介護される方のことを考えた介護シューズには、多様なバリエーションがあります。一般のシューズと比べてどのような特徴があるのか、また、選び方について見ていきましょう。また人気の高いシューズをランキング形式でご紹介します。
目次
介護シューズの特徴 一般用靴との違い
介護が必要な方は、靴にも工夫が必要です。歩きやすさや履きやすさ、また、つまずきにくさなど、さまざまな配慮がされている靴が「介護シューズ」です。介護シューズではどのような配慮があるのか、一般用の靴と比較し、解説します。
バランスを維持しやすい
高齢者は脚力・反射神経の衰えからバランスを崩しやすくなるため、歩いている途中も常に転倒の危険と隣り合わせです。介護シューズでは以下のような工夫がされています。
● しっかりしたかかとで支え、歩行の安定をサポート
● 軽量で歩行がらくらく
● 滑りにくい靴底設計で転倒防止
● 先端部が少し上がっているので、つまずきにくい
履きやすさを考えた構造
かがんで靴を履くという動作も、高齢の方にとっては容易なことではありません。また、靴を履くたび、脱ぐたびに介助者のサポートが必要になると、高齢の方は外出するのが億劫になってしまう恐れがあるでしょう。介護シューズでは履きやすさ・脱ぎやすさを考えて、以下のような工夫がされています。
● はきやすさを考えた工夫
● 開口部が広く、着脱簡単
● ゴムなどで開口部が広がりやすく手軽
リウマチ・むくみなどのお悩みに対応
リウマチやむくみなどにより、甲に圧迫を感じたり、長時間靴を履くことが苦痛になったりすることがあります。かといって、甲部分が覆われていない靴では歩いている途中に脱げてしまう可能性がああります。介護シューズではむくみや痛みに配慮して、以下のような工夫がされています。
● ソフトな素材を使用し、足にやさしい配慮
● 甲の締めつけを調節できる
外反母趾対策
つま先部分が狭いと足の親指の骨が小指側に変形し、外反母趾になる恐れがあります。また、つま先部分にゆとりのない靴を長時間履いていると、前足部に痛みが生じることもあるでしょう。介護シューズでは外反母趾対策を行い、前足部に十分な余裕を持たせ、締めつけを緩和します。
シューズの選び方
どのような靴がよいかはひとりひとり異なります。用途や身体状況などに合わせ、ご自身に合った介護シューズを選びましょう。
屋内用・屋外用
屋内用の介護シューズは、履いている時間が長くなるため、快適さに注目して選ぶとよいでしょう。長く履いていても疲れにくい柔らかい素材で、蒸れにくいものを選ぶと快適さを維持しやすくなります。また、ある程度伸縮性があるものが、足がむくんだときにも痛みを感じにくいのです。一方、屋外用の介護シューズには、靴底が薄い素材は向きません。コンクリートの固さや小石などをダイレクトに足裏に感じてしまうため、かえって足が痛くなることがあります。靴底はある程度の厚みがあるものを選ぶようにしましょう。また、靴先が少し上がっていると、転倒予防効果もアップします。
柔軟性
屋外用の介護シューズには、靴底が固すぎるものも不向きです。靴底全体がしっかりと曲がる程度の柔軟性を持つことで、つまずき防止効果も期待できます。また、靴底に柔軟性があれば、小石や地面のでこぼこを吸収し、足に痛みを与えにくいでしょう。転倒するおそれが高い方や、日課で散歩をしている方などの歩く時間が長い方は、とくに柔軟性に注目してください。
介護シューズの人気ランキング
人気の介護シューズを5つ紹介します。ぜひ快適な靴選びにお役立てください。
ムーンスター「Vステップ」03
片足だけでも購入できる装具対応可能な介護シューズです。26cmサイズで395gと軽量タイプで、長時間歩いても疲れにくく工夫されています。人工皮革が高級感を演出しているので、お出かけ用にもおすすめです。
マリアンヌ「SaiSai フラワープリント」W941
太めのバンドがおしゃれなアクセントになっている女性に人気の介護シューズです。甲の部分が開いているので、蒸れにくく、長時間快適さを維持できます。また、靴底が柔らかく突起が少ないため、転びにくい構造も特徴です。おしゃれさと歩きやすさ、履きやすさをすべて備える介護シューズを探している方におすすめ。
徳武産業「あゆみシューズ ダブルマジックⅢ 3E」1097
基本靴幅サイズが3Eから最大11Eまであります。装具を装着されている方にもおすすめの介護シューズです。片足ずつの購入も可能です。履きやすいのはもちろんのこと、甲の部分が大きく開くので履かせやすい点も特徴です。足を覆う部分がニット素材のものもあり、長時間履いていても痛みを感じにくいように工夫されています。
アシックスジャパン「ライフウォーカー」101
足先が上がり、つまずき防止効果を期待できる介護シューズです。かかとも少し上がっているので、着地時の衝撃を和らげてくれるでしょう。また、小指が靴にあたる部分に厚みがあり、足指全体を使ってバランスが取れるように工夫されています。大手アシックスのシューズなので、スポーティな見た目と安心の機能がうれしいです。屋外用としても室内履きとしても使用できます。
アサヒシューズ「快歩主義」L011
介護シューズの中では売上No.1。履きやすく軽量、しかもカラーバリエーションもデザインも豊富で、自分好みの一足が見つかるでしょう。足の甲部分が大きく開き、履きやすさと履かせやすさを両立しています。足裏の負担だけでなく膝にかかる負担にも配慮されているので、長時間歩く方にもおすすめ。安心の日本製です。
まとめ
介護シューズは歩きやすさや履きやすさに工夫されていますが、ひとりひとりの足の形が違うため、すべての方が心地よく感じる商品は存在しません。必ず購入するときにはフィッティングをし、自分の足に合うのか、また、快適さや安全性をチェックしてください。通販で購入する場合も、フィッティングが可能なことがあります。トラブルを避けるためにも、購入前に交換のタイミングやフィッティングにかんして通販ショップにたずねておきましょう。