2022.01.17

睡眠障害でお悩みの方へ|睡眠障害の種類や原因、症状について解説

最終更新日:2022.04.27
東海林 さおり
看護師

睡眠障害とは

睡眠障害とは

睡眠障害とは、不眠症・過眠症・ナルコレプシー・睡眠時無呼吸症候群・致死性家族性不眠症・ノンレムパラソムニア(睡眠時随伴症)などがあります。どの病気も日常生活に支障をきたすもので、日本人の5人に1人、60歳以上では3人に1人が睡眠障害を抱えるといわれます。睡眠障害に含まれる病気について解説するため、思い当たる症状がないかチェックしましょう。気になる症状と病気があれば、早めの受診をおすすめします。

9人に1人が不眠症

眠りたくても眠れない経験は多くの人がしますが、たいていは数日から数週間のうちに解消します。しかし1か月以上経っても眠れず、それが原因で心身に不調が現れ日常生活に支障をきたすと不眠症にあたります。不眠症入眠障害型睡眠維持障害型の2タイプに分かれ、入眠障害型はベッドへ入っても30分から1時間以上寝つけず苦痛を感じる症状です。不眠症を訴える人の中で最も多い症状で、心配事や緊張すると起きやすくなります。

睡眠維持障害型は中途覚醒と早朝覚醒があり、中途覚醒は寝ている間に何度も目が覚め眠れなくなる状態です。加齢と共に起きやすい症状で、中高年や高齢者に多く起きます。

早朝覚醒は自分が起きたい時間より2時間以上早く目が覚める状態をいいます。加齢により体内時計が前にずれやすいことが原因で、早寝早起きの傾向があります。うつ病の人も早朝覚醒が見られやすいです。

特発性過眠症

慢性的な睡眠不足ではないにも関わらず日中強い眠気に襲われて居眠りし、日常生活に支障をきたす病気が特発性過眠症です。夜10時間以上の睡眠をとるタイプと睡眠時間は通常のタイプがあります。居眠りは1時間以上するものの、起きたときすっきりしないことも特徴です。原因の特定は難しくはっきりしていないため特発性と呼ばれますが、睡眠と覚醒に関する遺伝子との関係が考えられています。治療は薬物療法と十分な睡眠時間の確保で、生活習慣を改善し睡眠時間をきちんととることで眠気が軽くなる場合もあります。そのためには自分や家族だけでなく、職場や学校など周りの協力が欠かせません。特発性過眠症のように眠れない症状は反復性過眠症もあり、寝すぎの時期と正常の睡眠の時期をくり返す状態です。

ナルコレプシー

ナルコレプシーとは時と場所を選ばず突然強い眠気に襲われる症状で、1日に何度も居眠りをする病気です。夜十分睡眠をとっても車の運転のような危険が伴う行為の間でも突然寝るため、病院での治療が必要です。ナルコレプシーの原因は脳内で覚醒を維持するために必要なオレキシンをつくる神経細胞が機能しなくなることと分かってきました。治療には睡眠ポリグラフ検査・反復睡眠潜時検査をするほか、病気の既往歴や生活習慣の聞き取り、血液検査などもします。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている間に何度も呼吸が止まる、または浅くなるなどして体が低酸素状態になる病気です。症状は、周りからいびきをよく指摘される・睡眠中苦しくて目が覚める・起きたとき頭痛やだるさがある・日中眠気を感じるなどです。あてはまるものがあれば、睡眠時無呼吸症候群かもしれません。細かく分けて閉塞型は口や肺、声帯の空気の通り道が細くなって起き、中枢型は呼吸を調整する脳の働きが弱まって起きます。睡眠時無呼吸症候群の多くは閉塞型で、閉塞型の原因のひとつに肥満があります。健康的な体型の人は睡眠中にのどの筋肉が緩んでも空気の通り道が細くなるだけで、呼吸が止まるまでにはなりません。しかし肥満があると、脂肪が沈んで空気の通りが悪くなり症状が現れやすくなります。睡眠時無呼吸症候群か確かめるには、日中の眠気の検査・睡眠障害の検査・口腔内のチェック・合併症検査を行います。治療には経鼻的気道持続陽圧療法(CPAP療法)が最も重要といわれます。鼻にマスクをつけて特殊な機械を使い、圧力をかけて空気を送る方法です。肺に流れる空気がスムーズになり、呼吸の停止がなくなります。

致死性家族性不眠症

致死性家族性不眠症は脳に異常なタンパク質がたまり、脳神経細胞の働きが疎外され脳に海綿状の変化が現れます。遺伝によって発症する病気でプリオン蛋白遺伝子の178番のコドンに異常があります。しかしその遺伝子異常があっても発症しない人もおり、遺伝子に関する正確な内容はまだわかっていません。致死性家族性不眠症は、症状により3期にわかれます。第1期は眠れない・夜興奮状態になる他に、幻覚・記憶力低下・体温上昇・多汗・脈拍上昇・抑うつ傾向・物忘れなどがあります。次第に第2期に入ると認知症が顕著になってけいれんが現れ、1年前後で意識がなくなって寝たきりになるといわれます。治療方法はまだ確立されておらず、第3期は発症後1~2年ほどで全身衰弱し肺炎などで死亡する可能性が高いといわれます。

ノンレムパラソムニア(睡眠時随伴症)

ノンレムパラソムニアは、ノンレム睡眠から目をさますまでの間に起きやすい症状で、5~12歳に多いです。夢遊病・寝ぼけ・夜尿症・夜驚症などの症状があり、成長とともに自然に治癒します。睡眠時遊行症は寝ている間に本人の自覚がないまま、無意識の状態で歩き回る現象です。思春期頃から青年期にかけて多く見られ、深い眠りについた状態で起きます。睡眠不足や目が冴える行動により睡眠時遊行症は起きやすくなるため、寝る前にコーヒーを飲む・運動する・興奮する内容のテレビ番組を見るなどは避けましょう。特に治療は必要なく、生活習慣の改善や寝る場所のチェックで遊行の頻度を下げられます。睡眠の質を上げる対策をとる・寝室や隣り合う廊下の明かりをつけておく・ベッドから出るとアラームが鳴るようセットするなどの準備をすると、遊行によるけが防止に役立ちます。

睡眠専門医に相談しよう

睡眠障害とは

眠りたいものの眠れない、知らないうちにうたた寝しているなど、睡眠に関する心配があれば早めに睡眠専門医に相談しましょう。不眠症の定義は眠れない状態が1か月以上続くことで、思い当たる人は医師の診察を受けて原因にあった治療をおすすめします。眠れない状態がいつの間にか普通になり、昼間うたた寝すれば大丈夫と思ってしまうと病気を見逃す可能性があります。健康的な毎日を送るためにも、睡眠について異常を感じたときは専門医の診察を受けると安心です。

東海林 さおり
看護師
看護師資格修得後、病棟勤務・透析クリニック・精神科で『患者さん一人ひとりに寄り添う看護』の実践を心掛けてきた。また看護師長の経験を活かし現在はナーススーパーバイザーとして看護師からの相談や調整などの看護管理に取り組んでいる。