2023.05.26

【現役ケアマネが解説】ケアプランとは?作成方法や注意点を解説

最終更新日:2023.05.26
増田 高茂
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者

ケアプランは、介護が必要になった時に最初に作成する計画書です。介護保険サービスを利用する時は必ず作成しないといけない書類で、利用するサービスによって種類や作成を担当する人が変わるという特徴があります。このため、初めて介護保険制度を利用する人が「ケアプランを作ってください」と言われても、困ったり悩んだりしてしまうのが現実です。今回は、現役のケアマネジャーがケアプランについて徹底解説します。この記事を読めば、ケアプランの重要なポイントが全て分かります。

ケアプランとは

週間サービス計画表

ケアプランとは、その名の通り支援するための計画書のことを言います。本人が抱えている生活上の課題や目標を明らかにし、解決や達成のため計画を記載した書類です。介護保険制度のサービスを利用する際は、在宅サービスでも施設サービスでも必ずケアプランを作成する必要があります。

支援の基本は、様々な職種や立場の人がチームを組み、それぞれの専門的な視点で関わることです。ひとりに対して複数のスタッフが関わるにあたり、効率的で効果的な支援を実施するためには、「どのようなことに困っていて」・「どのような方針で」・「どのような方法で」支援すればいいのかを明確化しておくことが重要です。

ケアプランは、支援を必要とする人と支援者をつなぐ書類です。客観的かつ専門的な視点で課題を分析し、どうすれば解決につながるかを具体的に記載することで実際のケアに結びつきます。介護保険サービスから地域の協力・ボランティアまで様々なサービスを組み合わせた、まさに介護の設計図なのです。

ケアプランの種類は4つ

ケアプランの種類は4つ

ケアプランには、大きく分けると以下の4種類があります。

・居宅サービス計画書
・施設サービス計画書
・ライフサポートプラン
・介護予防サービス・支援計画書

利用するサービスや要介護度によって、作成するケアプランの種類が決まります。
この章では、4種類のケアプランについて詳しくご紹介していきます。

居宅サービス計画書

居宅サービス計画書は、以下2つの条件に当てはまる人が利用するケアプランです。

・要介護1~5の人
・自宅や、有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅などの外部サービスを利用するタイプの施設に入所している人

上記の方が「訪問介護(ホームヘルパー)」や「通所介護(デイサービス)」、「福祉用具貸与」などの在宅向け介護保険サービスを利用する際に必要になります。サービス利用の前に任意の「居宅介護支援事業所」と契約して、在籍するケアマネジャーと相談しながらプランを作成します。

施設サービス計画書

施設サービス計画書は、介護保険制度上の「施設サービス」や「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設に入所する人が利用するケアプランです。具体的な施設は、以下の通りです。

・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
・介護老人保健施設
・介護医療院(介護療養型医療施設)
・特定施設入居者生活介護(介護付有料老人ホーム、軽費老人ホーム(ケアハウス)、養護老人ホーム)

上記の施設に入所し、介護サービスを受けるために必要になります。施設に在籍しているケアマネジャー(通称:施設ケアマネ)が本人の心身状況を確認したうえで、本人・家族・多職種間で相談しながら作成します。

ライフサポートプラン

ライフサポートプランは、小規模多機能型居宅介護に登録する人が利用するケアプランです。小規模多機能型居宅介護とは、「通い(デイサービス)」を中心に「訪問(ホームヘルパー)」・「泊まり(ショートステイ)」のサービスをひとつの事業所で総合的に提供するサービスのことを言います。さらに訪問看護の機能を加えた「看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)」もあります。

ライフサポートプランは近年新しくできた考え方で、小規模多機能型居宅介護を管轄する保険者によっては、別途居宅サービス計画書の作成を義務付けているところもあります。ライフサポートプランは、小規模多機能型居宅介護事業所に在籍している「計画作成担当者」と呼ばれるケアマネジャーの資格を持っている人が中心となって作成します。

介護予防サービス・支援計画書

介護予防サービス・支援計画書は、以下2つの条件に当てはまる人が利用するケアプランです。

・基本チェックリストにより「事業対象者」と認定された人・要支援1~2の人
・自宅や、有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅などの外部サービスを利用するタイプの施設に入所している人

