2022.03.09

初めての方必見!歩行器の選び方のポイントについてご紹介します

最終更新日:2022.03.10
遠藤 和優
介護職員初任者研修、福祉用具専門相談員、住環境コーディネータ2級

毎日続く生活の中で「歩く」ことは、自分らしく自由に過ごすために必要な能力です。しかし「歩く」ための能力は、病気や加齢によって、年々低下していってしまう恐れがあるのが現実です。転びやすくなってしまう原因は、体の柔軟性や筋力・体力が低下するとともに、転ばないようにバランスを取る能力が衰えていくからです。転倒リスクを減らすためには、杖や歩行器などの歩行補助具の利用を検討することがお勧めです。特に歩行器は杖に比べ体重を支える面積が広いため、安定した歩行が可能になります。そこで今回は、安全な歩行を実現するための歩行器の選び方やおすすめの機種をご紹介します。

歩行器とは

歩行器の選び方

歩行器とは、人間の体を支えて安定した歩行を補助するための機器です。4本の脚やキャスターが使う人の体を囲うように設計されているため、しっかり体重を支えることができます。歩行器が体重をガッチリ支えてくれるため、より足腰にかかる負担を軽減しながら安定した歩行が可能になります。歩行器は、体幹や下肢が弱く、杖歩行では転ぶ心配がある方に向いています。

歩行器の特徴について

歩行器の特徴

歩行器には、滑りにくいように脚部にゴムが付いているもの、前脚部にキャスターが付いているもの、すべての脚部にキャスターが付いているものなどがあります。歩行器の特徴について種類別にご紹介します。

固定型(持ち上げ型・ピックアップ型)歩行器

固定型歩行器

歩行器の基本形であり、最も安定性に優れていることが特徴です。すべての脚部にゴムが付いています。両手で歩行器を持ち上げ、本人の足より先に杖のように前に出して移動します。立った状態の安定性が十分でないと、背中側にバランスを崩しやすいので注意が必要です。主に室内で使用されており、ある程度上半身の筋力がある方に向いています。

交互型歩行器

見た目は固定型歩行器と同じですが、左右のフレームが個々に動く仕様になっており、フレームを左右交互に前方へ動かして移動します。歩くときに持ち上げないので常に脚が地面と接地しているため、固定型に比べて歩行時の安全性が高いです。

前輪付歩行器

前輪付歩行器

前輪にキャスターが付いており、後脚を軽く持ち上げ前輪を使って移動します。固定型に比べ操作性は高いです。歩行器を押しながら歩くので、体の重心バランスを取りながらコントロールする能力が必要です。

肘(前腕)支持型歩行車

肘支持型歩行車

四脚すべてにキャスターが付いているため、操作が簡単で足への負担が少ないです。両腕全体で寄りかかるようにし、体重を支えながら歩行します。足の力が弱いと止まれなくなって転倒する危険があるので、注意が必要です。転倒事故を予防するため、自転車のようなブレーキやキャスターに負荷をかけて速度を抑える部品が付いているタイプもあります。病院での歩行訓練やリハビリなど主に屋内で多く使われます。

椅子付歩行車

椅子付歩行車

車輪が大きく低重心なため、安定性が高いです。安全のためのブレーキをはじめ、荷物を入れるかごやバッグを備えたもの、座面がついたものなどがあります。屋外で使用する場合や、屋内で物を持って歩くのが困難な場合に使われます。

【ワンポイント】
「歩行器」と「シルバーカー」の違い
シルバーカーとは、物を持ち運んだり、歩き疲れたときに座って休んだりする機能が付いている歩行補助用具です。荷物を入れるかごの下に車輪がついており、かごの蓋は腰掛けとして利用できるようになっています。歩行器は歩行能力が低下している方の体重を支えて転倒を予防する設計になっているので、介護保険を利用して安くレンタルすることが可能になっています。

一方で、シルバーカーは体を支えることが出来るような設計になっていません。シルバーカーに体をあずけるような歩き方をすると、体重を支えきれずにひっくり返ってしまう危険があります。シルバーカーを使用できる人は、基本的には支えがなくても歩行ができる人に限られることを覚えておきましょう。間違った商品選びは、思わぬ事故の原因となります。商品選びに迷った方は、ケアマネジャーやお近くの地域包括支援センター、福祉用具専門店にいる「福祉用具専門相談員」に相談することをお勧めします。

歩行器の選び方のポイント

歩行器の選び方

歩行器を使用して安全に歩くためには、使う場所や目的のほか、利用する方の身体状態や体格、操作の理解度に応じたものを選ぶことが重要です。歩行器の選び方について状況別にご紹介します。

