2021.07.02

有料老人ホーム選びの流れ|体験入居の際のポイント

最終更新日:2021.07.02

体験入居で様子を見る

夫婦_食事

有料老人ホームの体験入居は、見学だけでなく実際に宿泊してみて施設の設備やサービスを体験できる貴重な機会です。一日の生活の流れや食事、介護サービスの質など実際に体験しないとわからないこともたくさんあります。また、入居してみてパンフレットや見学のイメージと違うといったギャップを防ぐためにも体験入居が大切です。体験入居で気に入った場合はそのまま契約に進み、イメージと違ったという場合は他の施設を検討しましょう。体験入居の基礎知識とポイントを紹介します。

体験入居の費用と期間について

体験入居する場合の費用や利用日数は施設ごとに異なります。利用日数が3日までの施設もあれば、1週間以上の体験入居が可能な施設もあります。また費用面も施設ごとにまちまちです。たいていの施設では一泊4000円~1万5000円程度が一般的な費用ですが、要介護度によって金額が違うこともあります。施設ごとに体験入居の規定や持参するものは違うので、事前に確認してください。

体験入居でチェックしたいポイント

体験入居はただ宿泊するだけではありません。これから人生の基盤となる場所を決めるための時間です。体験入居の時にはあらかじめチェックしたいポイントを考えておきましょう。体験入居でチェックしたいポイントは、施設の立地や環境からサービスまで多岐にわたります。周辺環境や居室でチェックしていただきたいのが、周囲に騒音などが気になる施設はないか、また日常的な買い物ができるスーパーや薬局はあるかどうかです。また居室のスペースや収納、日当たりもチェックしてください。体験入居は見学とは違って実際にサービスや食事を受けることができます。食事の献立や味、個別食に対応してくれるかどうかまで確認しましょう。また介護サービスやレクリエーションも確認します。排せつやおむつ交換の方法やタイミングも納得できるか確かめてください。

その他有料老人ホームの入居前に確認すること

老人ホーム

体験入居の時には、見学では目が届かない小さな設備や環境まで目を配りましょう。例えばトイレの手すりの位置や操作ボタンの使い勝手、ナースコールの場所など使いにくいところがないか、実際に住むことをイメージしてチェックします。また食堂への移動や共有スペースへの経路も一日に何度も使うので確認が必要です。手すりはあるかどうか、転倒防止や衝撃を和らげる工夫があるかどうか確認してください。可能であれば、食事や共有スペースで出会った入居者から話を聞くことも大切です。施設での生活について感想を聞いてみたり、質問してみましょう。施設によって入居者の雰囲気や自立度も違います。自分がそこで生活するイメージができるかどうかが重要です。

身元引受人を決めておく

家族

多くの有料老人ホームでは、入居時に身元引受人が求められます。契約の段階になって慌てることがないように、事前に身元引受人は決めておきましょう。身元引受人について紹介します。

身元引受人とは?

老人ホームは高齢者の生活を預かる役割なので、さまざまなリスクやトラブルを想定しなければいけません。身元引受人は施設が責任を追えない事態や、緊急の事態に対応するために立てられます。多くの場合は身元引受人一人ですが、経済的な責任を負う連帯保証人と身元保証のための身元引受人に分けて立てる場合もあります。さらに身元引受人は入居契約時に決定した人から後で変更することも可能です。その際は新しい身元引受人に関する書類を提出します。また身元引受人が死亡した場合などは、新しい身元引受人を立てなければいけません。

身元引受人の役割

身元引受人の役割にはいろいろあります。入退院の手続きのほか、各種支払いや銀行の手続き、年金、保険の手続きを本人に代わっておこなうこともあります。施設でのケアプランや病院での治療方針など、本人に代わる意思決定をおこなうのも身元引受人です。金銭的な連帯保証も行うため、施設での支払いが滞った場合は保証人が債務を負います。身元引受人はケガや事故、緊急搬送された場合などの緊急連絡先でもあります。入居者が退去するときや亡くなった時は身柄を引き取って各種手続き、支払いの清算、私物の引き取りをおこないます。

重要事項説明書の見方

夫婦

有料老人ホームを契約するときに、目を通さなければいけないのが重要事項説明書です。重要事項説明書には、どのような施設なのか、料金プランがどうなっているのか、職員の体制など必要な情報が網羅されています。重要事項説明書は、老人福祉法第29条に基づいて都道府県への提出が義務付けられているため、どの老人ホームでも必ず作成されています。契約段階でなくても閲覧できるので、契約までに時間をかけて目を通しましょう。

事業主体概要

有料老人ホームの事業主体概要は、事業者の主体が誰であるか、事業規模はどの程度あるかを確認するために重要です。また介護付き有料老人ホームの場合は、介護保険事業者としての登録内容が記載されています。事業主体概要には住まいの概要としてホームの名称や所在地、事業開始年月日なども記載されています。ホームの類型も記されていますが、一つのホームで複数の類型を持つ場合もあります。ホームページのアドレスも記載されているので見ておくと良いでしょう。

施設概要

施設概要からは建物の概要とサービスの概要が書かれています。入居する建物の規模や構造、所有関係記載されているほか、居室の使用や共用施設も記載されています。一般居室や介護居室の区分けもチェックしてください。サービスの概要からは施設の運営方針と提供しているサービスの内容が記載されています。また外部委託のサービスの場合はそれも記載されるので、ホーム職員がサービスを提供しているのか、外部委託なのか確認します。生活スタイルや生きがいに合った共用施設やサービスがあるかを確認してください。医療連携の有無や外部協陸医療機関も重要な情報です。救急車の手配や入退院の付き添い、通院介助がおこなわれているかも確認してください。

職員に関する事項

重要事項説明書にはホームに従事している職員の職種と人数の内訳がわかります。また利用者1人に対する介護、看護職員比率を常勤換算で記載されています。常勤の人がどれだけいるか、職員の採用時期や退職者数、経験年数なども確認できます。長期勤務している人が少ない場合などは、運営状態に問題がある可能性もあるので注意してください。

サービスの内容

有料老人ホームでは住まう権利の種類や利用料金の支払い方法なども重要です。食費、管理費など月払い費用の具体的なルールが記載されているほか、利用料金プランも書かれています。入居者の年齢や要介護状態に合わせて、さまざまなプランがあるホームもあります。個別機能訓練加算や夜間看護看取り加算、といった加算の有無がわかります。入居時点で必要な費用、月にいくらかかるのか、入居してからの基本的な費用の目安がイメージできるでしょう。本人と家族で確認しておくようにおすすめします。

増田 高茂
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者
多くの介護事業所の管理者を歴任。小規模多機能・夜間対応型訪問介護などの立ち上げに携わり、特定施設やサ高住の施設長も務めた。社会保険労務士試験にも合格し、介護保険をはじめ社会保険全般に専門知識を有する。現在は、介護保険のコンプライアンス部門の責任者として、活躍中。