2021.12.13

親が介護拒否をしたら?介護拒否の原因とその対処法を解説します!

最終更新日:2021.12.13
増田 高茂
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者

親の介護が必要になると、家族が介助する場合があるでしょう。しかし、必要なことであっても、親が介護拒否してしまうことがあります。この記事では、介護拒否の原因と対策方法を具体的に紹介します。親が介護を嫌がるときに、参考にしてみてください。

介護拒否とは

介護拒否
介護拒否とは、認知症などの原因で介護を嫌がることです。認知症になっていない人であれば、きちんと説明をして理解すれば介護を嫌がりません。しかし、認知症が進むと脳の機能の低下により、正しく判断できなくなります。例えば、投薬治療が必要でも、薬の服用を嫌がることがあるでしょう。また、清潔のための入浴や着替えを嫌がる場合もあります。食事に関しても、過食や拒食、特定の食品だけを食べるなどこだわりが強くなるケースも。認知症で介護拒否が現れるのは、不安感が影響している場合が多くあります。説明されても正しいのか判断できないため、その行為に対する不安があるためです。例えば、薬を飲むと不味い、入浴の温度に不快感がある、人に裸を見られたくないなどの不安です。

介護拒否の原因

介護拒否の原因

介護拒否の原因は、認知機能の低下とその人の生活の影響が考えられます。必ずしも認知症になっているとは限りません。介護が必要になれば大きく生活が変わる場合もあるため、本人が戸惑っている恐れもあるでしょう。

認知機能の低下

介護拒否の原因で、第一としてあるのが認知機能の低下です。認知機能の低下は、50歳ごろから徐々に低下していきます。早期に低下しやすいのは遂行力・判断力・記憶力で、次第に言語機能も低下します。認知症の原因疾患は70種類以上で、複数の原因が考えられるでしょう。タイプは、アルツハイマー型・レビー小体型・脳血管性・前頭側頭葉変性の4種です。最も多いのはアルツハイマー型で、物忘れから緩やかに進行します。認知症が進行すれば、食事や入浴など日常生活の意味がわからなくなります。

人に介護されると恥ずかしい

排せつの介助や、入浴の際に裸を見られると恥ずかしい気持ちが影響する場合があります。とくに、介護に慣れていない人が介護拒否するケースや、異性からの介護を嫌がる傾向があります。

失敗による不安感から

トイレで失敗した経験があると、それがもとで介護拒否する場合があります。尿失禁の経験があれば水分補給を嫌がる、排便で嫌な思いをしたなら特定の食品を食べたがらないなどです。

自分の習慣と合わない

介護が必要だと、自分だけの都合で生活できなくなります。すると、自分の習慣と合わなくなり、介護拒否する場合があるでしょう。例えば、今日は入浴したくない、今は食事をしたくないなどの事情です。

介護拒否の具体例

介護拒否の具体例
介護拒否でよく見られるケースをいくつか紹介します。拒否するのは何か原因があるからですが、介護する側としては大変でしょう。どのようなシーンで介護拒否が発生しやすいのか確認しておいてください。

薬の服用を拒否する

薬を飲みたがらないときは、薬の味や形状に問題があるのかもしれません。本人が上手く問題を説明できないときもあるため、根気よく聞いてみましょう。または、認知機能の低下により、薬を飲む理由がわからない場合もあります。

失敗による不安感から

食事を拒否する理由は、体調が悪く食べたくない、口内炎があるなどの理由です。入れ歯や義歯が合っておらず、食事を嫌がる場合もあるでしょう。または、嚥下障害がおきて飲み込めないときも、食事を拒否することがあります。

着替えを拒否する

誰かに服を脱がされるのに不安があると、着替えを拒否するでしょう。または、自分の好みではない服への着替えも、拒否することがあります。認知機能が低下しているときは、着替えの意味を理解できていないかもしれません。

入浴を拒否する

誰でも恥ずかしい思いから、入浴を拒否しやすいでしょう。入浴拒否はよく見られる行為です。または、認知機能の低下により、入浴の意味を理解できていない場合もあります。

介護拒否のケース毎の対処法

介護拒否
上記で紹介した介護拒否では、それぞれ対処方法があります。少しの工夫で改善できる場合があるため、試してみましょう。

薬の服用を拒否する

薬の苦みが気になるなら、薬を変えることで嫌がらなくなります。または、薬の大きさを変える方法も有効です。嚥下障害があるときは、薬を飲みやすくするゼリー状のものを使うと、飲み込みやすくなります。

食事を拒否する

まずは体調をチェックしてください。口の中の異常がないかも確認しておきましょう。嚥下障害があるときは、飲み込みやすい食事に変えると改善できる場合があります。また、箸などの道具の使い方がわからなければ、簡単に食べられる方法に変えましょう。

着替えを拒否する

不安を解消する言葉をかけると、拒否しなくなる場合があります。着替えるときは一声かけて、同意を得てから手助けしましょう。

入浴を拒否する

異性に裸を見られると恥ずかしがるときは、同性が介助しましょう。家族が一緒に入浴して、楽しい雰囲気にする工夫も有効です。自宅のお風呂が狭いときは、銭湯などを利用するといいでしょう。

介護拒否の対応方法

介護拒否の対応方法
介護拒否があっても、その人の気持ちを尊重することが大切です。拒否するのは理由があってのことだからです。

話をきちんと聞く

嫌がる理由をしっかり聞いてあげれば、対処しやすくなるでしょう。必要な介助であっても強制せず、嫌がる理由を聞くようにしてください。

事前に説明する

何をされるのか不安な場合は、きちんと説明しましょう。前回説明しても、本人は忘れている可能性があるため、その場合は毎回説明してください。理由がわかれば、介護拒否が少なくなる可能性があります。

相手の価値観を尊重する

誰でも自分なりの価値観があり、自分のやり方と異なる方法だと拒否しやすくなります。介助する側の都合で押し付けないで、本人の意見を聞くようにしましょう。希望があれば介助の方法を変えるようにしてください。

介護拒否について

介護拒否
介護は誰でも慣れていないため、拒否したい気持ちが出てくるものです。信頼関係が築けていなければ、何が嫌でどうして欲しいか話してくれないでしょう。家族が介護する場合でも、無理やりやろうとして拒否する場合もあります。介護拒否がある場合は、紹介した対処法を試してみてください。家族の介護で問題が発生しているなら、介護の専門家にお願いする方法もあります。焦らず少しずつ対策しながら、生活の質を改善していきましょう。

増田 高茂
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者
多くの介護事業所の管理者を歴任。小規模多機能・夜間対応型訪問介護などの立ち上げに携わり、特定施設やサ高住の施設長も務めた。社会保険労務士試験にも合格し、介護保険をはじめ社会保険全般に専門知識を有する。現在は、介護保険のコンプライアンス部門の責任者として、活躍中。