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睡眠の質を高める方法・習慣とは
寝てもあまり寝た気がしない人や睡眠不足を解消したい人は、日頃の生活の中に睡眠の質を高める方法を取り入れましょう。手軽に始められるマッサージ方法や気をつけるポイントを紹介するので、できそうなものから行ってみてください。普段の生活を見直し、質の高い睡眠を導くよう過ごし方を改善しましょう。
頭蓋マッサージを行う
正しく本格的な頭蓋マッサージは、解剖学の知識を持つ専門家の施術を受けることをおすすめします。ここでは自分で手軽に行える頭皮のマッサージを紹介します。試しに頭皮に手をあてて円を描くように動かしたとき、頭皮が動きづらく弾力がないと感じる場合は頭皮の血行がとどこおっています。頭皮をやわらかくし血行を改善することで睡眠の質を高めることができます。両手の指を開いて頭の両側から頭皮に指の腹で触れ、下から上方向に頭皮を動かしながら頭全体を数回押すようにほぐします。次に左右の耳の上あたりへ親指の腹をあて、絵の描くように押し回して数回ほぐしましょう。そのあと頭頂部くぼみ部分を息を吐きながら数回ほぐし、最後に首の後ろから額上まで全体の髪の生え際を押しほぐします。
眼精疲労には蒸しタオル
仕事でパソコンやスマホを使い、プライベートでもデジタル機器を使っていると、画面を見る時間が長くなり眼精疲労がたまります。目がしょぼしょぼして見づらい、眼精疲労が原因で頭痛や肩こりが起きる場合もあります。眼精疲労を感じたときは、蒸しタオルを目とその周りにあてて温めましょう。目の周りには交感神経と副交感神経の入れ替わるスイッチがあるため、温めると副交感神経が優位になり心身のリラックスにつながります。興奮が治まり落ち着いた状態は深く眠りやすく、質の高い睡眠を導きます。目に当てる蒸しタオルをつくるには、ハンドタオルを水で濡らし電子レンジ500Wで1分間温めます。取り出すとき熱いと感じれば広げて少し冷ましてから、たたんでまぶたの上に10分ほど置きましょう。蒸しタオル以外に市販のホットアイマスクを使う方法もあり、持ち運びが便利で出張先のホテルなどでも目と目の周りを温めて質の高い睡眠がとれます。
眼精疲労のツボ押し
眼精疲労を改善するツボは目の周りにあり、少し痛いけれど気持ちがいいと感じる程度の強さで押しましょう。ツボ押しは3秒かけて行い、3秒かけてゆっくりと離します。目の周りのこりをほぐして血行を改善するだけでなく、全身の疲労回復にも役立ちます。
眼精疲労改善のツボはいくつかあり、ツボの刺激の仕方を紹介します。左右の眼頭からやや鼻寄りのくぼみの部分にある晴明、眉の中央より少ししたにある魚腰(ぎょよう)は、親指の腹をあてて押しながら小さく円を描きます。目尻から指1本分外側にある瞳子リョウ(どうしりょう)は中指を使って同じように刺激します。こめかみから目尻に向かう途中の少しくぼんだ部分にある太陽は、中指の腹で刺激しましょう。
口角を上げると幸せホルモンが分泌する
感情を表すとき顔の筋肉を動かしますが、顔の筋肉は脳内の感情中枢と連携しています。笑ったときはエンドルフィンという気分の高揚や幸福感を得られる物質が分泌されます。そのため、笑顔をつくると笑いたい場面でなくても筋肉が刺激され、気持ちが穏やかになり幸せな気持ちになれるといいます。エンドルフィンを放出を促す方法はランニングなどもありますが、忙しくて疲れた日にはランニングは辛いと感じがちです。ただ口角を上げるだけなら、休憩しながら、時には仕事をしながらでも行えるため手軽でおすすめです。
三呼一吸法でセロトニンが分泌する
三呼一吸法は簡単にいうと3回吐いて1回吸う、腹式呼吸による呼吸法です。詳しくは、吐くときは鼻から短く瞬発的に2回吐き、3回目で長く息を吐き切ります。その後鼻から大きく1回吸う呼吸で、息を吐くときはおへその下にある丹田がややへこむように意識しましょう。腹式呼吸は行うたびに横隔膜が動くため、血行が良くなり全身の循環が良くなります。座禅のような働きもあるといわれ、くり返すとセロトニンが分泌され自律神経のバランスが整って心の安定にも役立ちます。気持ちが安定し穏やかな状態で夜を迎えると、質の高い睡眠になり、疲労回復などのメリットを十分得られます。
ゆっくりした呼吸で気持ちを安定させる
副交感神経が優位の状態では、呼吸が深くゆっくりになります。意識してゆっくりと深い呼吸を行うと副交感神経が優位に立ち、リラックス状態をつくります。寝る前にリラックスすることで深く眠りやすくなり、質の高い睡眠を導きます。感情が乱れ、呼吸も乱れている際には、呼吸に合わせて呼吸に使う筋肉のストレッチをしましょう。深い呼吸をしやすくなり落ち着くことができるのでおすすめです。やり方は、立った状態で息をゆっくり吐きながら両腕と肩を前へ向かって丸めましょう。伸ばした腕の手の甲同士が触れるように内側へひねり、息を全て吐き終えたあと鼻から吸います。両腕を開き丸めた肩や首も元通りに伸ばしながら行います。このとき自然にお腹がふくらむ意識を持って行いましょう。
イビキを解消する
イビキは風邪や飲みすぎ、たまった疲れなど、一時的に気道が狭くなり取り込める空気量が減って口呼吸をすると発生しやすい現象です。慢性的なイビキは、肥満で喉についた脂肪の圧迫、アレルギーで鼻粘膜に炎症が起き鼻呼吸がしづらくなったために口呼吸することが原因で起きます。イビキをかくと眠りが浅くなり、長時間寝ても疲労が十分取れず睡眠不足になりがちです。イビキを解消するには、慢性的な原因を解決しましょう。肥満は食事内容を初め生活習慣の改善が必要で、1日3食規則正しく食べ、主食・主菜・副菜をそろえた栄養バランスの良いメニューを心がけます。アレルギーも病院で相談し治療して、口呼吸を改善しイビキを解消しましょう。睡眠の質向上だけでなく顔のゆがみを防ぐなどのメリットがあります。
日ごろから意識して生活しよう
睡眠不足が続いている、寝てもあまり疲れが取れないと感じるときは、ここで紹介した日常生活改善のポイントを試しましょう。寝る前などにゆっくりと時間をかけて行う方法から、仕事中にも取り組める方法までありできることからチャレンジしてください。気持ち良さを感じる方法も多く、続けやすいはずです。イビキをかいているかは自分では気づきにくく、家族やパートナーに聞いた方がわかりやすいです。肥満やアレルギー、イビキの改善は自分の力だけでは難しい場合もあります。その場合は早めに専門医の診察を受けましょう。
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看護師資格修得後、病棟勤務・透析クリニック・精神科で『患者さん一人ひとりに寄り添う看護』の実践を心掛けてきた。また看護師長の経験を活かし現在はナーススーパーバイザーとして看護師からの相談や調整などの看護管理に取り組んでいる。