2021.09.30

高齢者が食事を食べない、食が細くなっている際の食事について

最終更新日:2021.10.21

高齢者の食事量が減る原因

高齢者が食事を食べない、食が細くなっている際の食事

高齢により食事が減る原因は、いくつかあります。原因として考えられるのは、食べる能力の低下や活動量の減少です。食べられない原因があるため、どのような問題を抱えているのか詳しく紹介します。

歯が悪い等、咀嚼能力の低下

食べる能力の低下として、歯が悪い・咀嚼能力の低下があげられます。高齢者の歯が悪くなる原因としては、虫歯や歯周病などです。とくに注意が必要なのは歯周病のほうでしょう。厚生労働省が発表する「全国抜歯原因調査」の2018年の調査結果によると、虫歯の割合は29%だったのに対し、歯周病は37%でした。歯周病は年齢が上がるほど割合が高くなりやすく注意が必要です。直接的な原因は歯磨きの問題で、毎日歯を正しく磨くようにしましょう。歯磨きだけでは取り除けない歯垢は歯石に変化するため、歯医者さんで定期的に取り除いてもらうと、歯周病予防になります。また、高齢者の食事量が減る原因として、咀嚼力の低下もあるでしょう。咀嚼とは、食べ物を噛む動作のことです。食べ物を噛むだけと思われますが、実際には食べ物を認知して噛み砕き、飲み込んで食道へと送り出す複雑な動作が必要です。高齢の場合は、顎の筋肉量が低下して、長く噛むのが辛くなる場合があるでしょう。

嚥下障害

嚥下障害も、高齢者の食べる量が減る原因のひとつです。咀嚼力の低下とも関係しており、嚥下は食べ物を飲み込むまでの動作を示します。嚥下障害が起こるのは、さまざまな原因が関係します。舌の動き、咀嚼力、唾液量の減少、喉の筋肉量低下などです。嚥下障害がおきている場合は、いろいろなサインが現れるため確認してみましょう。たとえば、汁物が多い食べ物でむせやすくなった、滑舌が悪くなった場合です。汁物でむせやすいのは、食べ物の水分や唾液などが気道に入り込んでしまうためです。また、舌の動きが悪くなると、発音しづらい音が出てきます。嚥下障害が起こる原因は、ほかにも薬物や病気の影響もあります。何が原因か明らかにするため、専門家に相談するといいでしょう。

活動量の減少

高齢者の活動量の低下自体も、食事の量が減る原因のひとつです。活動量が少なければ消費カロリーが少なく、お腹が空きにくくなって食事量が低下します。とくに活動量が低下しやすいのは、過去の怪我や病気が原因になりやすいでしょう。怪我や病気になると安静が必要で、安静により筋肉量が低下しやすいためです。筋肉量が低下すれば、体を動かすのが大変に感じやすく、活動量が下がってしまいます。また、加齢により骨密度の低下も注意が必要です。とくに女性の場合は、閉経によりエストロゲンの分泌量が減り、骨量減少しやすいでしょう。場合によっては、軟骨が変形して痛みがあるため、活動量が低下する場合があります。

高齢者に必要な食事量の目安

高齢者が食事を食べない、食が細くなっている際の食事

高齢の家族の食事量が気になるなら、本当に食事量が減っているか調べてみましょう。食事量が減っているかは、高齢者に必要な食事量と比較するとわかります。高齢者に必要な食事量の目安は、厚生労働省が発表する「日本人の食事摂取基準」が役立ちます。65~74歳までの高齢者が1日に必要とするエネルギー量は、身体活動レベルにより3段階で判断可能です。

男性の場合は以下のカロリーです。
● 活動レベル1:2,050キロカロリー
● 活動レベル2:2,400キロカロリー
● 活動レベル3:2,750キロカロリー

女性の場合は以下のカロリーを目安にしましょう。
● 活動レベル1:1,550キロカロリー
● 活動レベル2:1,850キロカロリー
● 活動レベル3:2,100キロカロリー

また、75歳以上の高齢者は、活動レベル1と2のみです。
● 男性活動レベル1:1,800キロカロリー
● 男性活動レベル2:2,100キロカロリー
● 女性活動レベル1:1,400キロカロリー
● 女性活動レベル2:1,650キロカロリー