要介護1に満たない軽度の状態の方が介護保険上の介護予防サービスや、市町村が独自に行う総合事業(要支援2以下の方向けのデイサービスやヘルパー)を利用する際に必要になります。作成を担当するのは主に中学校区ごとに設置されている「地域包括支援センター」で、住所のある地域を担当している地域包括支援センターと契約することになります。なお、地域包括支援センターは介護予防サービス・支援計画書の作成を「居宅サービス計画書」を作成する居宅介護支援事業所に委託する場合があります。委託先は利用者や家族の希望を踏まえて決めることができます。

ケアプランを作成する人

ケアマネジャー

ケアプランを作成するのは、主にケアマネジャーです。利用者本人や家族からの依頼を元に、介護に関する希望や心身状況を聞き取ったうえで今後の見通し予測を踏まえて原案を作成します。なお、「セルフプラン」として市町村に届け出ることで、利用者自身が作成することも可能です。

ケアマネジャーとは、医師・看護師・介護福祉士など各種医療系・介護福祉系の国家資格に基づく実務経験が5年以上ある者が受験できる資格です。令和4年度試験の合格率は19.0% となっており、介護福祉関連の資格の中でも取得が困難な資格のひとつです。国家資格ではありませんが、介護保険制度の給付管理など介護保険制度の根幹を担う非常に重要な職種です。

なお、上記でご紹介した「居宅サービス計画書」「施設サービス計画書」「ライフサポートプラン」を作成するのは各事業所に在籍する介護支援専門員です。しかし、地域包括支援センターが作成する「介護予防サービス・支援計画書」だけは異なります。「主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)」「社会福祉士」「保健師(看護師)」のいずれかが作成するため、ケアマネジャーの資格を持っていない職種の人が担当する場合があるので覚えておきましょう。

ケアプラン作成の流れ

ケアプラン作成の流れ

ケアプランを作成するためには、聞き取りから始まって課題を分析し、適切なサービスを検討するまで様々な手順が必要です。また、ケアプランは一度作ったら終わりではありません。常に状況を確認し、見直しながらよりよいプランにブラッシュアップしていきます。

ケアプランの作成・運用は以下の流れで行われています。

1. インテーク
2. アセスメント
3. ケアプラン原案の作成
4. サービス担当者会議
5. ケアプラン原案の修正・再提案・同意
6. ケアプランの交付
7. モニタリング

この章では、ケアプラン作成の流れや手順について詳しくご紹介していきます。

インテーク

インテークとは、支援を必要としている方と会ってサービス内容を説明し、相談支援を開始するための合意を得る作業のことを言います。利用者や家族から必要な情報を集めるのはもちろんですが、何よりも大切なことはお互いの信頼関係を築くことです。より適切な相談相手がいると判断した場合はそちらに紹介する場合もあります。

具体的には、まず「基本情報」と呼ばれる事項を聞き取ります 。

<参考 課題分析標準項目 「基本情報に関する項目>
1 基本情報(受付情報、氏名・性別・生年月日などの基本情報、利用者以外の家族など)
2 生活状況(現在の生活状況や生活歴など)
3 被保険者情報(介護保険、医療保険、生活保護、障碍者手帳の有無など)
4 現在利用しているサービスの状況
5 障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)
6 認知症高齢者の日常生活自立度
7 主訴(訴えや要望)
8 認定情報(要介護認定に関する情報)
9 課題分析理由(初回、継続、他事業所からの紹介 などの情報)

そのうえで介護保険サービス利用の必要性があると判断した場合はケアプラン作成について説明し、納得いただけたら利用契約まで行います。契約後は、詳細な心身状況や生活環境の聞き取りを行います。

インテークは、初回面談とも言います。不安を感じている本人や家族から安心感を持っていただき、想いや訴えに寄り添いながら話を聞く姿勢が重要になります。

アセスメント

アセスメントは、課題分析とも言います。その名の通り、聞き取った情報を整理して専門的な視点で課題を分析することです。利用者や家族が訴える要望(デマンド)を鵜呑みにするのではなく、利用者や家族の状況を客観的に判断して解決すべき課題(ニーズ)を導き出すのがアセスメントの目的です。アセスメントを実施する際は、「居宅サービス計画ガイドライン」「センター方式」などの各種アセスメントツールを使用します。

