2021.07.30

簡単生活リハビリ「姿勢」

最終更新日:2021.08.15

良い姿勢について

今回は姿勢について触れていきたいと思います。姿勢は日常生活の動作や転倒に深く関わりがあると言われています。

鍛えると背筋が伸びる「腹横筋」とは

生活リハビリ‗姿勢

お腹回りには4つの筋肉があり、特に良い姿勢を保つ時や日常生活の動作を安定させるために、近年、注目されている筋肉があります。それは「腹横筋」という筋肉で、お腹の1番深層にある筋肉です。(図1)腹横筋の筋力が弱くなると下っ腹が出てきたり、背中が丸くなるなど姿勢が悪くなる原因となります。

腹横筋鍛える「ドローイン」運動

ドローイン運動

腹横筋を鍛える運動に「ドローイン」という運動があります。これは息を吸うときにお腹を膨らませ、吐くときに凹ます「腹式呼吸」に併せて行います。(図2)これを1日15回×2~3セット行えると良いです。この運動は血圧が上がりやすい運動になるため、高血圧の方は間隔を開けて行うなど、注意をして下さい。腹横筋を鍛えるとウエストが細くなり、背筋が伸びると言われています。老若男女問わず、非常に有効な運動なので、是非行っていただきたいです。

姿勢の改善・予防方法

年月が過ぎるのは速いもので、体も歳と共に刻々と変化しています。今回は老若男女に関わらず、姿勢の問題として取り上げられることが多い「猫背」と姿勢不良で最も多い「頭部前方位姿勢」の改善方法・予防方法について解説していきます。

「猫背」の改善・予防方法

猫背‗改善‗予防

長い期間、猫背姿勢が続くと若い方でも肩こりや腰痛、ひどくなると腕や手の血行障害、神経障害も引き起こされることがあります。高齢の方の場合、圧迫骨折や背骨の変形を引き起こしやすくなります。その結果、背中が丸くなったり腰の曲がりがひどくなり、姿勢を伸ばすことが出来なくなります。猫背姿勢を改善・予防するためには、背骨と併せて肋骨と肩甲骨も動かす必要があります。具体的な方法としては、下記の3つの運動をお薦めします。

① 両手を体の後ろで組んで、後ろに持ち上げる運動(図1)
② 両手を頭の後ろで組み、体を捻る運動(図2)
③ 両手でタオルを持ち、バンザイする運動(図3)
① ~③の運動を“胸を張りながら”、1日10回×3程度行いましょう。

「頭部前方位姿勢」の改善・予防方法

頭部前方位姿勢‗改善‗予防

首から肩甲骨周りにかけての動きや位置関係を解説させて頂きます。姿勢不良で最も多いのは「頭部前方位姿勢」です。これは肩の位置に対して、頭の位置が前にある状態のことを言います。高齢の方の場合、頭の位置が前にあることで円背の原因になるなど、全身の姿勢に大きく関わってきます。このような姿勢を予防するには、首から背中にかけての背骨と肩甲骨の運動を行う必要があります。背骨と肩甲骨を複合的に動かし、姿勢の維持・改善を図りましょう。運動の例を載せますので、ぜひ行って見てください。

肩甲骨運動を交互に15回ずつ行う

肩甲骨運動 肩甲骨運動

椅子に浅く腰掛け、手を肩の高さまで挙げます。その状態から肘を後ろに引いたときに、顔を前に出し、手を前に伸ばしたときに顔を後ろに引く。

肩甲骨運動

椅子に浅く腰掛け、手をモモの上に置きます。手を足の付け根側に動かしながら、肩を後ろに引き、顔は前に突き出していきます。手を膝側に伸ばしながら、肩を前に突き出していき、頭は後ろに引きます。

転倒予防にも効果的な「大腰筋」とは

転倒予防‗大腰筋

骨盤周囲の動き、姿勢について解説させて頂きます。左の姿勢は円背姿勢と呼ばれ、所謂「腰が曲がった」姿勢になります。本来、ヒトの背骨(=脊柱)はアルファベットの「S」に似た形状(右)をしていますが、筋力低下、圧迫骨折など骨の変形が原因で形状が変化します。左と右を比べて見ると、特に腰部でカーブの違いが分かると思います。右のような正しい脊柱のカーブを保つために重要な筋肉が大腰筋です。大腰筋はこのように脊柱正しいカーブを形成・保持するだけでなく、転倒予防にも効果があると言われています。特に高齢の方の場合は転倒防止の反応に大腰筋が大きく関わってきます。

「大腰筋」を鍛える運動

転倒予防‗大腰筋‗運動

大腰筋のトレーニングとしては、椅子に浅く腰掛け足の裏全体を床に着けます。左右の肋骨が交わっている部分を前に突き出すように胸を張ります。この姿勢を保ったまま、片方の足を床から離します。この時、左右に傾いたり、腰が曲がらないよう注意して下さい。足を床から離し3秒間保持した後、ゆっくり下ろします。これを両足各10~20回繰り返します。立った状態で前屈が出来る方は、実施の前後で前屈した際の指と床との距離を確認すると効果が実感できると思います。

加藤 隆三
理学療法士 地域リハビリテーション推進員
資格取得後は整形外科におけるリハビリテーション部の立ち上げに従事。その他、中学や高校の野球チームでトレーナーとして携わる。
現在は介護サービスにおいて、お客様の生きがいや生活の質を高めることをコンセプトとした生活リハビリの業務に従事している。
その他、地域リハビリテーションに力を入れており、静岡市を中心に介護予防教室を30回以上開催し、自立支援型ケア会議に参加している。その他、福祉用具専門相談員に対して、福祉用具の選定方法などの講演を行う。