2021.12.01

【2021年最新版】介護費用っていくらかかる?在宅介護と老人ホームにかかる費用を徹底比較しました!

最終更新日:2021.12.01

高齢の親がいると、将来的な介護費用が気になるでしょう。親や家族に貯蓄があればいいのですが、具体的な費用がわからない問題もあります。そこで確認していきたいのが、介護費用の平均額です。この記事では、介護費用の目安から、在宅介護と老人ホームにかかる費用を比較しながら紹介します。介護費用の不安があるなら、参考にしてみてください。

老後にかかる平均費用

介護にかかる平均費用

総務省の「家計調査(2人以上の世帯)」平成31年1月分によると、高齢者の多くが含まれる無職世帯の1か月の平均支出は、26万880円となっています。

一方で、厚生労働省が発表した「平成31年度の新規裁定者(67歳以下の方)の年金額の例」によると、夫婦2人の老齢基礎年金を含む厚生年金の標準的な年金額は1か月当たり22万1,504円で、毎月約4万円不足していることが分かります。65歳から年金生活が始まることを仮定すると、夫婦がともに100歳まで生きた場合、約1,654万円が足りないことになります。

実際には、夫婦どちらかが先に亡くなり、世帯としての支出は上記の金額よりも少なくなり、同様に年金収入も減額されるため、このような数字にはなりません。しかし、大まかなイメージとして、今の自宅で平均的な暮らしをすると、65歳の時点で年金収入以外に、おおよそ1,650万円、80歳になった時には950万円ほどの資産が必要だということになります。その他にも、入用費や介護費用等がかさみ、必要額が増える場合もあります。高齢者住宅や施設の入居を考えるなら、さらに高額な金が必要となります。

在宅介護にかかる費用

介護にかかる平均費用は、家計経済研究所の2019年の調査によると、在宅介護の場合月額5万円です。介護認定の度合いによっても、次のように費用は異なります。

要介護度1 月額3.3万円
要介護度2 月額4.4万円
要介護度3 月額5.9万円
要介護度4 月額5.9万円

また、認知症が重度の場合、月額13万円かかることがわかっています。要介護度が上がるほど月額費用が高くなるのは、介護サービスの利用頻度が高まるからです。

老人ホームにかかる費用

老人ホームにかかる費用は、入居時に一括で支払う「入居一時金」と入居後に支払う「月額費用」があります。入居一時金は、入居後の一定期間の居住費を事前に支払うもので、有料老人ホーム特有のシステムです。最近では、入居一時金が不要のホームも増えてきました。費用を前払いしない分、月額費用は高く設定されている場合もあります。入居一時金を支払う方法を「一時金方式」、支払わない方法を「月払い方式」といい、どちらの方法で支払うか選べるホームもあります。月額費用は、賃貸住居の家賃のように毎月支払うものです。居室や共用設備の利用料のほか、食費や管理費、水道光熱費、介護関連用品などが含まれるのが一般的です。

老人ホームには様々な施設形態がありますが、こちらでは一例を紹介します。各種金額は一般的な目安となります。

施設形態 入居一時金 月額費用

特別養護老人ホーム

(要介護度3の場合)

0円 133,780円

介護付き有料老人ホーム

(要介護度3の場合)

350万円 234,048円

住宅型有料老人ホーム

(要介護型の場合)

350万円 178,000円

サービス付き高齢者向け住宅

(要介護者向けの場合)

21万円 182,500円

グループホーム

(要介護度3の場合)

30万円 179,180円

在宅介護のメリット・デメリット

在宅介護のメリットとデメリット
在宅介護を選択すべきか迷ったら、メリット・デメリットを比較してみましょう。費用の面では在宅介護だと安くなりますが、介護の面でデメリットがあります。幅広い面で比較しながら、家庭に合った介護方法を選んでください。

メリット

在宅介護のメリットは、老人ホームと比べて月額費用が安い点です。老人ホームの入居時費用が不要なため、お金をかけたくないときに在宅介護が向いているでしょう。また、介護が必要な人にとっても、在宅介護はメリットがあります。住み慣れた場所で過ごせるため、安心感がある点です。家族と一緒に暮らしている場合は、家族と過ごせるメリットがあります。一人暮らしの場合でも、介護サービスを利用しながら自宅で過ごすことは可能です。日常生活に支障がなければ、在宅での介護を選択するといいでしょう。在宅で利用できる介護サービスの種類が豊富なため、費用やサービス内容で比較できます。