利用場所・利用目的を明確にする

  屋内 屋外
固定型歩行器 不向き
交互型歩行器 不向き
前輪付歩行器 不向き
肘支持型歩行車 不向き
椅子付歩行車 不向き

 
利用場所が屋内か屋外かによって、向き不向きが異なります。屋内で利用する場合は、固定型・交互型・前輪付歩行器や肘支持型歩行車が向いています。屋内は段差が少なく歩行器の操作が簡単なので、より安定性が高い歩行器を選択します。一方、屋外で使用する場合は路面の起伏や段差が多いため、ブレーキや速度抑制機能が付いている椅子付歩行車がお勧めです。カゴや椅子を備えているタイプであれば、買い物や休憩する際に便利です。

身体状態にあったものを選ぶ

  軽度な片麻痺 重度な片麻痺 円背 下肢の骨関節疾患 関節リウマチ 失調症 パーキンソン病
固定型歩行器 不向き 不向き 不向き 不向き
交互型歩行器 不向き 不向き
前輪付歩行器 不向き 不向き 不向き 不向き
肘支持型歩行車 不向き
椅子付歩行車 不向き 不向き 不向き 不向き

利用者の身体状態や疾患によって、向き不向きが異なります。神経の病気で運動失調やパーキンソン症状を持つ方が肘支持型歩行車を利用する場合は、手足の運動障害により歩行器の操作が難しい場合があります。歩行車に重りをつけたり、速度抑制装置が付いている商品を選んだりするなどの対策が必要です。身体状態に合ったものを選ぶためには、医師をはじめ理学療法士や作業療法士、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員などの専門家に相談することを強くお勧めします。

体格にあったサイズや高さに調節する

歩行器を使用して安全に歩くためには、利用する人の体格に合わせた調整を行うことが重要です。
固定型・交互型・前輪付歩行器の場合は、下記のように調整します。
• 歩行器のグリップを握った時に肘が軽く曲がっている
• 体が楽に前傾している
また肘支持型歩行車の場合は、肘を90度に曲げた時の高さに調整します。

利便性がある歩行器を選ぶ

歩行器を選ぶ際は、利便性も考慮します。冒頭でもお話ししたように、毎日続く生活の中で「歩く」ことは、自分らしく自由に過ごすために必要な能力です。いくら身体状態に合った歩行器を選んでも、使い勝手が悪いと宝の持ち腐れになってしまいます。利便性がある歩行器を選ぶには、下記の3点がポイントになります。
• 折りたたんで簡単に収納できる
• 軽量かつ操作がしやすい
• 体格や利用する場所によって簡単に調節できる

安定性が高い歩行器が良い

屋外で使用する場合は、坂道や凹凸道、段差などの障害物によって転んでしまう可能性があることを意識しましょう。前傾姿勢になりすぎたり体重を預けた際に不安を感じたりするものは体に負荷がかかります。転倒しやすくなってしまうので避けましょう。安定性が高い歩行器を選ぶには、腕を伸ばした状態で体を支えることができることがポイントです。

おすすめの歩行器のご紹介

ここまでは、歩行器には利用場所や目的、身体状態及び体格に合わせてさまざまな種類があることを解説してきました。歩行器の中でも特におすすめの一台、幸和製作所の「Michele(ミケーレ)WAG01」です。

福祉用具歩行車_MicheleWAG01_ミケーレ

幸和製作所は、1970年に国内初のシルバーカーを開発、製造販売を開始した福祉用具の総合メーカーです。幸和製作所は、男性用福祉用具市場に新たな一石を投じる目的として自社ブランドの「GENTIL MARRONE(ジェンティルマローネ)」を創設。女性や老人が使うといった従来のイメージを払拭した「ミケーレWAG01」は、2017年度のグッドデザイン賞を受賞しました。

特徴は、イタリア紳士に学ぶ遊びゴコロをコンセプトにしたおしゃれなデザイン。洗練された造形でありながら、折り畳み時23.5cmとコンパクトで収納も簡単です。さらに旋回しやすく段差も安易に越える機能も搭載しています。安全な歩行はもちろん、機能性とデザインを兼ね備えた商品です。
http://www.matuwell.jp/view/item/000000000008

日々の歩行をより快適なものに

歩行器の選び方

安全な歩行を実現するための歩行器の選び方についてご紹介しました。使う人に合わせて適切な歩行器を選ぶことが、生活の質(QOL)の向上や転倒の防止、ハリのある生活を維持することにつながります。間違った用具て選んでしまうと、かえって逆効果になりかねません。どれにしていいか不安な時は、必ず専門家に相談しましょう。正しい歩行器を正しく使用し、日々の歩行をより快適なものにしていって下さいね。

遠藤 和優
介護職員初任者研修、福祉用具専門相談員、住環境コーディネータ2級
福祉用具貸与事業所に勤務し、住み慣れたご自宅での在宅生活を安全・快適に過ごしていただけることをミッションとして福祉用具・住宅改修を通して携わる。
現在は、お客様のお悩みやご相談を受け、福祉用具だけではなく様々な介護保険サービスの説明やご案内を介護相談センター相談員として取り組んでいる。