例えば、利用者が「自宅では風呂に入れないから、デイサービスに行きたい」と訴えた際、「自宅の風呂に入れない理由」を下記の身体的側面・心理的側面・環境的側面から考えます 。

<参考 課題分析標準項目 「アセスメントに関する項目>
1 健康状態(既往歴、主傷病、症状や痛みなど)
2 ADL(日常生活動作)
3 IADL(調理・掃除・買物などの応用的日常生活動作)
4 認知能力の程度
5 コミュニケーション能力
6 社会との関り(社会活動への意欲、喪失感や孤独感など)
7 排尿・排泄の状況
8 褥瘡(床ずれ)・皮膚の問題
9 口腔衛生
10 食事摂取状況
11 BPSD(行動・心理症状)の状況 ※徘徊、介護抵抗、火の不始末、不潔行為など)
12 介護力の状況
13 居住環境
14 特別な状況(虐待、看取り状態など)

そのうえで、「本当は自宅の風呂に入りたいのか?」といった意向や、「専門的な介護を受けて入浴する必要があるのか」とったサービスの必要性についてあぶり出していきます。

アセスメントは、ケアプラン作成に最も重要となる「生活上の課題(ニーズ)」を導き出す重要な手順です。アセスメントの良し悪しがケアプランの質に直結してくるため、現役ケアマネジャーが最も力を入れる作業のひとつになっています。

ケアプラン原案の作成

アセスメントが完了したら、導き出した課題を解決するためのサービスを検討して「ケアプラン原案」を作成します。ケアプランの完成は利用者本人や家族の合意をもって初めて成立するため、この時点ではあくまで素案となる「たたき台」を作る作業になります。

ケアプラン原案には、実際にプランに組み込む事業所を明記する必要があります。ある程度利用するサービスを絞り込んだら、ケアマネジャーは利用者や家族からサービス事業所を選定してもらいます(施設サービス計画以外の場合)。この時点でデイサービスやショートステイの見学や体験利用などを行い、選定した事業所が本人・家族の希望や状況にマッチしているかを確認します。

ケアプラン原案は仮のプランですが、例えばメモ用紙に手書きするなど雑に作成するわけではありません。次の手順で実施する「サービス担当者会議」にて重要な役割を果たすため、厚生労働省が定める標準様式に従って抜かりなく作成する必要があります。

サービス担当者会議

ケアプラン原案が完成したら、利用者・家族・サービス提供者が集まって「サービス担当者会議」を開催します。サービス担当者会議とは、主にケアプランについて検討するためにケアマネジャーが主催する会議です。ケアプランの原案を元に本人・家族の意向や支援の方針、具体的な提供方法や注意事項などを確認します。

サービス担当者会議の大まかな流れは、以下の通りです。

1. 挨拶、自己紹介
2. 検討事項の確認
3. 議題ごとの話し合い・利用者本人や家族の意向確認
4. ケアプラン原案の精査
5. 決定事項・ケアプラン修正事項の確認
6. 閉会

サービス担当者会議は、要介護認定が通知されたときやケアプランの見直しが必要になったとき・本人の心身状況や生活環境に著しい変化が生じた時に開催されます。よく「ケアプランはケアマネジャーが作成する」と説明されることが多いですが、正しくは「ケアプランはケアマネジャーが作成した原案を元に、関係者間で合意を得ることで完成する」ということを覚えておきましょう。

ケアプラン原案の修正・再提案・同意

サービス担当者会議終了後、ケアマネジャーは修正点を確認して訂正し、誤字脱字や表記ミス・記載漏れがないか最終確認します。その後改めて本人・家族に提案します。説明を聞いて本人が納得したら、署名もしくは記名押印することでケアプラン完成となります。

なお、本人が署名できない場合や同意の判断ができない場合は、家族や成年後見人などの代理人に意思決定及び署名の代行を求めます。

ケアプランの交付

ケアプランは、本人・家族から合意を得られて初めて効力を発揮します。ケアマネジャーは、合意を得たケアプランを速やかに各サービス提供事業所へ交付します。交付を受けた各サービス提供事業所は、ケアプランを元に事業所独自の個別支援計画を作成します。

