2021.10.20

高血圧を下げる方法・血圧を下げる生活習慣とは

最終更新日:2022.07.25
東海林 さおり
看護師

高血圧を下げるには

血圧を測る男性

今回は高血圧を下げる方法とそのための生活習慣を紹介します。高血圧は、典型的な生活習慣病のひとつともいわれています。高血圧は、さまざまな病気を招くリスクがあるため、改善するに越したことはありません。いつまでも健康的な生活を維持できるよう、血圧を下げる方法を試してみましょう。

朝の過ごし方

朝の過ごし方ひとつで、血圧を下げられることをご存じでしょうか。特に起床時は急激な温度変化により、血圧を上昇させやすい傾向があります。また、高齢者は交感神経が活発に働くため、早朝に高血圧になりやすいのです。ここでは、血圧を下げるための朝の過ごし方を解説します。

朝起き上がる前に軽い体操を行う

起きてすぐに布団から出てしまうと、血圧を急上昇させてしまうおそれがあります。急激な血圧の上昇により、血管にダメージを与えてしまうおそれがあるため、注意が必要です。起き上がる前に、布団の中で軽く体操をしてみましょう。布団の中で左右へ寝返りをうつ、手首や足首を動かす、といった程度で問題ありません。少し体を動かすことで、血圧は少しずつ上がっていきます。

太陽の光を浴びる

太陽の光を浴びることには、さまざまな効果があるといわれています。ビタミンDを生成できるのはよく知られた話ですが、実は血圧を下げる効果も期待できるのです。第6回国際研究皮膚科学会で、エジンバラ大学の教授により発表されました。紫外線により皮膚内に蓄積された硝酸塩が切り離され、降圧作用のある成分へ変換させるためだといわれています。

深呼吸を3回行う

血圧が上昇する理由はさまざまですが、興奮したときにも血圧は上がります。深呼吸すればリラックスできるため、血圧を下げることができます。また、ストレスや緊張によっても血圧は上昇します。このような状況下では血管が収縮してしまうからです。深呼吸でリラックスすれば、副交感神経が優勢となり、血管を拡張させるため血圧を下げることができます。

良い睡眠をとるためには

寝る時間

睡眠不足が招くリスクは多岐にわたり、集中力やモチベーションの低下をはじめ、高血圧や糖尿病の発症リスクもあります。高血圧を回避するには、適切な睡眠時間を確保する必要があります。勘違いしてはいけないのは、睡眠時間さえ確保すれば良いというわけではない、ということです。大切なのは、良質な睡眠をとることだからです。

日中・就寝前の過ごし方

良質な睡眠をとるにあたり、知っておくべきことがいくつかあります。日中や就寝前の過ごし方ひとつで、血圧を下げることができるため、ぜひ覚えておきましょう。以下、良質な睡眠を得るための日中、就寝前の過ごし方についてまとめました。

カフェイン飲料は14時以降は避ける

コーヒーやお茶などに含まれているカフェインには、覚醒効果があります。コーヒーを飲むと眠りにつきにくいのは、この覚醒効果が原因です。14時以降にカフェインを摂取すると、体内に残ってしまい、眠りにつきにくくなるおそれがあります。14時以降は、コーヒーをはじめとしたカフェインを含む飲み物は控えましょう。カフェインはコーヒーだけでなく、日本茶や紅茶にも含まれています。飲み物を選ぶときは、ノンカフェインを選びましょう。

夕食は就寝の3時間前までにとる

眠りにつく前に食事をとってしまうと、食べたものが消化されていないため、良質な睡眠を妨げてしまいます。さまざまな臓器が、食べたものの消化や吸収、成分の分解などを行っているため、眠りにつきにくくなってしまうのです。個人差はありますが、食べたものが消化されるまでは、だいたい3~4時間ほどかかるといわれています。そのため、夕食は就寝の3時間前までに済ませておきましょう。小腹が空いたときは、スープのような固形物以外のものを選ぶことをおすすめします。

就寝前のタバコは避ける

タバコには、ニコチンやタールなどの物質が含まれています。ニコチンは、血管を収縮させる作用があるため、高血圧の方は特に注意が必要です。良質な睡眠を妨げてしまうおそれがあるため、就寝前に喫煙をするのは避けたほうがよいでしょう。また、ニコチンやタールはさまざまな健康被害をもたらすリスクもあるため、これをきっかけに禁煙するのもひとつの手です。

就寝時は部屋を暗くする

照明をつけたままでは、眠りにつきにくくなってしまいます。暗くしたほうが眠りにつきやすいため、常夜灯にする、間接照明だけにするなど工夫しましょう。寝つきをよくするため、音楽をかける方もいますが、逆効果となるケースも少なくありません。選曲にはくれぐれも注意してください。

就寝前2時間はブルーライトを浴びない

ブルーライトとは、パソコンやスマートフォンの画面から発せられる光です。ブルーライトは目を疲れさせるだけでなく、良質な睡眠を妨げます。就寝前にブルーライトを浴びることで、睡眠を促すメラトニンの生成が抑制されるため、眠れなくなるのです。せめて、就寝前2時間はパソコンやスマートフォンを操作しないようにしましょう。

寝る前にストレスになることを考えない

ストレスも、血圧を上げてしまう原因のひとつです。寝る前にストレスになるようなことを考えてしまうと、イライラが募り眠れなくなるおそれがあります。楽しかったことや幸せな気持ちになれること、楽しみにしていることなどを考えましょう。

22時~2時は眠りにつく

この時間帯は、眠るのにベストな時間帯だといわれています。良質な睡眠を得るにあたり、本来のリズムでホルモン生成されることが必要不可欠といわれています。この時間帯は、もっともホルモンが分泌される時間帯なのです。22時~2時までだけ眠ればよい、という話ではないため注意しましょう。できることなら8時間以上の睡眠を心がけ、夜22時前にはベッドに入ることをおすすめします。

肩甲骨のストレッチを行う

肩甲骨ストレッチには、肩こりや肩こりに起因する頭痛、冷え性、便秘などの改善効果が期待できるといわれています。また、睡眠の質を向上させるともいわれているため、ぜひ試してみましょう。なお、肩甲骨ストレッチの具体的な方法は、インターネット上で探すとたくさん動画が見つかります。まったく難しくないため、誰でも気軽に試せます。動画を見ながら一緒にチャレンジしてみましょう。

無理なく血圧を改善させよう

介護

高血圧の状態を放置してしまうと、さまざまな健康問題が生じるおそれがあります。脳血管障害や脳卒中、腎不全、心疾患などにつながることもあるため、決して軽視してはいけません。本記事でお伝えしたように、ちょっとした工夫で血圧は改善できます。この機会に高血圧を改善し、健康的な生活の実現を目指しましょう。まずは朝の過ごし方を見直し、良質な睡眠を得ることを心がけてみましょう。

東海林 さおり
看護師

看護師資格修得後、病棟勤務・透析クリニック・精神科で『患者さん一人ひとりに寄り添う看護』の実践を心掛けてきた。また看護師長の経験を活かし現在はナーススーパーバイザーとして看護師からの相談や調整などの看護管理に取り組んでいる。