デメリット

在宅介護のデメリットは、家族の介護疲れの恐れがある点です。日中に介護サービスを利用したとしても、夜間は家族の介護が必要になります。家族の介護は1人だけが負担する場合が少なくないため、体力的・精神的ダメージが大きくなる恐れがあります。介護する人が高齢であれば、老々介護となる問題もあるでしょう。また、在宅介護は徘徊により近隣住人へ迷惑をかける恐れがあります。介護する家族も1日中見張っているわけにはいかず、ちょっと目を離した隙に徘徊してしまう場合があるでしょう。その場合は危険が伴うため、警察等への連絡が必要です。ほかにも、在宅介護で適切な介護が受けづらいことから、寝たきりになる恐れもあります。

老人ホーム入居のメリット・デメリット

老人ホーム入居のメリットとデメリット
老人ホーム入居を選ぶ際にも、メリット・デメリットがあります。在宅介護と比べて費用は高くなりますが、専門家による介護があるため安心感があるでしょう。本当に老人ホーム入居が適しているのか、両方の面に注目してください。

メリット

老人ホーム入居のメリットは、介護専門家による質の高いサービスがある点です。徘徊のリスクが少なく、認知症予防や褥瘡の対応などができるでしょう。万が一の救急時でも、素早く医療が受けられるよう対応してくれて安心感があります。また、老人ホームには多数の人が入居しているため、刺激が得られるメリットがあります。イベントなどで楽しく過ごし、同じくらいの人と会話ができるでしょう。人と話す機会が多ければ、刺激となり認知症予防にも役立ちます。費用については、特別養護老人ホームを選べば、比較的安く入居できます。特別養護老人ホームなら、介護度が高くても入居が可能です。

デメリット

老人ホームに入居するデメリットは、家族と会えない疎外感や、集団生活のストレスを感じる恐れがある点です。集団生活は制約があるため、在宅介護と比べると自由度は低くなるでしょう。また、家族にとっても、在宅介護と比べて費用が高くなるデメリットがあります。入居に関しても人数制限があるため、希望の場所に入居できないかもしれません。とくに、特別養護老人ホームは、待機者が多いため入居が難しい傾向があります。特別養護老人ホームは要介護3以上でないと入居できない問題もあるでしょう。老人ホームの中には、ターミナルケアや淡吸引の医療処置に対応していないところがあります。

在宅介護向けの方の特徴

在宅介護向けの方の特徴
在宅介護に向いているのは、自宅で過ごす想いが強いケースです。自宅で過ごせば、介護を受ける人にとっても、家族にとっても寂しくないでしょう。家族とのつながりを大切にしたいなら、在宅介護がおすすめです。また、介護施設にお世話になるのが嫌だと思っている場合も、在宅介護が向いています。とくに男性の場合は施設入居を希望しないケースが多いようです。次に、お金をかけたくないケースも、在宅介護がおすすめです。とくに経済的理由で老人ホームの入居を希望しない人は、女性に多くなっています。

老人ホーム入居向けの方の特徴

老人ホーム入居向けの方の特徴
家族が介護できないケースや、1人だけの負担が大きい場合は、老人ホームがおすすめです。在宅で介護するとなると、介護する家族は仕事を辞める必要があるかもしれません。介護度が低ければ働きながら介護はできますが、ずっと続けられるかは不明です。退職して経済的不安があるより、老人ホームの費用をかけたほうがいい場合もあるでしょう。また、専門家によるサポートを得たいときも、老人ホーム入居が向いています。入居者本人が集団生活に対し問題がなく、多くの人と楽しく過ごしたいケースも老人ホームがおすすめです。

在宅介護・老人ホームどちらがいいのか

在宅介護‗老人ホーム
在宅介護、老人ホームどちらがいいかは、家族により異なります。介護を受ける人、介護する家族両方の意見を聞きながら、最適な方法を選びましょう。どちらにするか迷ったら、体験してみてください。最初は在宅介護から始めて、問題が発生したら老人ホーム入居を検討すればいいでしょう。または、老人ホームに短期間入居して、在宅介護の負担を軽くする方法もあります。どちらを選んでも、無理がないよう専門家に相談するようにしてください。

増田 高茂
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者
多くの介護事業所の管理者を歴任。小規模多機能・夜間対応型訪問介護などの立ち上げに携わり、特定施設やサ高住の施設長も務めた。社会保険労務士試験にも合格し、介護保険をはじめ社会保険全般に専門知識を有する。現在は、介護保険のコンプライアンス部門の責任者として、活躍中。