なお、主治医の指示が必要な訪問看護や通所リハビリテーション(デイケア)などの医療系サービスが組み込まれている場合は、指示を出した医師に対してもケアプランを提出することが義務付けられています。

モニタリング

モニタリングは、「ケアプランに基づいて提供されるサービスがうまく機能しているか」を現況や本人・家族の満足度と共に確認する作業です。作成したケアプランが現状にそぐわない状態になっていたり、新たな課題が発生していたりする場合はケアプランの変更を検討する必要があるからです。

例えば、「デイケアでのリハビリ」や「レンタルしている歩行器の使用状況」などの具体的な状況を本人・家族・各サービス提供事業所からそれぞれ聞き取ります。ケアマネジャーは、聞き取った内容を整理して、ケアプラン変更の必要について検討します。もしケアプラン変更が必要だと判断する状況が見られた場合は、再度「アセスメント」からの手順を繰り返してより良いプランへと作り直していきます。

サービス実施後の状況を評価し、プランの改善につなげるのがモニタリングの役割です。

ケアプランの記載内容

ケアプランの基本となる居宅サービス計画書は、第1~第7表で構成されています。それぞれの内容は以下の通りです。

名称 主な記載内容
第1表
居宅サービス計画書(1)
・利用者の介護保険情報
・利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
・介護認定審査会の意見及びサービスの種類の指定
・総合的な援助の方針
・生活援助中心型の算定理由
第2表
居宅サービス計画書(2)
・生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
・目標(長期目標・短期目標 及びそれぞれの期間)
・援助内容(サービス内容・サービス種別・頻度・期間)
第3表
週間サービス計画表
・週間計画(サービスの予定を週単位で記載)
・主な生活上の活動
・週単位以外のサービス
第4表
サービス担当者会議の要点
・開催日・開催場所・開催時間・開催回数
・会議出席者
・検討した項目
・検討内容
・結論
・残された課題
第5表
居宅介護支援経過
支援に関する連絡調整や出来事、相談内容とその対応結果などを時系列に沿って記載
第6表
サービス利用表
以下についてサービスごとに記載
・提供時間帯
・サービス内容
・サービス事業所名
・月間サービス計画及び実績の記録
第7表
サービス利用表別表
・区分支給限度管理・利用者負担計算
・種類別支給限度額管理
・要介護認定期間中の短期入所利用日数

なお、それぞれの書類の性質と目的は以下の通りです。

名称 書類の性質と目的
第1表
居宅サービス計画書(1)
利用者及び家族の意向を踏まえ課題分析の結果をもとに、計画の方針や大まかな概要について記載している。
第2表
居宅サービス計画書(2)
アセスメント(課題分析)によって導き出された生活上の課題(ニーズ)から長期目標を立て、更に長期目標を達成するための短期目標を設定。そのうえで短期目標を達成するための具体的な支援内容について記載している。
第3表
週間サービス計画表
第2表で示したサービスの利用予定を週間予定表として明示。利用者と家族の生活上の活動も合わせて記載することで、本人の一週間の動きを表す。
第4表
サービス担当者会議の要点
サービス担当者会議で確認すべき要点を記載しておき、次第として配布する書類。担当者会議終了後は議論した内容を詳細に記録しておくことで、議事録としても機能する。
第5表
居宅介護支援経過
支援に関する連絡調整や出来事、相談内容とその対応結果などを時系列に沿って記載する。いわゆる利用者個人単位に対する業務日誌のようなもの。
第6表
サービス利用表
第2~3表に記載したサービスの利用予定を具体的に1ヶ月のカレンダーにした書類。日ごとに何時に何のサービスを利用するかが見て分かるようになっている。実績記録としても機能する。サービス利用表とは別に、各サービス提供事業所向けに内容を転記した「サービス提供表」がある。
第7表
サービス利用表別表
第6表と対になる書類。各事業所が1ヶ月あたりに提供するサービス単位数や料金を一覧した計算表。サービス利用表別表とは別に、各サービス提供事業所向けに内容を転記した「サービス提供表別表」がある。

