良い姿勢とは
良い姿勢とはどのような姿勢でしょうか。まっすぐに前を向いて立った時に、
①後から見て左右対称で、体の中心が両方の踵の真ん中にある。
②横から見て、耳たぶ・肩・股関節中央・膝関節中央・外くるぶしが、一直線上にある。
この姿勢が、良い姿勢といえます。
S字状のカーブが崩れるとどうなるか
●平背:S字状のカーブが全体的に小さくなります。あごを引き、胸を張った姿勢で、一見姿勢が良く見えます。
●猫背(円背):あごが前に突出し、背中が丸くなり、骨盤が後ろに傾きます。首の湾曲が小さくなりストレートネックになる方もいます。
●反り腰(円凹背):腰の湾曲が過度になり、骨盤が前に傾き、お腹が出っ張ります。
代表的な例を3つ挙げましたが、これらが組み合わさった姿勢になることもあります。S字状カーブのどこかが歪むと、身体はバランスをとるために、S字状カーブ全体が歪んでしまいます。S字状カーブが歪むとクッションの役割が弱くなるので、筋肉の負担が大きくなります。そのため筋肉に常に力が入った状態になり硬くなり、血行が滞ってしまいます。血行が滞ると、発痛物質や疲労物質が蓄積されてくるので、痛みや凝りを感じるようになるのです。S字状カーブの歪みは、腰痛や肩凝りだけでなく、足のツッパリや、手足の痺れ、手足の動かしにくさにもつながってしまうことがあります。みなさんの背骨は良いS字状カーブになっていますか?チェックしてみましょう。
猫背・反り腰編
特徴的な姿勢を3タイプに分け、タイプ別に簡単なストレッチや運動をご紹介したいと思います。まず始めに、猫背に対する運動を取り上げて参りたいと思います。
ストレッチ方法
① 硬くなった胸の筋肉をストレッチ(両手を体の後ろで組み、肘を伸ばします。左右の肩甲骨を寄せて、背筋を伸ばし、胸を開きます。)
② 肩甲骨を寄せる筋肉を鍛える運動(両手を前方へ伸ばし、腕は床と平行にします。肘を後ろに引き、左右の肩甲骨を寄せます。)
③ ドローイン(仰向けになり、息を吐きながら、腰で床を押し付けます。)
運動の方法はこちら 簡単生活リハビリ「姿勢」
反り腰は一見良い姿勢に見えますが、腰椎や椎間板に負担がかかりやすく、変形性膝関節症の原因になる場合もあります。ストレッチや運動を行うと同時に、日常の生活動作を見直してみることもお勧めします。腰や肩の痛み・手足の痺れなどがある方は、ストレッチや運動は無理をせず、早めに病院を受診して下さい。
S字状のカーブの崩れは、日常の姿勢や、動き方の癖などをきっかけに徐々に起こります。ストレッチや運動を行うと同時に、日常の生活動作を見直してみることもお勧めします。腰や肩の痛み・手足の痺れなどがある方は、ストレッチや運動は無理をせず、早めに病院を受診して下さい。
平背編
平背に対する運動を取り上げて参りたいと思います。多くの日本人が平背と言われており、平背は肩こりや加齢に伴う円背(背中が丸くなる)を引き起こす原因とも言われています。肩こりでお悩みの方、最近少し背中が丸くなったと思われる方にも有効な運動です。是非実践して頂ければと思います。
ストレッチ方法
<平背の方>
①太ももの裏の筋肉のストレッチ(片脚を前に伸ばし、もう片方の脚は膝を曲げます。お辞儀するように上半身を傾け、太ももの裏を伸ばします。)
② 肩甲骨を開いたり寄せたりするストレッチ(両手を組み体の前へ伸ばし、背中を丸めるように、肩甲骨を開きます。その後、肘を後ろに引き、左右の肩甲骨を寄せます。)
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資格取得後は整形外科におけるリハビリテーション部の立ち上げに従事。その他、中学や高校の野球チームでトレーナーとして携わる。現在は介護サービスにおいて、お客様の生きがいや生活の質を高めることをコンセプトとした生活リハビリの業務に従事している。その他、地域リハビリテーションに力を入れており、静岡市を中心に介護予防教室を30回以上開催し、自立支援型ケア会議に参加している。その他、福祉用具専門相談員に対して、福祉用具の選定方法などの講演を行う。