2022.02.18

口腔ケアとは|歯周病など、歯のお悩み改善に効果的な治療とは

最終更新日:2022.02.18
東海林 さおり
看護師

口腔ケアに効果的な治療とは

口腔ケア_歯周病など、歯のお悩み改善に効果的な治療

口腔ケアを怠ってしまうと、さまざまな病気を引き起こしてしまうおそれがあります。口腔内の病気といえば、虫歯や歯周病が代表的ですが、そればかりではないことをご存じでしょうか。近年では、歯周病菌がさまざまな病気の原因になることがわかっています。心疾患や脳梗塞、糖尿病の発症リスクを高めるといわれており、場合によっては症状が悪化するともいわれているのです。このようなリスクを回避するためにも、口腔内のコンディションを良好に保たなくてはなりません。日常的なケアとしては、ブラッシングが挙げられますが、必要に応じて治療も受ける必要があります。ここからは、口腔ケアに効果的といわれる治療を、いくつかピックアップして紹介しましょう。

酸素ルーム

近年では、軽度高気圧酸素ルームを完備する歯科医院が増えています。軽度高気圧酸素ルームは、気圧の高気圧下で体内に数倍もの溶解酸素を増やし、全身の細胞を活性化させられる効果があるといわれています。トップアスリートのケガ回復や、美容の増進といった目的で使用されることの多い酸素ルームですが、実は歯周病の治療にも効果的といわれていることをご存じでしょうか。歯周病の原因である歯周病菌は、酸素を苦手としています。細胞の奥深くに潜んでいる歯周病菌を、適切に除去するのは困難ですが、酸素ルームならそれが可能です。高気圧酸素治療によって、酸素を苦手とする歯周病菌にダメージを与え、殺菌する効果が期待できるのです。また、歯周病治療だけでなく、インプラント手術や外科手術後の回復促進にも、酸素ルームは活用されています。

鍼灸

人体には、さまざまなツボが存在することをご存じでしょうか。ツボは、正式には経穴と呼ばれ、刺激を与えることでさまざまな効果を得られるといわれています。現在では、361のツボが世界保健機構によって治療効果があると認められています。そして、ツボの中には歯痛などの痛みも取れる、口腔ケアに効果が期待できるものもあります。たとえば、手の人差し指と親指の骨が合流する箇所にある合谷と呼ばれるツボには、熱を排出する作用があるといわれています。あらゆる症状を緩和するともいわれ、歯の炎症をやわらげる効果が期待できるのです。また、下唇と顎のあいだにある承しょうと呼ばれるツボも、歯茎の腫れをやわらげるといわれています。

栄養素の偏りを改善する食事

人間は、食事によって外部から栄養を体内に取り込みます。さまざまな栄養素を、食事によってしっかりととりこむことこそ、健康体への一歩といっても過言ではありません。口腔ケアにおいても、食事の重要性は指摘されています。偏食によって栄養が偏ってしまうと、歯や歯茎にとってよいとされる成分をとりこめなくなり、歯周病や虫歯を発症してしまうおそれがあるのです。では、口腔ケアを意識した食事とは、どのような内容なのでしょうか。歯周病予防に役立つ栄養素としては、食物繊維が挙げられます。歯周病予防には、咀嚼によりたくさん唾液を出せる食材がよいといわれています。そのため、野菜のような食物繊維をたくさん含む食材が、口腔ケアに役立つといわれているのです。また、カルシウムも歯の健康には欠かせません。カルシウムは、骨のもとになる成分ですが、日本人の多くはカルシウム不足だといわれています。歯の健康にも欠かせない栄養素なので、意識的に摂取しましょう。また、歯茎の健康には、免疫力を高められる食べ物や、乳酸菌などが効果的だといわれています。

ボツリヌス療法

ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌が生成するボツリヌストキシンと呼ばれるたんぱく質を、筋肉に注射する治療法です。筋肉の緊張緩和や痙縮の改善効果があるといわれており、痛みの軽減、関節の変形を予防する効果も期待できます。近年では、歯科医院においても、ボツリヌス療法を採用するところが増えました。歯科医院においては、歯ぎしりや食いしばりの緩和、顎関節症の緩和、歯ぎしりなどが原因で進行する歯周病治療などに用いられています。

口腔内装置「SPP」

口腔内装置SPPは、歯ぎしりや食いしばりに悩まされている方に、適している治療法です。歯ぎしりや食いしばりが、健康に与える影響は決して少なくありません。歯や顎に大きな負担を与えてしまい、歯のすり減りや顎関節症の発症リスクもあります。SPPは、口腔内に使用する治療具の一種で、歯ぎしりや食いしばりなどを、効果的にコントロールできます。上下の歯のあいだにすき間を作ることができ、無意識下における食いしばり、歯ぎしりを予防できるのです。

CPAP(シーパップ)

CPAPは、睡眠時無呼吸症候群の治療に用いられる方法です。日本はもちろん、海外でも広く行われている治療法であり、睡眠時無呼吸症候群を効果的に治療できるといわれています。口腔ケアに用いられる治療法ではありませんが、睡眠時無呼吸症候群は歯周病の原因になることがあります。睡眠時、口呼吸になりやすいため口内が乾きやすく、唾液による自浄作用が期待できないのです。そのため、細菌の活動性を高めてしまい、結果的にプラークが溜まりやすく歯周病を発症してしまうおそれがあります。この治療法においては、専用装置を用いて上気道に空気を送り、上気道が開いた状態をキープします。空気圧を中からかけることにより、舌を押し上げ、無呼吸になってしまうのを防ぐのです。実際の治療においては、就寝中に治療具を装着します。毎日、寝るときに治療具を装着し、そのままで一晩を過ごすのです。治療具を装着して寝るため、眠れないのではないか、といった不安を抱える方もいますが、正しく着用すれば睡眠を妨げられることはほとんどありません。CPAPの改善効果は、早い方なら初めて使った翌朝には感じられるといわれています。一方で、ある程度の期間続けてもなかなか効果を感じられない方がいるのも事実です。このあたりは、個人差があります。

まずは身近な歯科グッズを活用しよう

口腔ケア_歯周病など、歯のお悩み改善に効果的な治療

口腔ケアに効果が期待できる治療法を、ピックアップして紹介しましたが、いかがだったでしょうか。酸素ルームや鍼灸などは、ややハードルが高いと感じる方がいるかもしれません。まずは、気軽に取り組めるケアから、始めてみてはいかがでしょうか。本記事でお伝えした、口腔ケアにつながる食事や、身近な歯科グッズの使用から始めるのがおすすめです。具体的にどのような歯科グッズを使用してよいのかわからないのなら、まずは歯科医院で相談してみましょう。

東海林 さおり
看護師
看護師資格修得後、病棟勤務・透析クリニック・精神科で『患者さん一人ひとりに寄り添う看護』の実践を心掛けてきた。また看護師長の経験を活かし現在はナーススーパーバイザーとして看護師からの相談や調整などの看護管理に取り組んでいる。