2022.02.14

歯周病とは|歯周病の症状や進行度合いについて解説

最終更新日:2022.02.14
東海林 さおり
看護師

歯周病とは

歯周病とは_歯周病の症状や進行度合い

歯周病とは、歯周病菌による炎症性疾患のことです。30歳以上の8割が歯周病にかかっているともいわれています。歯周病になると、歯茎が腫れて、次第に歯を支える部分を溶かしてしまいます。最初は歯茎の炎症程度で、痛みはほとんどありません。しかし歯周病が進行すると、歯の根元が溶けるため歯を抜かなければなりません。

「歯周病かな?」と思ったら、以下の項目に当てはまるか確認してみましょう。
● 朝に口の中がネバネバする
● 歯を磨くと血が出やすい
● 口臭が気になる
● 歯に食べ物がつまりやすい
● 歯が伸びたように感じる
多くの項目が当てはまる場合は注意が必要です。

歯肉炎

歯肉炎は、歯周病の初期段階のことです。歯磨きをしたちょっとした刺激でも出血しやすくなっています。この段階では、適切な歯磨きや歯医者のケアで、歯周病の予防ができます。歯茎が腫れてしまう原因は、歯垢の中にある細菌が出す毒素や酵素の影響からです。よく見ると歯茎が赤く腫れているのがわかるでしょう。まだ歯周ポケットと呼ばれる深い溝はできていません。

歯周炎

歯肉炎が進行すると、歯周炎になります。炎症が進み、歯と歯茎の間には歯周ポケットができている状態です。歯周ポケットができているのは、歯の骨が溶けているからです。隙間ができると、自分で歯磨きをしても磨き残ししやすいでしょう。自分だけのケアが難しくなり、歯医者での定期的なケアが必要です。歯周炎が進行すると歯の骨がどんどん溶けていき、歯がグラグラするため適切にケアしましょう。

歯周ポケットの測定と進行度

歯周病とは_歯周病の症状や進行度合い

歯医者で歯周病ケアをしてもらうと、歯周ポケットの測定があります。溝の深さが3~4mmまでは軽度、それ以上になると重度になります。自分の歯はどんな状況なのか、歯周病の進行状況の症状と照らし合わせてください。歯周病の進行状況は、歯茎の腫れや出血などでも判断できます。鏡で見て自分の歯茎に腫れがないか、歯磨きで出血がないか調べてみましょう。歯茎が赤くブヨブヨとしている状態は、腫れています。丁寧に歯磨きをして歯肉炎が改善されると、歯茎はピンク色に変わり、引き締まります。

歯周病の進行度合い

歯周病とは_歯周病の症状や進行度合い

歯周病の進行度合いは、4つに分けられています。最初は歯肉炎から始まり、歯周炎へと進行していくのが特徴です。また、歯周炎は進行度合いにより3つに分けられています。

Ⅰ期 歯肉炎

磨き残した歯垢があると、歯肉に炎症がおきてきます。Ⅰ期はまだ歯肉の腫れのみで、歯磨きの際に出血しやすくなります。歯を支える骨は溶けておらず、歯がグラグラすることはありません。歯肉炎になると、歯茎がブヨブヨとしてきて赤くなります。炎症がおきるのは磨き残した歯垢が原因のため、適切な歯磨きで歯周病予防ができます。

Ⅱ期 歯周炎(軽度)

歯周炎にまで進行すると、歯を支える骨が少しずつ溶けてきます。症状は、歯茎の腫れと歯磨きの際の出血です。歯を支える骨が溶けてくると、歯周ポケットが深くなっていきます。歯周ポケットが深くなっていくと、溝に歯垢が入り込み歯石になります。すると自分で歯垢を除去するのが難しくなり、ますます炎症が進むため注意が必要です。溝が深くなっても痛みを伴わないため、進行に気づかない場合があります。とくに歯にかぶせ物をしていると、かぶせ物と歯の間に歯垢が残りやすく注意が必要です。炎症が広がるとかぶせ物と歯の間に隙間が生じやすくなります。だんだんとかぶせ物が合わなくなって、再治療が必要な場合もあります。

Ⅲ期 歯周炎(中度)

歯周炎の症状が中程度になると、歯を支える骨が半分ぐらい溶けています。見た目も変化しており、歯が伸びたような感じや、歯と歯の隙間が広くなります。歯を動かしてみると、グラグラとする部分が出てくるでしょう。症状が進むと、硬いものを噛みにくくなります。ときどき痛みを感じやすくなり、歯茎からは膿が出ることがあります。このまま放置してしまうと、歯が抜けやすくなるでしょう。レントゲンを撮影してみると、歯を支えている土台が少なくなっているのがわかります。

Ⅳ期 歯周炎(重度)

歯を支える土台の骨が3分の2まで減少すると、重度です。グラグラと歯が動くため、しっかり噛むことができません。早急に治療をしないと、歯が抜けてしまうでしょう。歯にかぶせ物をしていると、隙間ができてきます。かぶせ物をしていると歯が長くなったのに気づかず、見過ごされるかもしれません。歯の根元が黒くなっている場合は、根元に歯石が付いている証拠です。

歯周病は生活習慣病のひとつ

歯周病とは_歯周病の症状や進行度合い

歯周病になると、歯の健康を損なうだけでなく、全身にも影響を及ぼします。たとえば、糖尿病・循環器系疾患・脳血管疾患などへの影響です。また、口の中の環境が悪くなると、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。歯周病は、日々の生活習慣の影響があることから、生活習慣病のひとつとされます。発症する原因はさまざまですが、歯磨きの習慣の悪さや、歯並びなどの問題があります。また、喫煙者、ストレスがある人、食生活の影響も考慮しましょう。不規則な食習慣や、甘いものが好きな人は注意が必要です。喫煙習慣は、ニコチンにより血管が収縮しやすく血行不良をまねきます。すると歯の血流不足がおこり、栄養不足になるでしょう。さらにタバコの一酸化炭素により酸欠状態も引き起こすため、歯周病予防のため禁煙がおすすめです。

歯定期的に歯科医へ行こう

歯周病とは_歯周病の症状や進行度合い

歯磨きの際に出血するようになったら、早めに歯医者に行ってください。歯周病が初期の段階であれば、適切なケアで予防することができます。ただし、症状が進み歯の根元が溶けてしまうと、後戻りはできません。歯肉炎の段階は、小中学生のような子どももかかっている人がいます。静かに進行していき、気が付いたころには歯の根元が溶けているかもしれません。歯周病予防で大切なのは、定期的に歯医者に行くことです。正しい歯磨きの指導をしてもらい、自分で取り除けない歯石は歯医者で除去してもらいましょう。定期的な受診は面倒ですが、結果的に全身の健康対策になり、寿命を延ばすため役立ちます。

東海林 さおり
看護師
看護師資格修得後、病棟勤務・透析クリニック・精神科で『患者さん一人ひとりに寄り添う看護』の実践を心掛けてきた。また看護師長の経験を活かし現在はナーススーパーバイザーとして看護師からの相談や調整などの看護管理に取り組んでいる。