2021.09.28

高齢者になった親と良好な関係を築くためのコミュニケーション方法

最終更新日:2021.10.12

高齢者になった親の困った心理と対処法

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親が高齢になると、時に困った行動を起こすことがあります。家族は対応で迷うかもしれませんが、対応方法を覚えておくと上手く付き合えるでしょう。10の困った行動の心理と、それぞれの対処法を紹介していきます。

面倒なおしゃべり

高齢になると話が回りくどく、同じ話を何度も繰り返すようになります。家族としては、何度も同じ話をされるとストレスを感じてしまうでしょう。高齢の方が何度も同じ話をするのは、話をしたことを忘れているためです。今おかれている状況がわからず不安を抱えているため、何度も同じ話をしてしまいます。当たり前にできていたことができなくなり、「これでいいのだろうか?」「迷惑をかけていないだろうか?」という不安があります。このように親が何度も同じ話をするときは、きちんと話を聞いてあげてください。「さっきも言ったでしょ」「また同じ話をしている」と責めないようにします。相手を不安にさせないために、何度でも同じ対応を繰り返しましょう。

怒り

高齢の親でよくみられる問題行動として、怒りが挙げられます。些細なことで突然キレやすくなってしまうのです。高齢の親が突然キレだしてしまうのは、不安やできない怒り、悲しみがあるためです。病気に対する不安が怒りとなる場合や、本当の気持ちを表現できず怒りや悲しみから怒りへと発展しています。おすすめの家族の対応は、いったん受け流すことです。そして親が冷静になったら、何が問題だったのか話し合いましょう。親が怒るのは何か原因が隠れているため、話を聞く姿勢が大切です。

頑固

親が高齢になると、頑固になり周りの意見を聞かなくなります。「自分が正しい」と言い張り、かたくなに意見を曲げないでしょう。高齢者が頑固になるのは、自分を守りたい心理が働いているためです。今までできていたことができなくなり、保守的になって守りに入ろうとします。失敗する経験を繰り返せば、誰でも今まで上手くいっていたやり方を選びたいでしょう。そんな親に対し、家族は気持ちを理解してあげるようにします。相手の立場に立って考えてみれば、少しぐらい頑固であっても認めてあげる優しさがもてます。自分の都合で親の考えを変えようとするのではなく、その背景を汲み取ってあげてください。

感情の平板化

親が高齢になると、笑顔や口数が減り感情の少なさが気になるときがあります。元気がなさそうに見えるのは、もしかしたら高齢うつかもしれません。高齢うつなら、いつも気持ちが暗くなり落ち込んでいる様子があります。一方で、高齢による感情の平板化は、何事にも関心を示さなくなります。うつに対しては治療がありますが、関心を示さない様子なら、家族は見守るしかありません。定期的に声を掛けるようにしたり、体を動かすよう促してみましょう。家族の声掛けにより、やる気が起きやすく、気持ちが前向きになることがあります。

だまされる

高齢になると、他人の意見に左右されやすくなります。ときには悪徳商法やオレオレ詐欺にだまされてしまうこともあるでしょう。高齢者がだまされやすいのは、孤独感により優しく声を掛けてくれる人を信じやすいためです。また、高齢になると認知機能の低下により、詐欺だとわかる手口の見分けがつかない場合もあります。詐欺から親を守るために、家族は詐欺の手口を普段から話すようにします。忘れやすい親の場合は、張り紙をするのもいいでしょう。「親は電話に出ない」「1人でATMに行かない」などルールを設けるのもおすすめです。

物忘れ

高齢の親と約束をしても、すぐに忘れてしまうことがあります。数分前のことを忘れてしまうなら、認知症の影響が考えられます。認知症の物忘れは、直近の記憶から忘れやすいのが特徴です。高齢の家族の物忘れが目立ってきたら、家族は否定しないようにしましょう。約束を忘れてしまっても叱らず、メモ書きで思い出せるよう対処します。家での生活で物忘れがあるなら、「お風呂の時間ですよ」など声掛けがおすすめです。

実年齢より若いという思い込み

親が高齢になると、実年齢より若いと思い込んでしまうことがあります。例えば、デイサービスに通うよう家族が促しても、本人は「まだ若いから」と拒んでしまうケースです。自分が実年齢より若いと思い込むのは、脳の若返りには大切なことです。若いと思い込めば、若い人のような積極的な行動ができるでしょう。ただし、家族が必要だと思うことを拒む場合や、本人に危険が及ぶなら対処しなければなりません。本人が拒んでも、家族は強要や否定するのを避けてください。「自分は高齢じゃない」という気持ちを汲み取り、、楽しい雰囲気を伝えるよう声掛けしましょう。

ひがみ

高齢の家族から、「どうせ私なんて……」というひがみが聞こえてくる場合があります。自分を卑下してしまうのは、高齢によりストレス耐性が低下していることが原因です。さらに体が上手く動かなくなり、自分が年を取ったストレスを感じてしまいます。また、病気の問題や、自分の死に対する不安も、ストレスを高めてしまうでしょう。家族は話を聞いてあげて、不安を和らげるようにします。自分を卑下する親を否定せず、前向きになれる声掛けをするようにしてください。

自己中

親が高齢になると自己中になり、人の話を聞かなくなることがあります。話をすれば自分の若いころの自慢話ばかりで、家族は「またか」とうんざりしてしまうでしょう。高齢者が自己中になってしまうのは、認知機能の低下が原因です。とくにプライドが高い人は、自分勝手な話や行動をしがちです。自己中の親に対しては、家族が声掛けをして趣味を見つけさせてあげましょう。趣味で忙しくなり楽しみがもてると、周りの人を構っている暇がなくなります。本人のためにも、生きがいを見つけるのはおすすめです。

マナー違反

高齢の親が、生活の中でマナー違反が見られるようになり、家族は悩んでしまう場合があります。例えば、行列に割り込んでしまう、クレーマーになるなどの問題です。原因は脳機能の低下で、判断力が落ちてしまうのは仕方がないことです。親がマナー違反をしてしまう場合は、家族は否定しないようにします。とくに若いころにバリバリ働き、高齢になり時間を持て余している人に問題行動がみられます。家族は否定するより、趣味を見つけられるような声掛けや、できることの感謝の言葉を伝えてみてください。

性欲

親がいい年をして、エッチな雑誌やDVDを見ていたら困ってしまうのではないでしょうか。高齢で認知機能の低下がみられると、性欲を抑えられないため、表に出てしまいます。とくに運動機能が低下していない人は、高齢になっても性欲が落ちない傾向があります。家族は、親の性欲が目に付いても、見ぬふりをしてあげましょう。押さえつければ、問題行動に発展する恐れがあります。家で自由に楽しませてあげたほうが、外でのセクハラ行為を予防できます。

高齢の親と良好な関係を築くために大切なこと

介護
親が高齢になってくると、今までとは性格が変わり悩んでしまうかもしれません。悩んでいるのは、高齢になった親も同じことです。家族が親と関わるときは、親の心や体の変化を認めてあげるようにしてください。相手を否定せず、前向きになれるよう声掛けすることが大切です。家族も高齢の親の変化を学べば、親の変化に対処しやすくなり、良好な関係を築くことができます。

増田 高茂
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者
多くの介護事業所の管理者を歴任。小規模多機能・夜間対応型訪問介護などの立ち上げに携わり、特定施設やサ高住の施設長も務めた。社会保険労務士試験にも合格し、介護保険をはじめ社会保険全般に専門知識を有する。現在は、介護保険のコンプライアンス部門の責任者として、活躍中。