主にサービス担当者会議で検討されるのは第1~3表で、第6・7表はケアプランに記載されているサービス内容を具体的にカレンダーに落とし込み、利用料金や介護保険から給付される金額を表示しているものです。第1~3表のケアプランは作成したタイミング(概ね半年~1年ごと)に交付され、第6・7表のサービス利用表及び別表は毎月交付されます。なお、第4・5表はケアマネジャーが記録として保存しておく書類です。

ケアプラン作成時のポイント・注意点

ケアプランを決める様子

ケアプラン作成をケアマネジャーに依頼する際は、日常生活に関する希望や不安を具体的に伝えることがポイントになります。なぜなら、たとえ介護相談の専門家であるケアマネジャーでも、的確な情報がないと効果的なケアプランを作成することができないからです。掴みどころのない単なる要望ではなく、どのような困りごとを解決したいのかを丁寧に説明することが必要です。

例えば、脳梗塞後遺症の方が「歩けなくなったから車椅子を貸してほしい」と希望があったとしても、家屋内に手すりを付けてリハビリをするプランを作れば歩ける自分を取り戻せるかもしれません。「末期がんの診断を受けたが自宅では見れないから入院させてほしい」と家族が希望したとしても、在宅医療や訪問介護・看護を組み合わせれば本人が希望する自宅での見取りが実現する可能性もあるのです。

ケアマネジャーと相談する中で、「そんなことが関係あるの?」「なんでそんなことまで答えなきゃならないの?」と怪訝に思うこともあるかもしれません。しかし、様々な角度からの情報を集めて支援に結びつけるのがケアプランです。ケアプランについて話し合う時は、細かいことでも丁寧に説明することを心がけましょう。

セルフケアプランの作成

セルフケアプランとは、ケアプランの作成に関する業務を居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)に依頼せず、利用者本人や家族が実施することです。市町村や地域包括支援センターに相談に行くとケアマネジャーを決めるように教えられるため、自身でプランを作成することはできないと誤解されがちです。しかし、本来はケアマネジャーが行うケアプラン作成・各事業所とのサービス調整・サービス担当者会議の開催などは全て自身や家族が行うことも可能です。

セルフケアプランでサービスを利用したい場合は、以下の手順で行います。

1. 必要な書類の入手 ※住民票のある市町村の介護保険担当窓口から入手
2. サービス事業所の情報収集
3. 居宅サービス計画書原案作成と支給限度額・利用者負担額計算、事業所選定
4. サービス担当者会議開催・事業所との利用契約
5. 介護保険担当課にケアプランなどの書類を提出
6. 利用するサービス提供事業所へケアプランなどを交付
7. 利用期間中の連絡調整
8. 各事業所からの利用実績収集
9. 介護保険課とサービス事業所へ必要書類の提出
10. 7に戻る

本来ケアマネジャーが行っている仕事は、ケアプランの作成だけではありません。サービス利用に必要な情報収集や事業所との連携、担当者会議の開催、必要な手続きの代行、介護保険利用実績の管理など様々な業務があります。これらを利用者本人や家族が全て自身で行うことをセルフケアプランと呼んでいます。

セルフケアプランのメリット・デメリット

セルフケアプランには、以下のメリット・デメリットがあります。

メリット ・利用者本人の想いをケアプランに反映させやすい
・要望するサービスを自ら選択できる
・ケアマネジャーとのやり取りの負担や気を遣う必要がない
 デメリット ・本来、居宅介護支援事業所にケアプラン作成を依頼することは無料である
・利用者本人や家族が望むサービス利用が真に自立支援につながるとは限らない
・事業所の選定やサービス調整が難しい
・ケアプラン作成以外に行わなければならないことが多い

セルフケアプランは、自身や家族の意向のみでケアプランを作ることができます。しかし、過度なサービス利用や本来工夫すれば自身でできるようなこともサービスに頼るようになると結果的に心身機能や意欲の低下につながるため、専門性のないケアプランでは逆に自立を阻害する要因になる可能性があります。また、ケアマネジャーとの連絡や訪問対応等の煩わしさがなくなる一方、本来はケアマネジャーが行っているケアプラン作成以外の様々な業務を全て利用者本人や家族が行うことになるため、身体的・精神的負担が増えるでしょう。

