2023.04.13

【足のむくみが気になる方へ】介護靴の選び方のポイントについて

最終更新日:2023.04.13
加藤 隆三
理学療法士 地域リハビリテーション推進員"理学療法

足のむくみは高齢者で多くみられる症状の一つであり、足のむくみがあるために歩行が不安定になってしまい、外出頻度の低下や場合によっては寝たきりになるケースもあります。
また介護靴は選び方によってむくみに悪影響が出てくる場合や、反対に改善することもある重要な福祉用具の一つだといえます。
ここでは、足のむくみの原因や介護靴の選び方などについてご紹介します。最後におすすめの介護靴についてもご紹介します。
また、むくみは個人の判断でマッサージなどをすると悪化する場合もありますので、症状が酷い場合は医療機関への受診をお勧めします。

なぜ高齢者の足のむくみが起きるのか

認知症の男性を介護する女性

高齢者の足のむくみには様々な原因がありますが、「体内の循環が悪い」ということが最も多い原因です。これは心不全や腎不全などでも起こりますし、薬が影響している場合、長時間同じ姿勢で過ごしていることや、運動不足などでも起こります。

特に高齢者の場合は、年齢が若い方と比べて循環が悪い傾向にありますので、少しの原因でも大きくむくみが出るケースがありますので、注意が必要です。

それでは足のむくみが発生することによって、引き起こされる悪影響とはどのようなものがあるのでしょうか。

足のむくみによる悪影響

足のむくみ

足のむくみによる悪影響は大きく3つあります。それぞれみていきましょう。

足首の動きが悪くなる

むくみは足首が最も顕著に出やすいとされています。その為、むくみが引き起こされると足首の動きが悪くなります。足首の動きが悪くなると、歩きにくくなってしまうのです。
地面を上手く蹴ることが出来ずに歩行の際に足が上がらなくなる、動きが悪いので膝や股関節に負担がかかってしまい痛みが出るなど、生活に支障が出ることも少なくありません。

菌が侵入すると悪化する

蜂窩織炎と呼ばれる、菌が体内に侵入し炎症を起こしてそれがむくみに繋がるという病気があります。これはむくみが原因で引き起こされることもあります。むくみが起きているということは皮膚が張っている為、少しの外的刺激でも傷が出来てそこから菌が入ることもあるのです。
また、むくみによって感覚も鈍くなっているので、知らない間に傷を作ってしまいそこから菌が侵入して悪化するというケースもあります。

体が冷えやすくなる

むくみが起こると、血管が圧迫されて血液循環が悪くなり、体が冷えやすくなります。また、むくみによって運動不足になる方もいますので余計に冷えやすいといえます。
高齢者の場合は元々冷えで悩んでいる方も多いですので、むくみによって更に冷えを感じて動くことが億劫になって生活に支障をきたす場合もあります。廃用症候群と呼ばれる寝たきりになってしまうような病気の元々のきっかけが、体の冷えから来る活動性の低下の場合もありますので十分に注意しましょう。

介護靴の選び方のポイント

足のむくみ

むくみがある方は、特に靴を慎重に選ぶ必要があります。適切な靴を選ぶためにはどのようなポイントがあるのでしょうか。

脱ぎ履きが楽になる

脱ぎ履きが楽になる介護靴は非常に重要です。自分で履くことがない、脱ぐことが出来ないような窮屈な靴を履いていると足に悪影響出ることはもちろん、その動作自体億劫になってしまって、外出を控えてしまうこともあるからです。
介護靴を選ぶ際はサイズをある程度調整できる、ゆとりの大きさをもった介護靴を選択することをお勧めします。

かかと部が楽にできる

かかとの部分は、むくみが特に起こりやすい部分だといえます。その為、靴を履いた際かかと部に余裕がある靴をお勧めします。靴によっては、かかと部にゆとりをもって作られているものもありますので、購入する際は意識することをお勧めします。
また、かかと部は靴の脱ぎ履きをする際に持つ部分ですので、硬すぎないものを選ぶようにしましょう。柔らかいものは脱ぎ履きがしやすいといえますが、反対に歩く際の支えとして不安定なので、歩きやすい硬さや脱ぎやすい硬さの両方を踏まえて選択しましょう。

つま先の幅が広く歩きやすい

つま先の幅が狭い靴は、足指を圧迫させやすく歩行するたびに、指同士がすれてしまって傷の原因になるので注意が必要です。
つま先の幅が広いとある程度指に余裕が出来ますので、歩きやすく足に負担が少ないといえます。介護靴は幅広靴も多くありますので、幅広を意識して購入することをお勧めします。

足のむくみが気になる方へおすすめの介護靴

おすすめの介護靴としては介護靴メーカーの中では足に優しい介護靴を展開している「マリアンヌ 彩彩 No.941」をお勧めします。この介護靴は外反母趾や腫れ・むくみの症状がある方、4Eや5E等で履物にお困りの方でも幅広いサイズ対応で安心してご使用いただくことが出来ます。

具体的にどのような特徴があるのでしょうか?

むくみの方は圧迫しない柔らかい靴がおすすめです。「マリアンヌ 彩彩 No.941」はこの条件を満たしています。まずつま先部分は幅広で作られていることはもちろんですが、つま先を高めに設定しているので上からの圧迫を避けることが出来、歩きやすいという特徴があります。

また、靴全体の素材は非常に柔らかく、歩きやすく、足になじむような感覚になります。

靴の中敷きにもこだわっています。3つの立体ポイントがありその部分で足裏全体を均等に支えて疲れを軽減することが出来ます。むくみがある方は歩くとすぐに足が疲れやすい傾向がありますので、この部分だけ見ても非常にお勧めできる商品であるといえます。

デザインについてもこだわりがあります。通常介護靴は地味なものが多く、デザインとして楽しむことは難しい商品が多いのですが、「マリアンヌ 彩彩 No.941」はその名の通り彩られた靴であるといえます。全面に花柄プリントされています。奇抜なプリントではなく日常使い出来る上品なデザインですので、普段使いにもピッタリであるといえます。

より安全な生活をするために

杖をついて散歩をする男性と介護士

むくみがある方は、足の感覚が鈍い足の動きも良くないケースが多いので、転倒事故などが発生しやすい傾向があります。安全に生活をするためには、体全体を支えている足、足を支えている靴の選択が重要になります。

介護靴といっても全てがむくみの方に優しい靴だとは言えません。圧迫感を感じないものや歩きやすい、脱ぎ履きがしやすい靴を選択して安全に生活できるようにしましょう。

ヨイケア
加藤 隆三
理学療法士 地域リハビリテーション推進員"理学療法

資格取得後は整形外科におけるリハビリテーション部の立ち上げに従事。その他、中学や高校の野球チームでトレーナーとして携わる。現在は介護サービスにおいて、お客様の生きがいや生活の質を高めることをコンセプトとした生活リハビリの業務に従事している。その他、地域リハビリテーションに力を入れており、静岡市を中心に介護予防教室を30回以上開催し、自立支援型ケア会議に参加している。その他、福祉用具専門相談員に対して、福祉用具の選定方法などの講演を行う。