低栄養のリスク

高齢者が食事を食べない、食が細くなっている際の食事

高齢者が低栄養になると、さまざまな身体リスクがあります。低栄養の問題としては、感染症・褥瘡・創傷治癒の遅延などです。また、筋肉量や骨量が低下すると、転倒や骨折のリスクがあります。さらに筋肉量の低下は、サルコペニアの原因にもなるため注意が必要でしょう。サルコペニアは、筋肉量の減少により活動量が減りやすく、さらに食欲低下をもたらし悪循環になる恐れがあります。悪循環があると、フレイルと呼ばれる老化による健康障害になりやすく注意が必要です。フレイルは要介護状態の前段階で、認知機能の低下が加わると進行しやすくなります。

高齢者の食欲低下への対応方法

高齢者が食事を食べない、食が細くなっている際の食事

高齢の家族の食事量が減っている場合は、さまざまな対処法を試しましょう。たとえば、誰かと一緒に食べることで、食欲が増すかもしれません。食事自体が楽しければ、食べる量が増える可能性があるでしょう。料理は小分けにすると、食べられることがあります。食べ物の香りを利用して、食欲をそそる方法もおすすめです。

栄養補給におすすめの介護食4選

高齢者が食事を食べない、食が細くなっている際の食事

一度にたくさんの量が食べられないなら、高齢者向け食品を活用してみましょう。中でもおすすめのレトルト食品を紹介します。高齢者が食欲をそそる工夫がある、老舗日本料理店「なだ万」の食品がおすすめです。

なだ万について

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創業天保元年(1830年)創業の老舗日本料理店。屋号は、創始者である「灘屋萬助」の名前に由来しています。有名文人にも愛され、小説の中にもなだ万は生き続けている名店です。

 

仕舞に彼は灘萬のまな鰹とか何かというものを是非父に喰わせたいと云い募った。
(夏目漱石「行人」より)

 

夜菊池常三郎、緒方収二郎と灘萬に飲み、帰途中嶋朝日軒に遊ぶ。・・・・・灘萬の割烹は好し。 (森鴎外「小倉日記」より)

 

1986年の東京サミットでは公式晩餐会が中曽根首相の主催により山茶花荘で開催され、レーガン大統領、サッチャー首相はじめ各国首脳より好評を博したと言われています。

このような歴史ある名店「なだ万」が監修した商品が「バランス献立 なだ万監修 シリーズ」です

なだ万 介護食

ラインナップとしては、「かに入り茶碗蒸し」「鯛と野菜の煮こごり」「なめらか茶碗蒸し」「鯛だしの煮こごり風」の4種類があります。舌で潰せる触感のあるものと、噛まなくてもいいなめらか触感の2タイプです。

日本の後期高齢者人口は現在1,700万人を超え、要介護認定者数は600万人以上と言われています※1。近年在宅介護高齢者が増加していることに伴い、介護食へのニーズが高まっており、介護食における「やわらか食」※2の2019年市場規模は25億円(前年比106%)※3と伸長しています。今後も在宅介護の推進や、栄養バランスをサポートするメニューの1つとして積極的に活用したいという考え方の普及などからさらなる市場の拡大が見込まれています。また2020年度からは75歳以上を対象にした「フレイル※4健診」も始まり、今後「低栄養」に関する意識が高まることが予想されます。高齢者の低栄養を防ぐためには“食べる意欲を高める”ことも大切な要素の1つと考えられています。

※1 出典:令和元年版高齢社会白書
※2 ユニバーサルデザインフードの「容易にかめる」「舌でつぶせる」「歯ぐきでつぶせる」「かまなくてよい」に該当する商品
※3 出典:インテージSDI やわらか食市場 2019年 販売金額
※4 加齢により心身が衰え、要支援・要介護の1歩手前の状態のこと

高齢者の食事について

高齢者が食事を食べない、食が細くなっている際の食事

高齢者の食事量低下について学びたいなら、「食事バランスガイド」を参考にしてみるのもいいでしょう。食事バランスガイドでは、1日に何を食べたらいいのかイラストでわかります。主食・副菜・主菜・牛乳・乳製品・果物の5つに分け、毎日の食事に取り入れたい内容がわかるようになっています。コマのイラストを使って食事内容を学べるもので、是非活用してみてください。

東海林 さおり
看護師
看護師資格修得後、病棟勤務・透析クリニック・精神科で『患者さん一人ひとりに寄り添う看護』の実践を心掛けてきた。また看護師長の経験を活かし現在はナーススーパーバイザーとして看護師からの相談や調整などの看護管理に取り組んでいる。