なお、居宅介護支援事業所にケアプラン作成に関する業務を依頼することは無料です。居宅介護支援事業所の利用に必要な費用は全て介護保険制度から給付されるので、そのうえでセルフケアプランにするか、ケアマネジャーに依頼するかを検討しましょう。

ケアプランと介護計画書の違いとは

ABCのイラスト

介護計画書とは、個別支援計画書とも言います。ケアプランは利用者の日常生活の自立を促すために利用する介護保険サービスや本人・家族の役割・地域の支援などを総合的に記載した計画書です。一方、介護計画書は利用するデイサービスやホームヘルパーがどのような方法や内容でサービスを提供するかについて記載した書類です。

例えば、ケアプランでは「自宅で入浴することは難しいからデイサービスを利用する」「自力で買い物に外出することができないので、ホームヘルパーが代行する」という内容を記載します。これを基に、デイサービスでは本人から安全に気持ちよく入浴していただけるための細かい支援方法を検討して介護計画書を作ります。ホームヘルパーも、買物を代行する際の手順や注意事項を利用者・家族と打ち合わせながら検討して介護計画書を作成します。

サービス担当者会議で合意を得たケアプランをベースにして具体的な内容を煮詰め、実際のサービス提供方法について記載したものが介護計画書です。ケアプランでサービスを利用する理由や支援の目的をつかみ、介護計画書ではケアプランの内容を基に具体的な支援方法を記載します。ケアマネジャーは、各サービス提供事業所が作成する介護計画書がケアプランに連動しているかを確認する役割も担っているので、安心して任せましょう。

ケアプランでお困りの方は「介護の広場」に相談しよう

ケアプランについて話し合う様子

ケアプランは、利用者本人が自分らしく過ごせるよう、自立に向けた生活設計を記した計画書です。名称は異なりますが、在宅で生活する人・施設に入所する人など介護保険サービスを利用する全ての人に対してケアプランを作成する必要があります。

本人や家族の意向と心身状況・生活環境を総合的に分析して解決すべき課題を明確にし、課題を解決するための方法を導き出すのが主な目的です。利用する介護保険サービスだけでなく、本人や家族の役割、地域の助け合い活動やご近所さんの声掛け、その他民間のサービスなどありとあらゆる社会資源をケアプランに位置付けることが可能です。ケアプランの作成は無料でケアマネジャーに依頼することが大半ですが、セルフケアプランとして自身や家族が作成することも可能です。

なお、ケアプランのことをいきなり専門機関に相談するのは気が引けるとお考えの場合は、Q&A方式で質問できる「介護の広場」がおすすめです。介護のお悩みを投稿するだけで、介護経験者や専門職から回答を得ることができます。ぜひ一度アクセスしてみてください。

介護の広場
池田正樹
介護福祉士、介護支援専門員、社会福祉士、福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーター2級 等

大学卒業後、通所介護・訪問介護・福祉用具貸与・居宅介護支援・グループホーム(認知症対応型共同生活介護)・有料老人ホーム・障がい者施設などを運営するNPO法人にて様々な種別の事業所に所属。高齢者支援だけでなく、障害者総合支援法に基づく業務の経験や知識も併せ持っている。事業所の新規立ち上げや初任者研修・実務者研修の設立・運営にも携わる。その後は地域でも有数の社会福祉法人に転職し、特別養護老人ホーム・ショートステイの事業所に所属した。現在は在宅高齢者を支援するケアマネジャーとして約50件を受け持つ。3児の父で、自身の祖父と父を介護した経験もあり、サービス利用者側・提供者側双方の視点を持ち、読者に寄り添う記事の執筆をモットーとしている。

増田 高茂
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者

多くの介護事業所の管理者を歴任。小規模多機能・夜間対応型訪問介護などの立ち上げに携わり、特定施設やサ高住の施設長も務めた。社会保険労務士試験にも合格し、介護保険をはじめ社会保険全般に専門知識を有する。現在は、介護保険のコンプライアンス部門の責任者として、活躍中。