2021.08.06

簡単生活リハビリ「筋力とバランス感覚を鍛えよう」

最終更新日:2021.08.13

筋力増強運動の効果を高めるためには

筋力とバランス感覚を鍛える

膝を伸ばすなどの関節運動では「主動作筋=関節を動かす筋肉」「拮抗筋=主動作筋と逆の働きをする筋肉」が関与しています。

運動はストレッチから始める

筋力とバランス感覚を鍛える

膝を伸ばす運動ではどこに力が入るでしょうか?恐らく太ももに力が入っていると思います。この力が入っている太ももの筋肉が「主動作筋」になります。反対につっぱり感を感じる太ももの裏の筋肉が「拮抗筋」になります。主動作筋は拮抗筋の柔軟性が高くなる程、筋力を発揮すると言われています。その為、体操など筋力を高めるための運動を行う際は先にストレッチなどを行い、筋肉の柔軟性を高めることで、体操の筋力増強効果が高めることが出来ます。

皆さんもご自宅で運動を行う際は、「ストレッチ→体操、運動」の順番を心がけて頂ければと思います。膝の運動を行う際の例を紹介しますので、参考にして頂けると幸いです。

正しいストレッチとは

皆さんは、「アキレス腱伸ばし」のようなストレッチを行うとき、どこを意識して行っていますか?ストレッチを行っている人の中には、「1・2・3・4」と伸ばす回数または時間を数えながら、反動をつけながらストレッチを行っている方が多く見受けられます。しかし、このやり方は間違いです。筋肉はじっくり持続的にストレッチをすることで、伸ばされ柔らかくなると言われています。伸ばす時間の目安としては20~60秒と言われており、10秒程度のストレッチではあまり効果がないという研究結果もあります。ストレッチを行う際は「反動をつけず、ゆっくり持続的に20~60秒程度伸ばす」ことを意識してみてください。

もう1つのありがちな間違いとしては、「体を柔らかくするために、痛みを我慢してストレッチする」ことです。一般的に痛みを我慢しなければ、体は柔らかくならないと思われがちですが、痛みを生じると筋肉の防御反応が引き起こされ、反対に縮こまってしまいます。ストレッチを行う際は痛みを生じない程度、少し伸ばしている部位にツッパリ感を感じる程度で行うことを意識してください。このように正しいストレッチのやり方を意識し、健康的な体を維持していきましょう。

ふくらはぎを鍛えよう

筋力とバランス感覚を鍛える

自分のふくらはぎを触ってみてください。むくんでいたり、冷たくなっていたり、柔らかすぎて弾力がないという方はいませんか?実は、ふくらはぎは別名「第2の心臓」と呼ばれているのをご存知ですか?心臓というのは、ポンプの作用によって全身に血液を送ります。そして全身を巡った血液は、再び心臓に戻ってこなくてはいけません。心臓より高い位置にある頭や心臓に近い上半身の血液は、簡単に心臓に戻ってくることが出来ますが、下半身の血液は重力に逆らって戻ってこなければなりません。そこで、血液を心臓に押し上げるポンプの役割をしているのが、ふくらはぎの筋肉なのです。そのため、運動不足でふくらはぎの筋肉がやせてしまったり、長時間座りっぱなしで足を動かさないと、血液の循環が悪くなり、足がむくんでしまいます。また、ふくらはぎが冷えてしまうと筋肉が固まってしまい、結果ポンプの働きが弱くなり血液の循環が悪くなることにつながってしまいます。日頃から簡単なストレッチや運動によってふくらはぎを鍛えることが大切です。

今回は座ったままできるものをご紹介します。是非、ふくらはぎを鍛えて第2の心臓をしっかり動かし、血液循環を良くしましょう。

①ふくらはぎのストレッチ

ふくらはぎのストレッチ

タオルを足の裏にかけて、両手を手前に引き、足首を伸ばします。

踵上げ

踵上げ

踵の上げ下げをします。

足指の運動

足指の運動

足の下にタオルを敷き、足の指を曲げて動かすことでタオルを手前に寄せます。

バランス能力を鍛える方法

バランスを鍛える

皆さんはバランス能力を鍛える方法として、何を思い浮かべますか?バランストレーニングで、最も一般的なのは片足立ちです。しかし、片足立ちはバランスを崩しやすく1人で行うには怖かったり、膝などの関節に負担がかかって痛むなど、いざやろうとした時に出来ないケースも少なくないと思います。そこで今回は体を動かさず、座ったまま出来るバランストレーニングとして、近年注目されている方法を紹介したいと思います。

メンタルローテーション

メンタルローテーション

「メンタルローテーション」とは回転した像から元の像(正立像)をイメージすることを言います。例えば、上記の2つの図形や文字で同じ物を速く見つけることが出来た人ほど、頭の中で物の動きをイメージする力が長けており、このイメージする力が立っている際のバランス能力にも関係していると近年の研究で報告されています。イメージする力はこのように簡単な問題を日常的に解いていくことで養うことができます。

また実際に使う体の部分をメンタルトレーニングに用いることで、その効果を高めることが出来ます。例えば、立ち姿勢のバランスを鍛えたい場合は、図1の中でAと同じ側の足が1つあります。それは度の足でしょうか?と言うような形で足を題材にしてメンタルローテーションを行います。非常に簡単なトレーニングなので皆さんも是非、チャレンジしてみてください。

加藤 隆三
理学療法士 地域リハビリテーション推進員
資格取得後は整形外科におけるリハビリテーション部の立ち上げに従事。その他、中学や高校の野球チームでトレーナーとして携わる。
現在は介護サービスにおいて、お客様の生きがいや生活の質を高めることをコンセプトとした生活リハビリの業務に従事している。
その他、地域リハビリテーションに力を入れており、静岡市を中心に介護予防教室を30回以上開催し、自立支援型ケア会議に参加している。その他、福祉用具専門相談員に対して、福祉用具の選定方法などの講演を行う。