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夜ぐっすり、睡眠の質を高める秘訣
仕事で失敗した・明日プレゼンがあり緊張する・家族の世話が大変など、心配や緊張があると眠れなくなりがちです。生活習慣が乱れても眠くなるタイミングがずれてしまい、夜になっても眠れないことがあります。睡眠不足にならないためにも、夜ぐっすり眠れるよう日頃から行うと良い、睡眠の質を高める方法を紹介します。
短時間の仮眠を取る
午後14時頃になると眠気が襲い、仕事の効率が下がると感じがちです。これは人の体のメカニズムであり、異常ではありません。眠気を感じた12~15時の間に短時間の仮眠をとると、夜質の高い睡眠になるといわれます。眠る時間の長さに注意が必要で、20分程度の仮眠がポイントです。すると認知力や集中力がアップし、夜の睡眠の質だけでなく日中の作業効率も高まります。効果的な仮眠のとり方は、暗めの場所を選び横にならず座ったままで、波や雨など自然の音を用意し聞きながら目をとじます。スマホアプリで好みの自然音を用意する方法も便利です。アラームをセットしてから寝ると寝すぎ防止に役立ち、寝る前にコーヒーなどでカフェインをとっておくと起きる時間頃に覚醒効果が現れ始めるためすっきり目覚めます。
細切れ睡眠は見直す
短時間の昼寝と違い、日中あらゆる時間帯に少しずつ眠る細切れ睡眠は夜の睡眠の質低下を招く恐れがあります。例えば電車に乗っている間やソファに座って休憩などで、うとうとして眠ってしまうときです。ほんの少しの睡眠でもくり返すと夜の眠りが浅くなります。細切れ睡眠は睡眠圧という、夜ぐっすり眠るための力を少しずつ削るため、いざ眠りたくてもよく眠れない状態が起きます。朝起きてからずっと仕事や家事などで動き続け、夕方から夜になりひと息ついた瞬間眠ってしまうと、朝からため続けた睡眠圧がそこで解放されます。その結果、夜の睡眠圧は小さくなり深く眠れず、翌朝あまり寝た気がしない状態になります。仮眠は16時までに終了し、意識して夜まで起き続けることがおすすめです。
睡眠時間制限法
睡眠時間制限法とは、1日の睡眠時間を制限して眠りにくさに対する意識を過剰にさせない治療法です。睡眠時間は短いものの質の高い睡眠に改善することが目的です。長時間ベッドで横になることを断つために、寝床にいる時間を平均睡眠時間プラス30分で決めます。朝起きる時間を決めたあと、寝床にいる時間を使って逆算し寝る時間を決めます。自分の睡眠時間を知るには睡眠日誌をつけると分かりやすく、用紙はインターネットから簡単に入手できます。寝床にいたが起きていた・寝ていた・強い眠気を感じたなどそれぞれの時間を1日ごとに記録し、2~3週間ほど続けると睡眠の傾向がわかります。睡眠日誌のデータを元に睡眠時間を割り出して、睡眠時間制限法を行います。
週末の寝だめはしない
平日が多忙で睡眠不足になると、週末に長時間寝る寝だめをする人もいます。長時間眠れば疲労回復した気になるものの、時差ぼけのような疲れやだるさを感じやすくなります。体内時計はいくら体が疲れていても一定のリズムで体を動かすため、起床時間が突然遅くなるとリズムが崩れ体内時計が乱れてしまいます。週末に寝だめをすると日曜の夜になかなか寝つけなくなり、夜更かしした結果月曜の朝起きづらくなります。睡眠時間を増やしたい場合、平日より寝る時間を1~2時間早めて起きる時間は1~2時間遅くする方法が、体内時計を狂わせにくい眠り方です。睡眠を蓄積する力はなく、休日を寝て過ごしても翌週の睡眠時間にはあてられません。平日は我慢していたお酒を休日にたくさん飲む行為も質の高い睡眠の妨げになるため、よく寝る目的での寝酒は避けましょう。
感謝の言葉で脳波を整える
脳は暗示にかかりやすく、科学的な言い方をすると言葉には脳を変える働きがあります。医学的にはプラシーボ効果があり、実は成分が含まれていないにも関わらず「この薬は効く」と伝えて与えるとそのような効果が見られる現象です。暗示を使って寝つきを良くするには、休憩や穏やかなどリラックスに関係する言葉を口にしましょう。ポジティブな考え方になれる言葉を用いると、気分が前向きになり気持ち良く眠れるでしょう。例えば、今日はよく頑張った・力を抜いてリラックス・褒められて嬉しかったなど、自分に声掛けをします。寝る前だけでなく日中も前向きな言葉を口にすると、脳がポジティブ思考になり心身へ良い影響が期待できます。自分を癒し褒めるだけでなく、周りに感謝する言葉もおすすめです。感謝の気持ちを持つと脳波はα波になり、リラックスして集中力の高い状態になります。そのためふだんから感謝の気持ちを言葉に表していると自然とリラックスでき、睡眠の質を高める役に立ちます。寝る前に今日1日関わった人に感謝の気持ちを持ち、ありがとうとつぶやけば質の高い睡眠を期待できます。
横向きで寝る
横向き寝は舌が落ちにくく呼吸がしやすいため、いびきをあまりかかない姿勢です。横向き以外の寝方をするといびきをかく、血流が悪くなる場合もあります。いびきは気持ちよさそうに眠っていると思う人もいますが、実は長時間睡眠をとっても本人はあまり寝た気がしません。実際日中に眠気に襲われる場合があり、ぐっすり眠るには横向き寝によるいびきの軽減がおすすめです。いびきは気道が狭くなって起きますが横向き寝はその心配が少なく、いびきをあまりかかなくなります。横向き寝は首や背骨が曲がりやすいですが、高さの合う枕や抱き枕を利用して姿勢を整えると、肩こりや腰痛予防につながります。
睡眠は時間と質を大切にしよう
なかなか眠れないときは、手軽に取り組める習慣を今日から始めて睡眠の質を高めましょう。仮眠は12~15時の間に20分だけにし、ぐっと深く眠ってすっきり目覚めると集中力が高まり、作業効率アップのメリットがあります。夕方以降の短時間睡眠は効率を上げないだけでなく、夜の睡眠の質に影響を及ぼします。眠くなっても夕方以降はうとうとしないよう気をつけて、夜深く眠りましょう。もし平日睡眠不足で疲れがたまっても、休日丸一日寝る過ごし方は避けた方が良質な睡眠がとれます。どうしてもゆっくり眠りたい場合は、寝る時間を早めて起きる時間も少し延ばしましょう。眠の質を上げるために、脳がリラックス状態になる感謝の言葉を使う、寝る時は横向きにするなどもおすすめです。
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看護師資格修得後、病棟勤務・透析クリニック・精神科で『患者さん一人ひとりに寄り添う看護』の実践を心掛けてきた。また看護師長の経験を活かし現在はナーススーパーバイザーとして看護師からの相談や調整などの看護管理に取り組んでいる。