2021.12.20

訪問介護の介護ヘルパーを利用するまでの流れとは

最終更新日:2021.12.20
増田 高茂
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者

介護サービスひとつに、訪問介護があります。介護ヘルパーが自宅へ足を運び、さまざまな介護サービスを受けられることが特徴です。本記事では、今後介護ヘルパーを利用する方かも知れない方を対象に、介護ヘルパーの概要や利用の流れをご紹介します。自宅で家族の介護をしている方、もしくは今後自身に介護が必要になると考えている方は、ぜひ最後まで目を通してください。

介護ヘルパーとは

介護ヘルパー

介護ヘルパーは、ホームヘルパーや訪問介護員とも呼ばれます。介護に携わる職種のひとつであり、介護を求める方の自宅へ足を運びサービスを提供します。介護ヘルパーの仕事内容はさまざまですが、大きくわければ身体介護と生活援助、通院介助の3つです。身体介護には、食事や排泄、入浴などの介助、食事の用意などが含まれます。生活援助は、要介護者の身の回りの世話をします。掃除や洗濯などの家事をはじめ、病院や薬局での薬の受け取りなども該当します。通院介助は、サービスの利用者が通院するとき一緒に付き添い、さまざまな手続きも行います。介護ヘルパーは、介護のプロフェッショナルとして利用者を支えるのはもちろん、自立支援を行うことも役割です。専門スタッフのサポートにより、本人が工夫しながら社会生活を送れるよう、手助けしてあげるのです。

介護ヘルパーを利用するまでの流れ

介護ヘルパー

介護ヘルパーを一度も利用したことがない方にとって、どのような手続きを行えばよいのかはまったくわからないでしょう。大まかな流れとしては、役所での相談と申請、審査、通知が届く、ケアマネージャーと契約、サービス事業者との契約といった流れです。詳しく見ていきましょう。

市町村の役場で相談・申請する

まずは、市町村の役所で相談をしてみましょう。役所によって相談や申請の窓口は異なりますが、一般的には介護保険の担当窓口で対応してくれます。なお、介護ヘルパーを利用するには、要支援や要介護の認定が必要です。そのため、サービスを利用したいのなら、窓口で申請もしなくてはなりません。申請に必要なのは、介護保険要介護認定申請書と介護保険被保険者証、印鑑などです。申請書は役所の公式ホームページからダウンロードできるほか、窓口でももらえます。申請書へ記載する内容は、申請日や被保険者情報、主治医の名前、病院名、住所、電話番号などです。ほかにも、入院の有無や認定調査のための情報、調査当日の同席者について、その他伝えたいことを記載します。

認定調査を受ける

要支援もしくは要介護の認定を受ける基準に満たしているか、審査が行われます。一般的には市区町村の職員が、申請者の自宅へ訪問して行いますが、ケアマネージャーが行うこともあります。認定調査では、本人や家族に対しヒアリングが行われます。認定調査員は、基本調査と概況調査からなる認定調査表を用いて聞きとりを行います。質問される内容は、本人の身体面、認知面の状態がメインです。また、家族に対しては、本人が普段どのような生活を送っているのか、どのような介護をしているのかといった内容が聞かれます。調査は30~60分程度で終わりますが、あらかじめ質問される内容を把握し、答えを用意しておけばよりスムーズに進むでしょう。

要介護認定通知が届く

審査が終わり、無事認定されると要介護認定通知書が届きます。原則30日以内に通知が届き、文書には認定された介護度が記載されています。要介護度による認定の目安は、要介護1が日常生活はほぼできるものの、見守りが望ましい方が該当します。要介護2は食事や排泄において介助が必要、要介護3は生活のあらゆる場面で見守りおよび介助が必要、要介護4は日常生活がほぼできず介助を要する、要介護5は生活動作すべてにおいて介助を要します。要介護1の支給限度額は167,650円、要介護2は197,050円、要介護3は270,480円、要介護4は309,380円、要介護5は362,170円です。

ケアマネジャーを選んで契約する

ケアマネージャーとは、介護に関するスペシャリストです。利用者や家族が納得いくサービスを受けられるよう、ケアプランの作成をはじめトータルでのマネジメントを行います。ケアプランは本人や家族でも作成できますが、介護の知識がほとんどない素人では困難です。専門知識が必要であるため、ケアマネージャーに任せたほうが無難でしょう。ケアマネージャーを探すには、サービスの利用者が居住している地域を管轄している、地域包括支援センターで相談してください。窓口で相談すれば、連絡先を教えてもらえるため、その中から選んでアポイントをとります。ケアマネージャーを選ぶときは、看護師やヘルパーなどの有資格者か、介護や介護保険以外の知識が豊富かどうかをチェックしましょう。

ケアプランを作成する

ケアプランとは、個々にマッチした介護サービスが受けられるよう作成する計画書です。介護サービスは、このケアプランに沿って行われます。先述した通り、ケアプランは本人や家族でも作成できますが、基本的にはプロであるケアマネジャーに依頼します。ケアマネジャーは、利用者や家族にアセスメントを行い、問題を抽出したうえでケアプランの作成を行います。ケアプランの原案が完成したら、きちんと要望に沿った内容になっているか、確認しましょう。

サービス事業者と契約する

介護サービスを受けるにあたり、前もって契約を交わさなくてはなりません。契約の締結により、初めてサービスを受けられるようになるのです。契約書にはさまざまな内容が記載されていますが、きちんと確認を行いましょう。契約の目的となるサービスや契約を交わした者の氏名、指定事業者である旨が記載されているかなどを確認してください。また、契約期間やサービス内容、自己負担金、解約に関すること、損害賠償について記載されているか確認しましょう。契約書に記載されている内容がよくわからない、といったケースでは、地域包括支援センターやケアマネジャーへ相談するのもひとつの手です。

介護ヘルパーを活用しよう

介護ヘルパー

介護ヘルパーを利用すれば、要介護者は自立支援を見据えたさまざまな介助サービスが受けられます。日常生活における不便さを解消し、生活の質も向上させられるでしょう。介護ヘルパーの利用は、介護が必要な方だけでなく、介護者や家族にもメリットがあります。介護の負担を軽減でき、自分の時間をもてるのは大きなメリットではないでしょうか。要介護者と家族、双方の生活の質を向上させるため、この機会に介護ヘルパーの利用を選択肢に加えてみましょう。

増田 高茂
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者
多くの介護事業所の管理者を歴任。小規模多機能・夜間対応型訪問介護などの立ち上げに携わり、特定施設やサ高住の施設長も務めた。社会保険労務士試験にも合格し、介護保険をはじめ社会保険全般に専門知識を有する。現在は、介護保険のコンプライアンス部門の責任者として、活躍中。