2021.06.07

認知症が進むとどうなる|後期・末期での介護のポイント

最終更新日:2021.06.08

「認知症が後期まで進むとどうなるのだろう…」認知症患者の介護にあたるなか、不安を抱える方も多いのではないでしょうか。認知症の中核症状や周辺症状は、病状が進行するにつれ変化を見せていきます。介護者が症状について理解しておけば、その都度適切に対応できるのです。こちらの記事では、認知症の後期・末期の介護のポイントについてお伝えしていきます。

認知症の進み方

介護

認知症は、軽度のもの忘れが現れる「軽度認知障害」からはじまり、「早期・初期」「中期」「後期・末期」の流れで進行していきます。認知症の種類によって異なるものの、その進行度合いはゆるやかです。時間や場所が認識できなくなる初期症状が進行すると、徘徊や失語といった行動症状が加わる中期へと移行します。さらに時間をかけ、後期・末期へと進むのが認知症の特徴です。

後期・末期の症状

認知症の後期・末期は、着替えや入浴、排せつなどが全介助になる時期です。家族の顔が分からなくなったり、表情の変化が乏しくなったりといった変化も見受けられます。コミュニケーション能力が失われ、意思疎通が難しくなることもあるでしょう。身体機能が低下し、寝たきりで過ごすことも多くなります。

後期・末期の介護のポイント

介護

認知症の後期・末期は、身体状況に配慮した介護が必要です。家族の介護負担も大きくなるため、以下のポイントに気を付けながら日々のケアを行いましょう。

無理をしない介護を心掛ける

後期・末期になると、身体機能が低下し、自立歩行や座った状態を保つことが難しくなります。そのため、日常動作すべてに介助を欠かすことができません。協力できる家族が少ない場合には、その負担はさらに大きなものとなります。介護動作は腰に負担がかかるものも多く、腰痛の原因にもなり得るでしょう。介護者が体調を崩さないためにも、認知症の介護は周囲のサポートを受けながら行うことが大切です。同居する家族や地域の介護サービスを利用し、無理のない介護を心掛けましょう。

「ためない介護」を心掛ける

「食事を食べてくれない」「毎回失禁する」「意思疎通がはかれない」といった認知症後期の症状は、介護者にとって大きなストレスとなります。認知症の家族が自分を忘れてしまうことに、ショックを感じることもあるかもしれません。日々の身体的な疲労に加え、精神的疲労が積み重なることも多いでしょう。介護の不満やストレス軽減にも、介護保険サービスは大いに役立ちます。訪問介護や通所介護を利用すれば、介護から離れる時間を確保できるでしょう。日々の不安や悩みも、ケアマネジャーや介護士といった介護のプロに相談し、解決策を見出すことができます。認知症の介護は決してひとりで抱え込まず、他者のサポートを受けながら行うことが大切です。

介護者の健康管理を行う

認知症が進行し身体機能が低下すると、免疫力が衰え、感染症にかかるリスクが高まります。また、寝たきりになると肺炎を起こしやすくなるほか、筋力の低下も考えられます。食事を飲み込む力が弱まり、誤嚥を起こしやすくなるのも後期・末期の特徴です。そのため、この時期の介護は健康管理に特に注意する必要があります。定期的な受診を欠かさず、日々の変化はかかりつけ医にその都度報告するようにしましょう。リハビリ職と連携し、座ったままできる運動を検討するのも効果的です。

限界になったら、施設への入所を検討する

認知症が進行し、家族の負担が限界になった場合には、施設への入所を検討しましょう。認知症患者が入居する代表的な施設には、特別養護老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、グループホーム、有料老人ホームなどが挙げられます。それぞれ料金や形態が異なるため、施設選びはケアマネジャーや地域包括支援センターの窓口に相談するのがおすすめです。利用できるサービスや、施設の空き情報など把握することができるでしょう。また、多くの施設は入所前の見学を受け付けています。入居する本人の思いや希望に寄り添いながら、長期的な視野をもって施設選びに取り組みましょう。認知症の後期・末期の介護は、身体的負担だけでなくストレスも大きなものです。限界を感じた時には入所を検討したり、介護サービスの内容を振り返ったりするなど、無理のない介護を心掛けるようにしましょう。

増田 高茂
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者
多くの介護事業所の管理者を歴任。小規模多機能・夜間対応型訪問介護などの立ち上げに携わり、特定施設やサ高住の施設長も務めた。社会保険労務士試験にも合格し、介護保険をはじめ社会保険全般に専門知識を有する。現在は、介護保険のコンプライアンス部門の責任者として、活躍中。