2021.12.15

人生100年時代|健康でいるために選ぶべき食品とは

最終更新日:2021.12.15
増田 高茂
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者

日本人の寿命は世界的に見ても長いといわれています。人生100年時代に突入し、今後はますます多くの方がライフコースの見直しを迫られることとなるでしょう。今後、90歳や100歳まで生きるのは当たり前、もしかするとそれ以上長生きする方が出てくるかもしれません。そこで、本記事では人生100年時代を健康に生きるため、どのような食生活を送るべきなのかについて解説します。

偏った食べ方をしないこと

健康的な食べ方

あなたの食生活は偏っていませんか?そのようなことはない、と自分では思っていても、実は偏った食生活になっている可能性があります。情報過多の現代では、さまざまな情報を入手できます。チョコレートのポリフェノールがいい、朝バナナがいい、といった情報が簡単に入手でき、それを食生活の参考にしている方もいるでしょう。しかし、体によいものだからといって、そればかり食べ続けて健康になれるわけではありません。健康な生活の維持には、バランスのとれた食事が大切です。偏った食生活が続くと、貧血や肥満、糖尿病、心疾患などさまざまな病気を招くおそれがあります。健康によいものを食べるのはもちろん大切ですが、トータルでのバランスがより重要なのです。

包括的に食品を食べること

健康的な食品

「健康によい」と聞くと、ついそればかり食べてしまいますよね。ただ、先述した通り、偏りのある食生活は病気のリスクを高めるため注意が必要です。人生100年時代を健康に生き抜くには、包括的に食品を食べることが何より大事なことです。つまり、いくつかの食品にこだわらず、広く何でも食べることが健康のために大切なのです。以下、具体的な方法についてまとめました。

食品の数を見直す

さまざまな食品を口にすることで、いろいろな栄養を摂れます。そのため、まずはいつもの食卓に並んでいる食品の数を見直してみましょう。「具体的にどのようなものを口にすればいいのかわからない」といった方は、次のフレーズを覚えてください。「さあ、にぎやかにいただく」これは、栄養バランスのとれた食事を実現するため、ある団体が考案した合言葉です。以下、文字ごとに何を指すのかまとめました。

さ 魚
あ 油
に 肉
ぎ 牛乳・乳製品
や 野菜
か 海藻
い いも
た 卵
だ 大豆
く 果物

食事を用意するにあたり、「さあ、にぎやかにいただく」を覚えておくと、栄養バランスのとれた食事を摂れます。炭水化物やタンパク質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく摂れ、栄養が偏る心配もありません。

食品の栄養量を見直す

さまざまな食品を口にしても、摂取すべき栄養量が足りない可能性もあります。そのため、食品の数だけでなく栄養量についても考慮しなくてはなりません。たとえば、食卓に肉じゃがが並んだとしても、これだけでは十分な炭水化物やタンパク質を摂れない可能性があります。味噌汁の具にわかめが入っていても、これだけでは海藻類が足りません。なお、食のバランスについては、農林水産省や厚生労働省が食事バランスガイドを発表しています。1日に何をどれだけ食べればいいのか、わかりやすく示しているため、気になる方はこちらをチェックしてみましょう。

食品イメージの真偽とは

食品イメージの真偽

長生きしたいのなら肉をたくさん食べるべき、炭水化物を控えるべき、といったイメージがありますよね。しかし、これらのイメージの真偽ははたしてどうなのでしょうか。以下、肉類や炭水化物、野菜に関する食品イメージの真偽をまとめました。

肉類

肉類には脂身が含まれるため、たくさん食べるとコレステロールが上がり体に悪い、といったイメージがあるかもしれません。コレステロールが増えすぎると、動脈硬化が進み心筋梗塞や狭心症などを引き起こす原因にもなります。しかし、少なすぎると脳内にある細い血管の壁が脆弱になり、血圧から脳出血へいたるおそれがあるのです。また、肉類には体を作るもととなるタンパク質がたくさん含まれるため、摂取量が少なすぎると筋肉量を減らしてしまうおそれもあります。

炭水化物

炭水化物を食べ過ぎると太る、といったイメージがあります。炭水化物とは、糖質と食物繊維の総称です。たしかに、糖質を必要以上に摂り過ぎてしまうと肥満の原因となり、生活習慣病のもとにもなってしまいます。一方、炭水化物は人間の体を動かすために必要なエネルギー源です。そのため、少なすぎると頭が回らなくなる、疲れやすくなるといった症状が生じます。疲労感が出たり集中力が減少してしまい、日常生活に支障をきたすおそれもあるため、注意が必要です。

野菜

野菜は健康によいイメージがあります。カロリーが少なくヘルシーであるため、ダイエット中の食品としても人気です。イメージ通り、野菜は低カロリーかつ栄養価が高く、健康増進には欠かせない食品といえるでしょう。ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素を豊富に含んでおり、炭水化物を体内でエネルギーに替える役割もはたしています。ただ、野菜でもアボカドに代表されるような高カロリー食品もあるため、そこは注意が必要です。また、腎臓に疾患がある方では、カリウムをしっかり体外へ排出できないおそれがあるため、注意しましょう。

朝昼晩の栄養バランスとは

栄養バランス

理想的な食事の量やバランスは、人によって異なります。そのため、ここで一概にはいえません。年齢や1日における運動量、個々の基礎代謝などによって必要な食事量やバランスは変化するからです。基本的には3食きちんと食べ、活動量が多くなる朝や昼は多めに、夕食はやや少なめにといったバランスで考えるとよいでしょう。なお、1日の食事をチェックしたいのなら、以下のサイトがおすすめです。性別や年齢を選択するだけで、1食分、もしくは1日の食事についてチェックができます。ぜひ活用してください。
あなたにとっての適量を調べてみよう!|食の栄養バランスチェック|明治の食育|株式会社 明治 – Meiji Co., Ltd.

健康寿命を長くするためにできること

人生100年時代

人生100年時代といわれる現代において、何をどれだけ食べるかは健康のために大切なことです。どれほど長く生きられても、健康でなく寝たきりで日々を過ごすのは嫌なものですよね。人が健康を保つうえで大切なのは、食事と運動だといわれています。栄養バランスのとれた食事をきちんと摂り、日々の生活へ適度な運動も取り入れてみましょう。本記事でもお伝えしたように、健康によいからと1~2つのものばかりを食べ続けるのはおすすめできません。偏った食事はさまざまな疾患の原因になりかねないからです。農林水産省や厚生労働省の食事バランスガイドや、本記事でご紹介したサイトも参考に、健康的な食生活に役立ててください。

増田 高茂
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者

多くの介護事業所の管理者を歴任。小規模多機能・夜間対応型訪問介護などの立ち上げに携わり、特定施設やサ高住の施設長も務めた。社会保険労務士試験にも合格し、介護保険をはじめ社会保険全般に専門知識を有する。現在は、介護保険のコンプライアンス部門の責任者として、活躍中。