応できることが大きなポイントです。QOLと呼ばれる「生活の質」の向上にも役立ちます。介護を必要とする方だけでなく、ご家族にとってもメリットが生まれるサービスであると言えるでしょう。

介護保険外サービスの種類と費用

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自治体だけでなく、民間企業が運営する介護保険外サービスは、種類や費用がさまざまに異なります。例えば、市区町村が運営する高齢者在宅サービスでは、要介護者やひとり暮らしの高齢者を対象におむつの配送や宅食サービスを実施しています。費用の目安は、おむつサービスの上限が月額6,000円から10,000円。宅食サービスは1食あたり500円前後です。利用する場合の問い合わせ先は、市区町村の窓口や地域包括支援センターとなります。介護サービス事業者によるサービスは、内容が充実しているだけでなく身体介護にも対応できるのがポイントです。費用はサービス内容によって異なるものの、1時間あたり2,000円が目安となります。すでに介護認定を受けている場合には、担当ケアマネジャーに利用を相談してみましょう。さらに、民間企業の提供するサービスは、緊急時にも利用しやすいというメリットがあります。サービス内容も豊富で、手渡しが原則の宅食サービスは高齢者の安否確認を兼ねて行われます。家事代行サービスには警備会社も参入しており、1時間あたり3,000円前後で利用可能です。利用の際は企業に直接問い合わせるほか、地域包括支援センターや市区町村に相談してみるのも良いでしょう。

介護保険外サービスを提供している事業者選びのポイント

介護士

前述したように、介護保険外サービスは種類や費用、運営先がさまざまです。業者を選ぶときに大切なのは、自らのニーズや予算を見極めることでしょう。身体介護が必要な場合は、介護サービス事業者を選ぶのがおすすめ。介護スキルのあるスタッフが対応するため、家族も安心してサービスを利用できます。「突然介護サービスが必要になった」というときには、民間企業の運営するサービスが効率的。配食から家事代行、移送サービスまでどなたでも手軽に利用することができます。一方、これらの介護保険外サービスは、利用料が比較的高くかかる傾向にあります。より費用を抑えたいのであれば、市区町村が運営するサービスを検討するのも良いでしょう。

こんなお悩みがある方に介護保険外サービスの利用が向いている

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介護保険外サービスの利用は、以下のようなお悩みを持つ方に向いていると考えられます。現状と照らし合わせながら、必要と思われるサービスを検討していきましょう。

現在の介護サービスに満足していない方

介護保険サービスは内容が限られているため、現在のサービスに満足できないというケースもあるのではないでしょうか。そのような方には、介護保険外サービスが向いていると考えられます。特に、ひとりでは移動できない高齢者や高齢者のみの世帯には、介護保険外サービスの移動や家事代行サービスが効果的です。

求めている介護サービスが無い方

介護保険サービスに求めているサービスが無いというときには、介護保険外サービスの利用を検討してみましょう。緊急時で介護保険サービスの契約が間に合わないというときにも、民間企業のサービスであれば対応できることもあります。求めるサービスはインターネットで検索するほか、地域包括支援センターや市区町村が提供する情報を参考にするのもおすすめです。

まとめ

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介護保険外サービスは、介護保険サービスではカバーできない分野をサポートするものです。どちらかにこだわるのではなく、介護保険と介護保険外サービスを上手に組み合わせて利用することも大切。地域包括支援センターや市区町村の窓口、ケアマネジャーなどと相談しながら、必要に応じたサービスの利用を検討していきましょう。